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転職フェア内で「求めている人材かどうか」を直ちに見極め、選考期間を短縮。3回の出展で合計8名の内定獲得に成功!

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  • 社名 株式会社ミホミ
    事業内容 食品
    設立 1953年
    従業員数 104名 ※2024年11月現在
    URL https://cocco-cocco.jp/

静岡県を代表する銘菓「こっこ」を製造、販売している株式会社ミホミ。2022年からは新規事業としてパン製造にも取り組むなど、積極的な事業拡大にもチャレンジしています。長らく新卒採用を中心に採用活動を展開していましたが、2023年より本格的に中途採用をスタート。「マイナビ転職フェア(以下、転職フェア)」を中心に導入し、3回の出展で合計8名の採用に成功しました。今回は専務取締役 中村宗一郎様に、転職フェアの活用方法についてお伺いしました。

  • 課題

    • 中途採用の経験・ノウハウがほとんどない
    • コロナ禍の影響で中堅社員の退職が相次ぎ、組織の年齢構成のバランスが悪い
  • 成功ポイント

    • 裁量のあるメンバーが最初に直接求職者に会うことで選考期間を短縮
    • 自ら興味を持ってくれた方との面談に時間をかけ、求めている人材にはすぐに今後の選考フローを案内
    • 転職フェアを起点にした採用戦略を設計。採用成功に向けたPDCAが自然に回せるようになった

未来の組織構成を危惧し、中途採用にも注力することに


Q転職フェアを利用される前は、どのような採用課題を感じていましたか?

中村 宗一郎様(以下、中村): 今までの採用活動は新卒採用が中心で、中途採用は不定期で実施していました。しかし、新卒採用は年1回しか採用のチャンスがありませんし、また即戦力となる人材にはなかなか出会うことができません。そこに課題を感じ始めていました。

採用課題について考える大きなきっかけになったのは、コロナウイルスの蔓延による影響でした。当社が製造している商品は、静岡県のお土産としても親しまれている銘菓が中心です。そのためコロナ禍で観光業界全体が大きな影響を受けたことに伴い、何名かの社員がキャリアチェンジを希望して退職。会社の将来を担っていくであろう20代後半〜30代の社員が複数名抜け、組織全体の年齢構成に偏りが出てしまっていることに危機感を覚えたんです。

会社の未来を考えると、新卒採用だけではとても人材確保が追いつかなくなるだろうと感じました。
そこで、コロナウイルスの影響が落ち着いてきたタイミングで、中途採用を積極的に進めていくことになったんです。

Qどのようなきっかけで、転職フェアを利用することになったのでしょうか?

中村: まずは「自分たちで採用活動を仕掛けていくには、どうしたら良いだろう?」と考え、新卒採用でお世話になっていたマイナビに相談をしました。その際に「求職者からの応募を待っているのではなく、転職フェアに出展し、積極的に採用活動をしていることをアピールしてみては?」という提案を受けたんです。その提案が私の能動的に採用活動をしたいという考えとも合致していたため、「転職フェアに特化した中途採用を行ってみよう」と導入を決めました。

あえて特別な準備はせず真摯に話すことを意識し、計8名の採用に成功


Q実際に転職フェアに出展されてみて、どのような印象を持ちましたか?

中村: 2024年、3回にわたって出展しましたが、転職フェアには「転職活動に本気で取り組んでいる人が多く来場している」と感じています。

最初はどんな方が来場されるかも分からず、そもそも当社に興味を持ってもらえるのか、また何人くらいの方と実際に話ができるのか不安でいっぱいでしたね。営業職・製造職を中心に採用したかったため、メンバーは、専務である私、常務、営業部長、製造部長の4名が中心となって参加しました。それぞれに裁量があることを活かし、求職者と直接話をしてみて「この人は魅力的だな」と感じたら、その場ですぐに次の選考フローをご案内するようにしていました。結果として、応募〜採用までのスピードはかなり速くなったのではないでしょうか。

Q転職フェアを活用するために、工夫されたことがあれば教えてください。

中村: 1回目は参加メンバーの人選だけに集中していて、パンフレットは用意したものの、ブース内の装飾などには注力していませんでした。特別な装飾や準備に力を入れるよりも「ブースに来ていただいた方1人ひとりと向き合って、しっかりと話を聞くこと」を重視したかったんです。

その様子を見たマイナビの担当者から「実際に扱っている商品を置くなど、ブースの見た目も工夫し、会社の魅力を伝えましょう」とアドバイスをいただいたので、2回目以降の参加では新卒採用時に使用していた、椅子に取り付ける座席カバーや机を覆う布を持ち込み、当社らしさが見た目でもアピールできるようにしました。

Q過去3回の転職フェアでの成果は、いかがでしたか?

中村: 1回目は「まずは出展してみて、どのくらいの方が当社に興味を持ってくれるのか様子を見よう」というところから始まりました。30名以上と面談し、5〜10名程度は次の選考フローである「筆記テスト、適性検査、面接」へ進んでいただきましたね。転職フェア内の限られた時間での面談では、聞くことができる内容も限られます。なるべく多くの方と詳細なお話を伺う機会が欲しかったため、次の選考フローに進んでいただけるよう意識してお声がけをしました。結果、営業職2名の採用につながりました。

2回目は「前回よりも自分たちの判断基準を上げて採用したい人材を絞り、次の選考フローを案内しよう」と、参加メンバーに伝えました。1回目で面談にも慣れたので、採用効率を高めることにも挑戦したかったんです。前回採用できた営業職だけでなく、良い方と出会えれば製造職も採用しようと思い、じっくり対話をして「ぜひ採用したい」と思える方に選考フローをご案内しました。最終的には営業職2名、製造職1名の採用に成功しています。

3回目は「製造職の採用を強化しよう。営業職は本当に良いと思える方のみを採用する」と決めて、参加しました。初めて配属予定現場の製造責任者、営業責任者も連れて行きましたね。
製造職は複数名の採用を目指していたため、製造責任者に現場の仕事の魅力について求職者にたくさん語ってもらいました。その甲斐あって、3名が採用できました。また、営業責任者には「チームメンバーとして同行したらどう感じそうか?」という視点で面談に臨んでもらいました。

求職者と直接向き合えることを活かし、対話からカルチャーフィットを考えていく


Q転職フェアで採用されたのは、どのようなタイプの方だったのでしょうか?

中村: 実際に入社した方は、活発で行動的なタイプが多いかもしれません。特に営業職では「相手とのコミュニケーションがしっかり取れる方」ですね。取引先の中には老舗企業も多く、深い信頼関係を大切にしているお客様もいます。そういう相手とのやり取りも楽しんでいただけそうな方を採用しました。
転職フェアで採用したメンバーは、実際にお客様からお褒めいただくことも多く、当社で自信を持って仕事ができているのではないかと思います。

転職フェアで最初に出会った段階で「この人は当社の風土やカルチャーに合いそう」と感じた印象は、結果的にほぼ合っていました。入社後に一緒に働いていく現場のメンバーや部長たちが面談で感じた意見も反映した上で、採用活動ができたことが、結果として採用の成功にもつながっています。

Q求職者とのやり取りで、意識されたことはありましたか?

中村: 本当に当社に興味がある方とじっくりお話ししたかったので、基本的に求職者へ着席を促す声がけなどは行いませんでした。自分から当社に興味を持って、ブースへ来ていただいた方とだけお話ししましたね。こちらからアピールはあまりせず、求職者の方がリラックスして相談できるような雰囲気をつくることをとにかく意識しました。

例えば求職者の方の今後のキャリアの希望について伺い「当社ならこういうポジションにチャレンジできますよ」と提案したり、これまでの経験を聞いたうえで具体的な業務の説明をしたり、率直にお話ししました。

当社は年末年始やお盆期間中が繁忙期となるため、一般的な時期での長期休暇を取ることが難しいという特徴があります。そうした事情も隠さずに伝えたうえで「その代わり他の時期に最大8連休を取った人もいるよ」などというフォローもしました。今後は年間休日120日を目指して働き方も見直そうと思っている、といった会社の将来のビジョンについても専務である私の口からお伝えしています。

そのうえで当社に合いそう、と感じた方には「今後の採用フローに進みませんか?」「工場見学に来てみませんか?」と提案し、転職フェア終了後にすぐメールを送信して日程を調整。早ければ土日に転職フェアに参加し、翌週には内定を出していました。

数年ぶりの中途採用を通じて得た学びを、次の採用へ活かす

Q中途採用に本格的に取り組み、ご自身の中で変化を感じた点はありましたか?

中村: 多くの求職者の方と直接お会いして、さまざまなキャリアの背景にあるストーリーを聞くことができました。なぜ転職を考えているのか。何がきっかけで次のステップへ移ろうとしているのか。そうした今の状況についてじっくりと聞かせていただき、改めて自分の人生を振り返る機会にもなったと思います。その上で「どんな学歴・経歴を持っている人でも、その人自身の人柄をしっかり見て、自社で活躍できる人材かどうかを判断する」という基本は忘れたくないと感じましたね。

Q今後の目標について教えてください。

中村: 2025年度は「マイナビ転職」のWEB媒体への年間掲載を予定しています。今までは転職フェアに出展する前後の期間のみ掲載していましたが、これからは常時、中途採用を行なっていることを求職者にアピールし、WEB経由でも興味をもってご応募いただけるように工夫したいですね。

年間を通じて転職活動をされている方はたくさんいますが、今までは接点が持てずにいました。今後はそうした方々にも当社の魅力を伝えていきたいです。転職フェアへの出展も続けながら、どんな方と出会えるのか、そしてどんな方を採用できるのかを楽しみにしています。

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  • Q 専務取締役/中村 宗一郎 様

    1986年生まれ、静岡市出身。上智大学総合人間科学部社会福祉学科卒
    大学卒業後、小売業業界を経てマスコミ業界で営業を経験し、2020年に(株)ミホミに中途入社。入社後は、取締役企画室長として商品企画・開発や販売促進、人事採用などを兼任。2024年より現職。

ページ上の各種情報は2024年12月時点のものです。

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