入社前研修の目的と内容
採用のゴールは内々定承諾ではなく、入社後の活躍です。
一般的には、育成は入社後、あるいは内定式後から始めると捉えられがちです。しかし、入社後のギャップを最小限に抑え、早期離職を防ぐためには内定期間中から段階的に関係構築や育成を進めていくことが不可欠です。具体的には、内定承諾段階の学生が企業に対して持ちがちな「受け身の立場」を解消し、当事者意識を持ってもらうプロセスが必要です。また、学生自身も、内定期間を「社会人への準備期間」と捉え、何らかの教育やサポートを受けたいと考えるケースが増えています。
2026年卒の学生に行った調査では、内定期間における企業からの関わりについて、「実際に接触があった内容」と「入社までに希望する内容」についてアンケートを実施しました。
その結果、実施例が多く、かつ学生のニーズも高い施策として、「内定者懇親会(対面)」が挙げられます。内定者同士や社員との接点づくりは引き続き重要ですが、「勉強会・グループワーク・研修」という学習機会については、実際に実施されている割合よりも、学生の希望割合の方が高いことが分かりました。
学生は就職活動を通じて企業を比較検討しながら意思決定を進めるため、内定者期間は期待と同時に不安も生まれやすい時期です。その一方で、入社後に向けて「今のうちに学んで準備しておきたい」という意欲を持つ学生も少なくありません。これは、スキル習得だけでなく、入社後のイメージを具体化し不安を和らげたいという背景もあります。
企業側も、入社後に育成して戦力化する前提で採用しているとはいえ、採用したからにはできるだけ早く業務に慣れ活躍してほしいという期待があるでしょう。
以上を踏まえると、内定者研修は学生の「不安の払拭」と企業の「早期戦力化」を両立する取り組みとして位置づけることが望ましいです。
また、研修を行う際には研修の目的を事前に学生へ伝えておくと、「なぜこの研修を受けるのか」を理解したうえで参加できるため、納得感が高まり、主体的に取り組みやすくなります。
●勉強会
- IT系企業や資格取得が必要な業種では、入社前の空白期間を活用して研修を実施する企業もあります。
- 入社前に基礎知識を学び、入社後すぐに実務で活用できるレベルに育てることは、早期戦力化に非常に効果的です。
- 学生にとっても、業務で使う知識を事前に学ぶことで社会人になる準備を整えることができます。
●アルバイト
- 学生を実際に会社で受け入れ、簡単な業務を経験してもらうことで、会社の雰囲気や先輩社員の人柄を実感してもらう機会になります。
- 学生の学事日程に配慮し、入社前なので重い業務を課さないことが重要です。
- 会社側も、実際に働く学生の姿を観察することで、入社後の配属や育成方針の検討に役立てることができます。
●e-learning
- ビジネスマナー、PCスキル、簿記・経理知識、法律関係など、社会人として必要な基礎知識を自宅で学習できます。
- 集合研修の必要がなく、テスト結果をもとに理解度の低い内定者へのフォローも可能です。
- 内定者の知識レベルの均一化や基礎力向上に役立ちます。
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