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転職フェア内での面談で熱量が伝わり、採用難度の高い優秀人材が入社

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  • 社名 デリカウイング株式会社
    事業内容 食品
    設立 1971年
    従業員数 213名 ※2024年12月現在
    URL https://dwing.co.jp/

セブン-イレブンのパートナー企業として、お弁当やおにぎり、サンドイッチなどを製造・販売しているデリカウイング株式会社。中四国エリアを中心に毎日25万個以上の商品を納品し、食を通じて社会に貢献してきました。2019年からは中途採用にも注力し「マイナビ転職フェア(以下、転職フェア)」にも積極的に出展。優秀な人材の採用に成功しています。今回は総務部 抜口様、人事部 木村様に、転職フェアを活用した採用活動についてお伺いしました。

  • 課題

    • 新卒採用中心に採用活動を行っていたため、中途採用に関してのノウハウが少ない
    • 働き方にミスマッチがあったことが原因で、社員の離職が発生していた
  • 成功ポイント

    • 転職フェア内の面談を、ミスマッチを減らすための相互理解の場に
    • 選考をできる限りスピーディに進め、時には電話で採用への熱意を伝えた

新卒中心だった採用活動。今後は「中途採用」にも注力するために方針を転換


Q転職フェアを利用される前は、どのような採用課題を感じていましたか?

抜口 朋宏 様(以下、抜口): 当社の採用活動は、長年にわたって「新卒採用」を主軸に置き行っていました。新卒採用を行ったうえで足りない人材を中途採用で補い、年間10名程度の採用をしています。

新卒向けの合同企業説明会への出展で充分な数の応募・採用を獲得できていたため、以前は中途採用にはあまり力を入れていませんでした。しかし最近は多様な人材獲得も大切だと感じるようになり、中途採用にも注力するよう方向を転換しました。

加えて、入社後の働き方にミスマッチがあったことが原因で、離職が相次いだことも課題でした。当社の工場はコンビニエンスストア向けの商品を製造していることから、24時間365日稼働しているため、勤務体系もシフト制になっています。そのような生活リズムにどうしてもなじめない方は、残念ながら退職に繋がってしまいます。働き方についてこれまで以上に丁寧に説明し、入社前に理解を深めていただく必要性を強く感じていましたね。

Q転職フェアを利用することになったきっかけについて、教えてください。

抜口: まずは中途採用の方法としては最もメジャーである、WEBへの求人情報掲載からスタートしました。「マイナビ転職」へ何度か掲載し、掲載結果の振り返りなどをしていただく際に、マイナビの営業担当から「転職フェアに一度、出展してみませんか?」とご提案いただいたんです。ハローワークや広島県主催の中途採用向け合同企業説明会に出展したことはありましたが、ここまで大規模な中途採用向けのイベントへ出展するのは初めての試みでした。

費用対効果を考えると最初は不安でしたが、まずはやってみようと一歩踏み出しました。WEB上に求人情報を掲載し応募を待つ「マイナビ転職」とは異なり、転職フェアでは直接相手の顔を見ながら、時間をかけてその場で対話できます。「この人に入社してほしい」という方がいれば、じっくり説明させてもらえるところは、非常に魅力的です。

まずは工場での製造に携わる「製造管理」の正社員採用を目指し、20代〜30代の若手人材とお会いできることを期待して採用活動がスタートしました。

転職フェアに出展して6年目。求職者と対話を重ねながら、試行錯誤を続けてきた


Q実際に転職フェアに出展されてみて、いかがでしたか?

抜口: 最初に出展したのは2019年11月。そこから年1〜2回のペースで現在も参加しています。一度の参加で大体20〜30名の方がブースを訪れており、当社に興味を持ってくださった方とはゆっくり座ってお話ができています。

木村 行成 様(以下、木村): 私は10月から当社の採用活動に本格的に参加しています。実際に転職フェアを体験し、改めて「求める人材といかに出会えるか」をしっかり考えながら採用活動を引き継いでいきたいと思いました。

Q出展する際に、何か工夫をされていることはありますか?

抜口: はじめて出展した時は、当社に関する説明が書かれたパネルを設置しただけでしたが、徐々にブースの装飾にもこだわるようになりました。テーブルクロスを敷いたり、座席カバーを設置したり、自立できるタペストリーを立てたりなど、視覚的にも来場者の目に留まるような工夫を凝らしています。マイナビの営業担当からのアドバイスや、他社の出展ブースからヒントをもらいながら試行錯誤してきましたね。

最近では、会社説明の資料投影をモニターに映すように変更しました。以前はプロジェクターを使ってブース内の壁に投影していましたが、あまりクリアに見えないんですよね。少しずつ工夫しながら、当社の魅力がより伝わる方法を常に模索しています。

また、取引先であるセブン-イレブン向けに当社で製造している商品をブース内で一部展示し、興味を持ってくださった方には詳しく説明しています。商品に貼ってあるラベルに「デリカウイング株式会社」の記載があるのを見て「この商品って、御社が作っていたんですね!」と驚いている方も多く、知らないあいだに購入していたと知って身近な存在だと感じてくれるようです。

また、企業説明の仕方も工夫しています。こちらから一方的に説明をするのではなく、なるべく面談形式で求職者と対話できる時間を増やしました。その方が心を開いてもらいやすく、入社後の働くイメージも湧きやすいのではないかと思っています。丁寧に対話できる機会を設けたことで、結果として入社後のミスマッチをなくすことにもつながりました。

難度の高い職種の採用に成功。直接顔を見ながら、お互いの想いを伝え合った


Q転職フェアを通して実際に採用された方について、教えてください。

抜口: 求人を出しても応募につながりにくい「設備担当」の正社員採用に成功しました。「製造管理」の採用を目指していたところ、偶然「設備の仕事がしたい」という方がブースに着席してくれたんです。

「設備担当」は工場内の生産設備の設計・メンテナンスを担う仕事で、活かせる経験がある方は転職市場にもあまりいらっしゃらない業務です。転職フェアに参加された方がご自身の経歴を書き込んでいただく「求職者シート」内に「第一志望:製造管理/第二志望:設備」と記載があり、興味が湧いたため面談で詳しく話を伺いました。

すると前職で設備プラントの設計経験があり、さまざまな資格もお持ちだと分かって驚きましたね。年齢は33歳。電気工事士、ボイラー技士資格もあり、「逃したら、もう2度と出会えない人材かもしれない」と確信しました。

そこで、まずは転職理由からじっくりと伺うことに。「プラントの開発設計は、竣工までが長く、現地で仕事をすると家に帰れなくなってしまう。結婚してから、家族と長期間離れることに抵抗を感じてきたため、転職を考えている」と語ってくれました。

当社としても入社後のミスマッチを防ぎ、採用に至った場合には長く勤務していただきたかったので、勤務体系や業務内容について真摯にお伝えしました。「デリカウイングに入社したら、こういう働き方ができる」というイメージをしっかり持っていただけるように、お任せする業務や転勤の可能性など、できる限り具体的に説明しました。

転職フェアを「選考」に組み込み、求職者に素早くアプローチ

Q面談後に選考フローを案内する上で、意識されたことはありましたか?

抜口: 転職フェアでの面談後、「ぜひ選考に進んでほしい」と感じた方には、必ず私のメールアドレスと会社案内を渡しています。さらに社内の役員にも2日以内には報告し、「求職者シート」と合わせて面接時に確認してほしいポイントを共有。転職フェア内の面談で1次選考が終了したようなかたちにし、すぐに次のステップへ進めるように準備します。

上記の設備担当の社員の例では、面談した時点で「最高の人材を見つけた」と感じ、他社からも内定が出る恐れもあったため、一刻も早く選考に進んでいただこうと、すぐにメールで選考案内を送付したんです。しかし待っていても、なかなか返事が来ない。「これはスピード感が重要だ」と判断し、直接電話をかけて「ぜひ次の選考でお会いしたい」とご連絡しました。

入社が決まったあと、「企業からメールをいただいたことはあったが、電話は初めてだった。それだけ真剣に“自分を採用したい”という想いが伝わってきて、嬉しかった」と話してくれました。そうした熱い気持ちを受け取ってくれたのも、転職フェアで直接顔を見ながらやり取りができたからこそかもしれません。

Q今後の目標について教えてください。

木村: 求職者の方々にとって、当社の知名度はまだまだ低いのが現状です。「デリカウイングで働いてみたい」と求職者側から積極的に選んでいただけるように、採用ブランディングにも力を入れてみたいですね。新卒採用向けにインターンシップを導入したり、大学の授業の一環で企業説明をさせてもらえる機会を設けたりと新たなチャレンジも試してみたいと考えています。

そして転職フェアにおいても、新たな工夫や活用方法を試しながら、さらなる成果につなげていきたいです。

  • $タイトル$
  • Q 抜口 朋宏 様

    2001年、デリカウイング株式会社に入社。
    生産部門を経験したのち、2011年より総務部に配属となる。
    バックオフィス業務全般ならびに、2024年に人事部が新設されるまでは採用業務全般も担当。

  • $タイトル$
  • Q 木村 行成 様

    2004年、デリカウイング株式会社に入社。
    岩国工場、デザート工場、東広島工場の工場長を経験後、
    新設された人事部にて、2024年より中途・新卒の採用に携わる。

ページ上の各種情報は2025年2月時点のものです。

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