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初のマイナビ転職フェア参加で4名の採用に成功。求職者との対話の機会を増やし、働く人の魅力を伝える

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  • 社名 有限会社マルコー設備
    事業内容 ・福岡市内の建築設備
    ・給排水の申請業務
    設立 1993年2月
    従業員数 21名 ※2023年8月現在
    URL http://maruko-setsubi.jp/

大手商業施設やアミューズメント施設、タワーマンションなどの建設工事には、必ず官公庁への許可申請が求められます。「マルコー設備」はそうした申請書類の作成・提出を手がけており、上下水道指定工事店として建築会社や設備会社との取引実績を重ねてきました。こうした仕事内容の魅力を伝えるために、マイナビ転職フェア(以下、転職フェア)・マイナビ転職への求人広告掲載を積極的に活用。「転職フェア初挑戦」で、4名の採用に成功しています。人事担当の宇野恵二郎様、永原明美様に採用に至るまでの経緯や、採用活動への工夫について聞きました。

  • 課題

    • 事業内容が独自性に富んでいるため、求職者に仕事の魅力が伝えきれていなかった。
    • 有効応募数が少なく、母集団形成に難しさを感じていた。
    • 条件面で他社と比較されやすく、募集の間口を広げるために会社規定を見直す必要を感じていた。
  • 成功ポイント

    • 転職フェアを活用し、求職者と直接触れ合い自社をアピールする機会を増やした。
    • 積極的に多くの求職者に声掛けを行った結果意欲の高い人材と面接でき、初めての転職フェア参加で4名の採用に成功した。
    • さまざまな求職者と対話することで、職場に求める待遇などリアルな声を集められた。

Qマイナビを利用する前は、どのような採用課題を感じていたのですか?

宇野恵二郎様(以下、宇野):母集団形成の難しさです。大手の求人広告への掲載を一度試してみましたが、応募は0件。ハローワークも利用していましたが、応募数は非常に少なかったです。弊社は建物を建設する際の上下水道工事を手がけているのですが、仕事のやりがいや働く人の魅力がなかなか伝えきれずにいました。文字の情報だけでは会社としての魅力がうまく伝わらず、母集団を増やしていくことが難しいと感じていました。

Qマイナビのサービスを利用することになった経緯について、教えてください。

宇野:求人原稿で自分たちの熱量や、仕事のやりがいをうまく伝えられていないと感じていたことをマイナビの営業担当者に相談すると、「それなら転職フェアに出展してみてはどうでしょうか」とご提案いただきました。

正直、「それはありだ」と思いました。やはり直接、求職者と会って話せるのは大きいメリットです。ただ、そうしたイベントに出展するのは、まったくの初めて。何をどうすれば良いのか、見当もつきませんでした。そこで、前職から付き合いがある先輩に声をかけて、レクチャーしてもらいました。先輩は人事として新卒採用をした経験があり、大規模な就活イベントに出展したこともある方。「座って落ち着いて話せるスペースを、ブースの前方に固めて作ろう」「目立つキャッチコピーが入ったポスターを作ってブースの壁に掲示しよう。同じ資料を作って配布もすべき」など具体的にアドバイスをもらいながら、準備を進めました。

Q転職フェアを利用してみて、効果はいかがでしたか?

宇野:初めての参加で、4名の採用に成功。いずれも20代で、全員未経験入社でした。業務で官公庁に行くことが多く、書類の申請時にコミュニケーションを取る機会もあります。そのため人と話すのが好きで、成長意欲の高いタイプとお会いしたいと思っていました。転職フェアではそうした採用要件に近い求職者とじっくりお話が出来ました。

今でも活躍してくれており、そのうち1名の20代女性は元調理師です。初めてのチャレンジではありましたが「やってみたい」という強いチャレンジ精神を持っている人材です。そうした人材との出会いから面接までをスムーズに行えたことが、採用成功の要因でした。

しかし転職フェアのメリットは、「転職しよう」と真面目に取り組んでいる方へこちらから直接アプローチできる点です。そうした成長意欲に富んだ方とまず出会った上で、仕事のやりがいを伝えることができました。特に弊社は、事業内容が分かりにくいと思うので、丁寧に説明する必要があります。建設業界の中でも「行政への申請書類作成・提出」という、すき間産業を行っていますから、文字だけでは分かりにくい事業の特殊性や働く人たちの魅力を、自分たちの言葉でしっかりお伝えできたと思います。

Q転職フェアに参加するにあたり、何か工夫された点はありましたか?

宇野:参加するスタッフの中で、役割分担をするように意識しました。まずは私と先輩の2名がブースの前に立ち、「どんな仕事を探しているんですか?」と積極的に声をかけます。例えば「営業です」と返ってきたらブース内にすぐご案内。募集している職種が営業ではなくても、人とのコミュニケーション力が問われる仕事であれば、向いているのではないかと判断します。ブース内にはスタッフが控えており、会社について紹介してもらうという流れです。初回でこのやり方がうまくいったので、その後に参加した転職フェアでも同じ流れで進めました。

私や先輩は、あえて会社紹介には口を挟みません。一番大切なことは、いかに話を聞いてもらえる人と出会うかだと思ったので「目の前にいる人は、どんな働き方を求めているのか」を、会話の内容や表情から瞬時に判断し、声かけや提案することに集中しようと考えました。

例えば最初に声をかけた後、すかさず「仕事を選ぶ時に、気になっていることや重視していることはあります?」とフランクに話を続けます。「給与です」と答える方もいれば、「CADに興味があります」「コミュニケーションが活かせる仕事がしたいです」という方もいるわけです。そこでスタッフに目配せして「こういう点が気になっているらしいよ」と申し送り、興味ある箇所を重点的に説明してもらいました。

永原明美様(以下、永原):そのほかにも、ブース内に掲示するポスター、資料などはインパクトの大きなものを作成し、興味関心を惹くものを用意しました。「売上が上がって困っています。誰か力ば貸してください」と九州弁で大きく書いていたので、かなり目立っていましたね。これも先輩がデザインしました。同じ日に出展していたのは、名だたる大手企業や官公庁ばかり。それに比べると、弊社の知名度はほとんどありませんでしたが、反応はかなり良く、足を止めて見てくれた方もたくさんいました。

Q企業風土に合った人材かどうかを見抜くために、どのようなコミュニケーションを心がけましたか?

宇野:「売上が上がって困っています。誰か力ば貸してください」と同じキャッチコピーが会社パンフレットにも書いてあります。このパンフレットを渡した時にクスッと笑ってくれる方は弊社との相性が良いと判断しました。かしこまっているタイプよりも、フランクにコミュニケーションがとれるタイプの方が、社風に合っていると思ったからです。行政とのやり取りが多い弊社の仕事ですから、真面目で堅いやり取りも日常的に発生します。そういうやり取りであっても柔軟に対応し、分からないことがあれば周囲に質問できる姿勢が求められます。そうした適性について参考にする際に、キャッチコピーが役立ちました。

さらに相手の関心事について伺う「質問シート」を作り、対話の時間を長く設けるようにしました。「質問シート」には縦3×横3の9マスに分かれた正方形の中に、キーワードが書かれています。「給与」「やりがい」「勤務地」「スキルアップ」「人間関係」など、お互いに対話しやすいようによくある転職理由のキーワードを書き出して一覧表にまとめたものです。そのキーワードの中から転職する上で気になっているテーマを選んでいただき、一緒に見ながら話し、本音を聞き出しました。

Qその後の面接を確約していただくために、気をつけたポイントはありましたか?

宇野:転職フェアから時間を置かずに、すぐ面接を設定したことですね。最初に声をかけた時の印象をその場で判断し、「当日中に電話連絡をする人」「他のメンバーの意見を聞いて社内で相談してから電話連絡をする人」「弊社とはご縁がなさそうな人」の3パターンに分けてしまうんです。採用につながる確率が高そうな方は、会話をしていて気になった情報もメモしておき、なるべく早くコンタクトを取るようにしました。

転職フェア終了後に近くにあるカフェへ飛び込んで、当日のうちに面接日程を調整した結果、ほとんどの方が面接に進んでくれました。やはり熱が冷めないうちに次の行動に移さなければ、会社の魅力をどれだけ伝えても響かなくなっていってしまうのではないでしょうか。 だからこそ、最初に出会った時に、どれだけ良い印象を持っていただけるのかにも気を配りました。特に弊社のような中小企業にとっては、入社後にできるだけ長く活躍してもらえるかどうかが非常に重要になります。そのためには入社後にギャップを感じないよう、「一緒に働く人たちの人柄の良さ」が伝わるような丁寧なコミュニケーションを心がけました。
とにかく楽しく、なんでも相談できる環境があることを分かってもらいたかったので、率直に話してもらいやすい雰囲気を作っていたと思います。自分が話しすぎないように気をつけて、「求職者が仕事に対して何を一番求めているのか」を聞き切るようにしました。その上で、入社後に希望する働き方ができるかどうかも検討しました。

永原:私は細かい事務作業を主に担当しており、面接日程の調整やメールでのご連絡などをサポートしました。チームとして全員がそれぞれの得意分野を担当し、補い合って動いていた点も採用成功につながったのではないかと感じています。

中村ゆめ様(以下、中村)、藤野恵理子様(以下、藤野)はマイナビ転職、転職フェアがきっかけで、未経験から事務スタッフとして入社されました。専用ソフト「JWWCAD」を使用し、給排水工事に必要な図面作成などを担当しています。

Q入社されるまでの経緯について、教えてください。

中村ゆめ様(以下、中村):私は転職フェアに参加し、マルコー設備を初めて知りました。最初に惹かれたのは、宇野さんの人柄です。最初に話しかけてくれた時の第一印象から、とてもインパクトがありました。ブース内に貼ってあったポスターのキャッチコピーを見て「こんな不景気な時代に、業績好調だとはっきり訴えられるなんてすごい」と感じたことを覚えています。仕事については「上下水道の工事に必要な申請業務」と伺って、興味を持ちました。ただ前職とは全然違う業種なので、不安もあったことは確かです。前職は、小学校の給食室で調理を担当していました。ですからPC操作自体もやったことがなく、初めてでした。それでも面接を受けるうちに宇野さんたちと一緒に働ければ楽しそうだと感じるようになり、入社しました。今ではCADを使った設計図面の作成もできるようになりました。

藤野恵理子様(以下、藤野):マルコー設備に応募したのは、マイナビ転職に掲載された求人広告がきっかけでした。子どもたちがまだ幼く、手もかかるため育児と両立しやすい正社員の仕事を探していたんです。前職では働きにくさを感じていたので、育児休業中に転職活動を進めていました。ワークライフバランスがとりやすい環境を求めていたので、希望する働き方ができるかどうかを重視していました。

Q入社の決め手は何だったのでしょうか?

中村:転職フェアに出展していた企業のなかでも、雰囲気が全然違っていました。その日は有名な大手企業や官公庁など堅いイメージの企業がたくさん出展していて、緊張感もありました。そんな中で、宇野さんの話はとてもフランクで分かりやすかったですし、話をしていく中で自然とマルコー設備で仕事をするイメージが膨らみました。

藤野:面接の際に「やっぱり家族は大事。家族を一番に考えて、優先する働き方を考えていきましょう」と私の志向を理解したうえで、親身に話しを聞いてくれたことが、心に響きました。前職と比べてしまい、すごく悩んだのですが、最後は安心して働ける環境かどうかで決めました。長く勤め続けるためにキャリアアップの道筋についても宇野さんから提案していただけたことも、背中を押されました。

Q今後を見据えた課題や、挑戦してみたい目標などがあればお聞かせください。

宇野:さらに母集団を広げていくためにも、自社の会社規定を見直していきたいと考えています。良い人材に出会えても大手企業と比べ「仕事のやりがいよりも、待遇・福利厚生を重視したい」といった理由から内定辞退や面接辞退が生じる場合があるので、積極的な採用活動のほかにも各種手当の充実や、給与のベースアップなど人事評価制度を見直す必要があると思っています。転職フェアでさまざまな人材と出会い、求職者の意向や社会の流れに合わせて会社自体をアップデートさせていく必要があると感じています。社員の希望を受け入れる体制を充実させていくことも、大切です。

今後は「自分が社内体制を変えます」という気概でチャレンジするような方にも、ぜひお会いしたいと思っています。仕事軸で転職活動をしている方、更なるスキルアップを模索している方との出会いを期待しながら、再び転職フェアに参加していきたいです。

  • $タイトル$
  • 専務取締役/宇野 恵二郎 様

    1986年生まれ 福岡県田川市出身
    大学で経営学を学ぶ。卒業後大手小売業に就職するが、より実践的な経営に携わりたいと思い退社。平成25年に(有)マルコー設備に入社。平成28年より人事部長に就任し、人事採用を担当する。平成30年に専務取締役に就任。

  • $タイトル$
  • 営業部 事務 /永原 明美 様

    1984年生まれ 京都市出身
    CADを学んだのち平成18年に(有)マルコー設備に入社。営業職を10年程経験し、出産のため休職。育児休業を経て、事務として復職。宇野の補佐をしながら採用業務に携わる。

ページ上の各種情報は2023年8月時点のものです。

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