会社説明会の実施の手順
1.会社説明会を実施する目的
会社説明会はリアルな企業PR(企業広報)かつ社風PRの場であり、参加する学生にとっては企業を体感することができる貴重な機会です。しかしながら、ただ学生を集めて会社の説明を行うというわけにはいきません。どのように会社説明会を実施していくか、準備段階から開催当日までの手順をご紹介していきます。
2.会社説明会開催に向けた準備
会社説明会当日の集客につなげるために、学生への告知は開催日の2~3週間以上前から行うのが原則です。告知するためには、開催日を決め、当日のプログラム内容を決め、話す担当者なども決めなければなりません。具体的に「5W1H」に当てはめて一つひとつ考えていきましょう。
\説明会実施計画にご活用ください /
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<何を説明するか(What)>
学生は複数の企業を同時並行して就職活動を行っています。多くの企業の中から自社の会社説明会に参加してもらうために、どんな話が聞けるのか・どんな人が登場するのかなど期待値を高くしつつ、企業として何の理解を深めたいのか、PRしたいのかを考える必要があります。ポイントは、企業が伝えたいことだけでなく学生が聞きたいことをしっかりと盛り込んだプログラム内容にすることです。学生が知りたい内容に触れて説明することで企業理解・仕事理解につながり、説明会参加への満足度、学生の志望意欲を高めることが期待できます。具体的な説明会の内容については「企業を魅力づけする説明会とは?」のテーマでご紹介します。
<いつ開催するか(When)>
採用における広報活動の解禁日は学生が卒業・修了年度に入る直前の3月1日のため、それ以前に開催することはできません。毎年の傾向としては、広報活動の解禁と同じ3月のタイミングで会社説明会の予約受付や開催までを行う企業が集中し、予約が思うように入らず集客に苦戦する企業が多くあることも事実です。しかしながら、早い時期に活発に活動する学生群と遅い時期から活動を始める学生群もありますので採用ターゲットとなる学生の活動スケジュールにあわせて開催時期は調整されることをおすすめいたします。
<どこで開催するか(Where)>
2020年の新型コロナウイルス感染症拡大を受け、これまで対面式がメインだった説明会の形も大きく変わりました。
●WEB開催の場合
いつでも、どこからでも見れるのがWEB(オンライン)セミナーの良いところ。全国各地の学生へ参加を促したい場合は、WEBでの説明会が有効です。
●対面開催の場合
会場へのアクセスも重要です。
首都圏エリアでは自社の会議室で行う場合が多く、その他エリアでは学生のアクセスの良さを重視して外部会場を利用する傾向にあります。立地を良くすることで学生の参加動員を高められることが期待できるケースもあります。外部会場として区民ホールや区民会館のように比較的料金が低めの会場から、貸会議室・ホテルの宴会場など豪華な会場を選ぶケースまで様々です。
人気の会場は開催場所として毎年様々な企業が利用を希望するため予約を取るのも一苦労です。会場によっては前金制のところもありますので、予算策定時に予め確認しておく必要があります。予約は通常、3ヶ月~6ヶ月前から受け付ける場合が多いようです。
【会場選定のポイント】
- 会場は交通至便な場所か、わかりやすい場所か
- 1回の開催で何名入る会場か
- 会場のレイアウト(スクール形式か、シアター形式か)
- 備品・設備(パソコン、プロジェクター、マイク、スクリーン、空調、案内板など)
- 料金体系(1日料金か、半日料金か、時間制料金か)
- 会場予約の方法(予約はいつから可能か、前金制かどうか)
<どのような形式で行うのか(How)>
一般的なのは、採用担当者による事業や仕事内容の説明を行うスクール(講義)形式です。最低1名の採用担当者のスケジュールが確保できれば実施可能です。現場社員の協力が可能な場合は、先輩社員による仕事の体験談や会社(工場)見学の実施、学生参加型による仕事理解のためのグループワークなどを実施する方法もあります。
またWEB開催の企業メリットとしては、説明会の内容をアーカイブに残して当日参加できなかった学生に対してURLを案内するだけで視聴ができるため、マンパワーは最小限にとどめられます。学生側のメリットは交通費の削減と時間の有効活用です。開始時間にあわせて自宅や学校のパソコンやスマートフォンで参加できるため、時間を効率的に使えるようになります。ただし、対面式と違い直接のコミュニケーションが図れないため、チャット機能を使った登壇者と学生の掛け合いコンテンツや、社風が伝わりやすい社員座談会の実施など、内容に工夫が必要になってきます。
社会の状況に適応するためにWEBを主軸としつつ、学生と直接会う機会がゼロにならないよう、WEBと対面の両方を準備することをおすすめします。
<誰が話すか(Who)>
会社のことを発信できる機会です。全体の進行役を立てることや、プログラム内容に応じて会社トップや現場の先輩社員に登場してもらうことで、採用担当者が代弁することよりもリアルな情報を伝えられます。社内の協力者に依頼をする場合はあらかじめスケジュールを確保のうえ採用活動の目的を共有し、当日学生に伝えてほしい内容と持ち時間を事前に伝えておきましょう。
学生と年齢の近い若手社員の登壇が共感を得られやすくおすすめです。
3.会社説明会の開催告知
開催が決まったら、学生に対して告知と予約受付を行います。当日のプログラム内容を事前に告知して期待を高め、複数の日程がある場合は一気に出さず小出しにして予約を受け付けることがポイントです。日程の選択肢がありすぎると、いつでも会社説明会を行っているという印象を与えてしまい、他社の会社説明会を優先されてしまう可能性があります。告知する場所は、企業のホームページと就職情報サイトがおすすめです。また、エントリー済みの学生に対して企業側からアプローチすることも忘れずに行いましょう。
4.開催直前の参加確認と当日の出欠確認
会社説明会への出席率が100%になることは稀です。学生は複数企業を同時並行して就職活動を行っていますので、確実にスケジュールを抑えるためには開催直前の参加確認連絡(リマインド)が欠かせません。余力がある場合は予約者に電話連絡をして参加の意思確認を行うことがあります。効率的にアプローチするには、開催3日前までにメールで連絡して会社説明会に予約していることを認識させましょう。
●WEB開催の場合
出欠確認は配信中にアンケートフォームなどを用いて行うとスムーズでしょう。フォームのURLをチャットスペースに送信するほか、QRコード化しスライドに盛り込む方法などがあります。QRコードの読み込みはスマートフォンで視聴している学生はできないためご注意ください。
●対面開催の場合
開催前日または当日には、予約者リストを準備します。学校名、学部名、学科名、名前、ヨミガナが一覧になっていれば受付時に確認可能です。参加人数が多い場合は受付で行列ができることがあるため、事前に配布した受付票を回収して受付を行う方法もあります。参加率は採用活動の振り返りを行う際に役立つ情報となりますので、予約人数と参加人数は把握できるようにしておきましょう。