選考プロセスの後半にリファレンスチェックを依頼。客観的な情報を参考に、活躍できるキャリアパスを描く
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社名 株式会社Scalar 事業内容 ・データベースミドルウェアの研究開発・提供 設立 2017年12月 従業員数 31名 ※2023年9月 URL https://www.scalar-labs.com/ja
データベースミドルウェア製品を開発・販売している株式会社Scalar。エンジニアチームとビジネスチームの2つのチームからなる組織で構成されており、多くの社員がエンジニアとして活躍中です。
設立から6年を迎え、さらなる事業拡大に向けて採用に力を入れようとオンラインリファレンスチェックサービスTRUST POCKET(トラストポケット)の導入を本格的にスタートしました。CFOの金子雅人様、人事担当の白米真弓様にリファレンスチェックがもたらす課題解決の可能性について詳しくお聞きしました。
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課題
- 履歴書だけでのスキルレベル判断
- 入社後のミスマッチによる離職
- 仕事へのモチベーションや実際のスキルレベルの把握
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成功ポイント
- 前職での活躍状況の把握が、活躍人材の採用につながった
- リファレンスチェックを実施した求職者のうち、選考辞退は0名だった。
- 採用後の育成計画や入社時のミッション定義をより正しく行うことができた。
ちょっとした違和感が「入社後のミスマッチ」につながる
Q TRUST POCKETを導入することになったきっかけについて、教えてください。
金子雅人様(以下、金子):採用面接をしていて、履歴書や職務経歴書に書いてある内容と、実際に面接で話された内容が少しズレていることがありました。例えば「開発スキルがある」と書いてあったので面接で確認すると「いえ、できません」と返答が来てしまい、戸惑ったケースがあったんです。他にも「システム開発のプロジェクトマネジメントが得意で技術に明るい」と話していた求職者を技術営業に採用したところ、なかなか成果が出なかったこともありました。働き始めたものの、イメージと違って苦労してしまう点が採用課題でした。これは求職者側の問題というより、当社側がミッションを明確化できていない、または、期待値が膨らんで入所後に業務範囲が拡大してしまうといったことも大きな要因と考えていました。
もし客観的な視点から見たリファレンスチェックがあれば、業務レベルをどの程度まで任せて良いのか判断もしやすくなります。同時に、当社への志望度の高さも測れるのではないかと思いました。リファレンスチェックは手間がかかりますが、その分、すぐ対応する求職者は、志望度が高い印象がありました。
白米真弓様(以下、白米):こうした入社後のミスマッチに関して「面接が構造化されていないからではないか」と、私は考えていました。常に経験豊富な面接官が対応するわけではないので、採用に向けた共通の判断軸がないと、困ってしまいますよね。そうした判断軸は今後社内で明確にしていかないといけないと感じていますが、その判断をより確かなものにするツールとして、リファレンスチェックはとても有効だと感じています。
Q TRUST POCKETを導入する以前も、リファレンスチェックはされていたのですか?
金子:
本格的に導入を始めたのはTRUST POCKETからになります。Scalarは設立6年を迎えたスタートアップ企業です。規模を拡大していることもあり、今まではリファラル採用のみで採用していました。そのため前職での様子について自然に伺うことはできていました。
しかし昨年から採用方針を変更し、広く多様な人材を集めようとしています。ハイクラス人材向けの求人スカウトサービス、SNS、転職エージェントなどを経由した採用活動を進めていく中で2023年8月より「TRUST POCKET」の導入をしました。
私自身は前職でも話があったのでリファレンスチェック自体に違和感はありませんでした。インタビューを求められた時も、その方の仕事ぶりを素直に共有すれば、特に問題はないなと思っていました。私が依頼をしたことはないですが、依頼するとしても問題になることもないですし、何よりそれで問題が出てくれば、その会社に行かないほうが良いだろうと思っていたので、導入へのハードルは特に感じていませんでした。
白米: 私は以前、メガベンチャー企業で採用人事を担当していました。その際に自社でリファレンスチェックを行い、スプレッドシートに情報を記入していた経験があります。
Q TRUST POCKETを導入してみて、いかがでしたか?
金子: もちろん、リファレンスチェックだけでは採用の合否は決めません。入社後すぐの離職や、ミスマッチにつながりそうな「互いの認識がズレている違和感」を炙り出せるのではないかと思います。リファレンスチェックによって採用を多角的な角度から検証し、求職者にスポットライトを当てることにはメリットがあるのではないかと思いました。自分の強みを文章で表現する「履歴書」、コミュニケーションで表現する「面接」、そして第三者の視点から客観的に伝える「リファレンスチェック」。この3点があれば、求職者自身をさまざまな側面から見て、活躍できる人材かどうかを考えることができます。
白米: そうなんですよね。転職エージェント経由で紹介いただいた求職者の場合、どういう方なのか客観的な情報を得られます。ところが求人広告やSNSを経由した方は、本人が提出した書類からすべて判断しなければなりません。第三者視点のチェックがどうしても難しくなってしまう点に、私も課題を感じていました。
金子:
当社は会社規模がまだ小さく、応募者総数も少なめです。大手企業であれば大量募集による一括採用ができるかもしれませんが、入社後も活躍してもらえる人材を、確実に採用していく「精度」が採用活動には求められます。
TRUST POCKET導入前は、面接官の面接スキルもバラバラでしたし、明確な指標も定めていませんでした。
リファレンスチェックという指標があれば、「もう少し詳しく、面接で聞いておけば良かった」と後悔せず、求職者をより深く理解する面接ができるのではないかと思いました。
リファレンスチェックを導入して改めて気づいたメリット
Q リファレンスチェックを求職者に依頼する際、気をつけたポイントなどはありましたか?
金子:
選考フローの後半に、対面で直接ご依頼するようにしていました。なぜなら表情を確認したかったからです。「次に選考が進んだら、2名ほどの今までの上司や同僚の方にリファレンスチェックをお願いします」とお伝えし、その時の反応も含めて参考にしました。
依頼してすぐに対応できる求職者は、おそらく一緒に仕事をしていた仲間との関係性が良好なはずです。私たちとしても、そうした周囲とのコミュニケーションが築ける方と一緒に働きたいと思っていました。メールで依頼すると、求職者の表情が分からないですよね。対面ならば、お願いしてすぐに「あの人に頼もう」と考えてくれているかどうかが読み取れます。
また後半に依頼した理由としては、入社への熱意が高くなっていないと選考途中の離脱につながる可能性もあると考えたからです。
白米:求職者からすると「リファレンスチェック?経歴を疑われているのだろうか?」と不安になる方や、抵抗を感じる方もいるかもしれません。初めて経験する方にとっては、きっとびっくりしますよね。だからこそ、誤解のないように直接意図をお伝えするように気をつけていました。
リファレンスチェックは、入社後の働き方や職場環境をより良くするためのもので、入社後に活躍していただく目的で導入しています。その目的を丁寧に説明すれば、納得していただき、快く対応してくれました。
Q リファレンスチェックをしてみて、もっとも参考になった情報はどの部分でしょうか?
白米:
「前職でより良い人間関係が築けていたかどうか」は、非常に参考になりました。リファレンスチェックを快諾していただけた方は、やはり安定した信頼関係が築けていました。
TRUST POCKETに搭載されている「アンケートテンプレート集」をカスタマイズして使用したのですが、いずれも第三者の書いた思いが強く伝わってくる返信ばかりでした。「一緒に働いてみて、ここが良かった」「こういう人柄で、社内でこんなふうに活躍していた」と具体的に記されており、短時間の面接では分かりにくい「相手の長所」が見えました。
目の前で話している求職者の印象と、リファレンスチェックで書かれている情報との間に差があるかが分かりやすいアンケート設計になっていたので、面接官もチェックしやすかったのではないでしょうか。
Q TRUST POCKETを使用し良かった点があれば教えてください。
白米: アンケートテンプレートを活用した質問項目が非常に助かっています。募集するターゲット別の職種・役職別にテンプレートが設計されているので、面接の際の質問を考える際にも参考にしているぐらいです。営業、技術営業などのビジネスチームや、経理などのバックオフィス、オペレーション系の職種の他、エンジニアなどの全職種の採用に活用しています。
金子:
TRUST POCKETは自分のタイミングで記入できる点が良いですよね。リファレンスチェックはあまり珍しいものでもないんですが、電話がかかってきて口頭で質問を受けるリファレンスチェックもあります。そうなると事前のアポもなく、時間を確保しなければなりません。
オンラインのアンケート形式なので落ち着いて回答できますし、電話よりも対応しやすいのではないでしょうか。基本的には1週間以内に記入をお願いしていますが、ほとんどの方が依頼から1〜2日以内にご返信いただいています。依頼後の選考辞退も現状は0名です。依頼から返信までのスピードも速く、使い勝手は非常に良かったと思います。
さらに、マイナビが提供しているサービスなので「信頼度の高さ」があるのも良い点です。似たような事業サービスを提供しているスタートアップ企業は、多数あります。しかしマイナビというブランドが示す「信頼度の高さ」はサービスの優位性となり、結果として充実したデータが集約されています。
リファレンスチェックで客観的に情報を比較。優秀な活躍人材の採用に成功
Q 実際に導入をして、採用に繋がったエピソードがあれば教えてください。
金子:
リファレンスチェックを実施して、良い結果が出た例がありました。とても面接が苦手な求職者が選考に進んだのですが、コミュニケーションがうまく取れなかったんです。ただ優秀なスキルを持っていたので、採用するかどうかを迷っていました。そこでリファレンスチェックを依頼したところ「絶対一緒に仕事をした方がいい。面接が苦手な人だからうまく話せていないかもしれないが、とても優秀だ」と元同僚の方からコメントが返ってきました。一緒に働いた経験があったからこそ、本当の実力が分かっていたのだそうです。
そこでスキルに特化して活躍してもらおうと決めて、オファーしました。入社した今も開発チームを牽引し、専門性に特化した活躍を続けてくれています。
こうしたスペシャリスト採用には、リファレンスチェックが特に有効だと感じました。本人の能力を理解してくれる方からの推薦によって、入社後の活躍の道筋が見えてくることがあると思います。採用する私たち企業にとっても、求職者にとっても良い結果が生まれました。
入社後の配属、職場環境、キャリア設計にも積極的に活用したい
Q 今後、リファレンスチェックをどのように活用してみたいと考えていますか?
白米:
ゆくゆくは最適なチーム配属のデータとして見たり、パフォーマンスを発揮しやすい環境を整えるための情報として参考にしたりと、さまざまな活用方法をイメージしています。社員の教育・育成と絡めると、入社後の活躍のためにさらに活かせそうです。
業務の得意・不得意が分かるようにマネージャーに伝えられれば、仕事をアサインする際にも活用できそうです。仕事へのフィードバックや昇給にも反映できる情報連携も可能でしょう。あるいは短期間で転職を重ねている方にも、依頼してみたいですね。第三者視点での事情や背景を伺えば、お互いの理解がさらに深まるのではないでしょうか。
さらにTRUST POCKETのアンケートテンプレートを活かした「構造化面接」にもトライしてみたいです。誰もが面接官として一定基準以上で求職者を評価できるよう、あらかじめ評価基準・質問項目を設定する方法が導入できそうだと感じています。選考終了後に候補者に対して面接官・人事担当の印象をアンケートでヒアリングすれば、選考内容の見直しにも応用できますよね。本当に幅広い活用の仕方がありそうです。
金子:
今、一番採用したいと思っている「技術営業」の採用に活用したいです。当社が扱っているインフラ製品に関する技術面の知識が必要とされるのですが、どの態度の知識レベルが必要かははっきり示しているわけではありません。そのためリファレンスチェックで「技術営業として活躍するためのスキルレベルに達しているか」が聞ければ、おそらく精度の高い採用につながるでしょう。
具体的には、アンケート項目の質問に「第三者がどのぐらい評価しているのか」を組み込み、必要なスキルの習熟度を見える化したいと思っています。「ドキュメントを読んで設計までの実装ができるか」など、明確に定義できれば入社後に「こんなはずじゃなかった」と後悔するミスマッチも減るでしょうし、スキルの有無も判断しやすくなります。加えて、ATS(採用進捗管理システム)との連携がスムーズになるとより便利になりそうですね。適性検査・スキルセットの内容も併せて一括管理できれば嬉しいです。
今後もTRUST POCKETの活用方法を工夫しながら、採用を強化していきたいと思います。
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Q CFO/金子 雅人 様
大手監査法人の金融機関に対する会計監査を経験したのち、米系コンサルティング会社に勤務。ブロックチェーン系スタートアップで事業開発を行い、現在に至る。
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Recruiter・HR/白米 真弓 様
SmartNews, メルカリでの採用/採用ブランディング担当を経て、現職にて1人目の人事として従事。
ページ上の各種情報は2023年11月時点のものです。
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