面接における注意点
●確認ポイントを明確に
面接官は、履歴書やエントリーシート、前回までの面接内容を事前に確認し、「詳しく聞きたい点」や「気になる点」を整理しておきましょう。また、面接のフェーズによって重視すべきポイントは異なります。評価基準がぶれないよう、どこを見るべきかをあらかじめ共有・確認しておくことも重要です。
●時間配分を決める
「選考手法と特徴について」でご紹介しているように、選考手法によって必要な時間は大きく異なります。「面接は30分」と設定していても、実際には挨拶・自己紹介といった導入、学生からの質問時間、さらには合否連絡の案内や今後の流れを伝える連絡事項が必要になるため、実質的に面接官が質問できる時間は限られます。
特に複数名を同時に対応する集団面接では、1人あたりの持ち時間がさらに短くなるため、事前のシミュレーションは必須です。
そのためにも、面接で確認すべきポイントを明確に共有し、質問内容の優先順位や進行順を事前に整理しておくことが重要です。
●面接環境を確認する
面接環境は、学生が本来のパフォーマンスを発揮するために欠かせない要素です。些細な点に見えても、面接の質に大きく影響するため、以下のポイントにしっかり配慮しましょう。
また、オンライン面接の場合は、入室方法の明確な案内や、接続トラブル発生時の対応フローをあらかじめ示しておくことで、学生が安心して臨める環境づくりにつながります。
そのうえで、社内で統一しておきたい実務上の注意点を以下にまとめました。面接品質を安定させるためにも、事前に必ず確認しておきましょう。
<オンライン面接>
- 通信環境は安定しているか
- カメラ・マイクは問題なく作動するか(目線の高さ、画角、音声の聞こえやすさ)
- 周囲の雑音が入らない場所か(廊下の声、社内アナウンス、工事音など)
- 背景に機密情報や生活感が映り込まないか(余計な資料、掲示物、PC通知など)
- 照明・逆光で表情が見えづらくなっていないか
- 接続不良時の連絡手段・再入室の案内ができる状態か(窓口/電話番号など)
<対面>
- 隣の部屋、廊下から声が聞こえてくることはないか
- 選考段階に応じた面接場所を設定しているか
- 部屋の中は清潔か、余計な資料などは置いていないか
●身だしなみや面接態度を再確認する
面接の印象は、学生の志望度を左右するといっても過言ではありません。服装、香り、髪型など身だしなみには十分注意しましょう。
オンラインにおいても同様です。“画面越しだから大丈夫”と気が緩みやすく、つい身だしなみがカジュアルになりがちです。特に意識して臨みましょう。
また、面接態度も重要です。開始時の挨拶、表情、相槌、話を遮らない聞き方、適切な言葉遣いを意識し、学生が話しやすい雰囲気をつくりましょう。
オンラインでは特に通信遅延で話が被りやすいため、一呼吸置いてから話す/質問→回答→確認の順で進行するなど、落ち着いたテンポを心がけると良いでしょう。
●学生の緊張をほぐす(あいさつと自己紹介)
面接開始といっても、いきなり本題に入るのは避けましょう。まずは来社(参加)してくれたことへの感謝をしっかり伝えます。そのうえで、面接官自身の自己紹介(名前・部署名・肩書き)を行います。
質問に進む際は、学生の緊張をほぐすために、まずは答えやすい内容から始めて、話しやすい雰囲気をつくりましょう。たとえば、履歴書に記載されているサークル活動など、学生が話しやすいテーマを取り上げると効果的です。
●面接官から質問する
面接の基本は「質問」と「観察」です。面接官からの質問に対する「返答内容」と面接の時間全体を通した学生の「態度(表情・声・話し方・立ち居振る舞い)」を観察して総合的に評価します。質問は「現在・未来」と「過去」の2つに分けられます。特に「過去」の行動を深く掘り下げた質問を繰り返すことで、当人がどのように関わったのか、どのような役割を担ったのか、どのような成果を残すことができたのかが把握できます。これにより、エピソードが表面的なものか、実際に能力が発揮されていたのかも判断できます。関わりが浅いテーマだった場合は、他のテーマの話題を振り、主体的に関わった話を聞き出しましょう。参考までに、面接時の質問例をご紹介します。
■面接での質問についての例一覧
| 質問カテゴリー | 質問例 |
| 自己紹介 と 志望動機 |
●氏名、大学、学部(専攻)をお願いします ●なぜその学部を選んだのですか ●当社の業界を志望する理由をお聞かせください ●業界の中で当社を志望するのはなぜですか ●当社の職種ではどの職種を希望しますか |
| 職業観 と 適性 |
●××職を志望するのはなぜですか ●当社に入って、どんな仕事をしたいですか ●なぜ、その仕事をしたいと思いますか ●当社に入ったあと、どんなキャリアアップを考えていますか |
| 企業理解度 |
●当社ホームページを見たご感想をお願いします ●当社の強みと弱みだと思うことは何ですか ●当社のどの部分に将来性があると思いますか ●当社の今後の課題は何だと思いますか |
| 自己PR ・ その他 |
●学生時代、最も力を入れたことは何ですか、それによって得られた成果は何ですか ●どのような課外活動を行っていましたか ●最近見たニュースや話題で、関心を持ったものはありますか ●最近起きた○○についてどのように考えていますか |
学生が質問に答えている時、面接官は相手の目を見てアイコンタクトを取る、時にはうなずく、「私もそう思います」と同意・共感を示すなどして学生に対して「あなたの話を聞いているよ」という意思表示をします。メモを取ることに集中し過ぎないよう注意しましょう。
●質問時における注意点
面接に限らず、採用活動全般において 出身地や本籍地を聞くこと、また 特定の地域を理由に優遇・不利に扱うこと は認められていません。あくまで「その学生の能力・経験・適性」を確認する目的に沿った質問だけを行う必要があります。
以下に、代表的なNG質問の例を挙げます。
■面接でのNG質問例
| 本籍などに関すること |
本籍(出身地)はどこですか? 生まれてから、ずっと現住所に住んでいるのですか? |
| 家族の状況に関すること |
ご両親の職業・勤務先を教えてください ご両親の学歴を教えてください 兄弟(姉妹)は何をしていますか? |
| 家庭環境に関すること | ご実家は持ち家ですか?借家ですか? 学費は誰が出していますか? |
| 思想・信教に関すること | 支持する政党はありますか? あなたの家の宗教は何ですか? 愛読書(誌)は何ですか? |
面接官からの質問が一通り終わった後、学生からの質問を受け付ける時間を設けましょう。面接を通じて生じた疑問点や、事前に準備してきた質問に対応することで、学生の不安を解消できるだけでなく、面接官(=企業)への好印象にもつながります。結果として、学生の入社意欲を一段と高める効果も期待できます。
最後に、合否の連絡方法と今後のスケジュール、面接に参加してくれたことへの御礼を伝えて締めくくります。学生を出口まで誘導し退室を見届けるところまでが面接ですので、最後まで気を引き締めて面接官としての役割を果たしてください。
学生が退室した後は、面接評価シートの記入、次の面接グループの資料確認、面接官自身の休憩などの時間が必要になります。これらを考慮し、面接のタイムテーブルは余裕を持って設定することをおすすめします。(下図参照)
| 時間(面接時間20分の場合) | 面接対応 |
| 09:30~09:50 | 面接官の役割と面接ポイント確認(採用担当⇔面接官社員) |
| 10:00~10:20 | 学生① |
| 10:20~10:30 | 休憩・評価シート記入 |
| 10:30~10:50 | 学生② |
| 10:50~11:00 | 休憩・評価シート記入 |
| 11:00~11:20 | 学生③ |
| 11:20~11:30 | 休憩・評価シート記入 |
| お昼休憩 ※午前と午後で面接官が入れ替わる場合は、面接ポイント共有の時間を持つ。 | |
| 13:00~13:20 | 学生④ |
| 13:20~13:30 | 休憩・評価シート記入 |
| 13:30~13:50 | 学生⑤ |
| 13:50~14:00 | 休憩・評価シート記入 |
| 14:00~14:20 | 学生⑥ |
| 14:20~14:30 | 休憩・評価シート記入 ※面接終了 |
| 14:30~ | 当日面接学生の評価集約・意見交換 |
※面接が長引く可能性があるため、休憩時間を利用した時間調整が必要な場合があります。
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