内定者フォローの手順と実施施策
学生は入社意思を固めてから実際に入社するまで、半年以上の期間を過ごすことになります。この間、多くの学生は学業やサークル活動など、最後の学生生活に重きを置き、社会人になる実感を持たないまま日々を過ごしています。
一方で、2026年卒の内定者に「入社予定先企業を決めるにあたって」というアンケートを実施したところ、83%の学生が何かしらの不安を感じたことがあると回答しました。
不安の内容としては、以下が目立ちます。
- 社会人としてやっていけるか
- この会社できちんと務まるか
- 自分がこの仕事に向いているか
つまり、学生は内定を獲得した事実には一定の自信を持っているものの、入社後の自分自身が会社や仕事に適応できるかどうかに対して、不安を抱えながら入社までの期間を過ごしているのが実態です。
こうした不安に向き合わずに放置してしまうことが、入社意欲の低下や辞退につながるリスクとなります。
内定者は、入社を迎えるまでの間に、主に次の3つの不安を抱きやすい傾向があります。
① 会社に対する不安
入社後に自分がどのような業務を担当するのか、十分に理解できていないことから「具体的にどんな業務を担当するのだろう?」
- 「この会社を選んで本当に良かったのか?」
といった疑問や不安を持ちます。
② 仲間に対する不安
一緒に働く同期や先輩社員の人柄が分からず、
- 「同期と上手く関係を築けるだろうか?」
- 「一緒に働く人はどんな人だろうか?」
といった不安を抱えるケースがあります。
③ 自分に対する不安
自分自身の適性やスキルに自信が持てず、
- 「自分はきちんと活躍できるだろうか?」
- 「入社までに準備しておくべきことは何か?」
と悩むことも少なくありません。
内定者フォローの目的は、これらの不安を「自信」や「期待」に転換することにあります。そのためには、次の3つのポイントが重要です。
- 会社・仕事内容の理解を深める
会社の特徴や業務内容を多面的に理解してもらうことで、内定者が「この会社を選んで良かった」と自信を持てる状態をつくります。 - 仲間との関係性をイメージさせる
同期や先輩社員の価値観や人柄を知る機会を提供することで、入社後に共に働くメンバーに対する期待感を高めます。 - 働くためのマインド・スキルを習得させる
実際の業務で必要な心構えや基礎スキルを身につけさせることで、内定者が入社後に活躍するイメージを持てるようにします。
内定者フォローは、単に交流イベントを開くだけでなく、安心して入社できる環境を整え、自信と期待を育むプロセスとして設計することが大切です。
内々定告知
- 最終面接合格を学生に通知した時点から、学生は企業を選ぶ立場になります。
- 内定者フォローは、この内々定告知の瞬間から始まります。まずは「歓迎している」「ぜひ入社してほしい」という企業側の意思を明確に伝えることが重要です。
内定者面談
- 最終面接の合格を通知する際には、改めて来社してもらい、内定者面談を実施します。
- 面談では、主に以下の内容を伝えることが重要です。
・最終面接合格の祝福
・内々定通知書・承諾書の手渡し
・入社までのスケジュール説明
・就職活動の継続有無や意思決定予定時期の確認
・選考におけるフィードバックの共有
内定承諾書について
- 多くの企業では、内々定告知後に学生から署名をもらう形で内定承諾書を取り交わしています。
- 法的な拘束力は持たないため、署名後に辞退となるケースもありますが、学生の意思を確認するための手続きとして広く活用されています。
内定者懇親会
- 内定者と社員が交流する場として、多くの企業で実施されています。
- 社員の人柄や社風を理解してもらう機会となり、学生の安心感や期待感を高めるうえで有効です。
内定式
- 正式な内定通知を行う場であり、通常は卒業年度の10月1日に開催されます。10月1日に実施される理由は、経団連の採用選考に関する企業の倫理憲章で、「正式な内定日は10月1日とする」と定められているためです。
- 主な内容としては、内定証書の交付、社長・役員による講話、社員との交流、施設見学などが挙げられます。
- 近年ではオンライン形式での実施も増えています
その他のフォロー策
- メルマガ・社内報:定期的な情報提供により、企業との継続的な接点を維持する。
- 内定者専用アプリ:クローズドなSNS機能を活用し、内定者同士や社員との交流を促進する。
- 内定者アルバイト:授業後や長期休暇中に業務を経験してもらい、入社後のイメージをより具体化させる。
内定者フォローのポイントは、物珍しいコンテンツよりも、学生が安心して入社できる環境を整え、モチベーションを高める接点を持つことです。
各施策を段階的に設計することで、学生の不安を解消し、自信と期待を育むことができます。
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