企業側から情報を発信することで未経験者の不安が払拭され、低下していた内定承諾率が改善。企業理解が深まる効果も
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SES(システムエンジニアリングサービス)を手がけるアンリミ株式会社では、求人広告だけでは自社の魅力や入社後の活躍イメージを伝えきれず、内定承諾率が低いという課題を抱えていました。 そこで採用広報の手法として+Stories.(以下、プラスト)を選択し、マイナビ転職と連携させて利用することに。さらに母集団を増やすため、マイナビ転職フェア(以下、転職フェア)にも出展。これらのサービスを活用しながら採用への姿勢を見直した結果、課題が解消され、安定的に多数の人材を採用できる体制が整いつつあります。 社長の芳沢良様と広報・採用担当の伊藤美佳様に、マイナビのサービスを利用するに至った経緯や導入後の変化、採用活動の工夫について伺いました。
芳沢:採用フロー全体を通して歩留まりが低く、なかでも特に内定承諾率が低い点に危機感を持っていました。主な原因は、一言でいえば企業側からの情報発信が不足していたことでしょう。特に内定辞退が多かったのは、選考過程で入社後の活躍イメージを伝えられていなかったからだと考えています。
当社では、未経験の若手人材を採用してエンジニアとして一から手をかけて育てています。未経験者の育成には費用も手間もかかりますが、私を成長させてくれたIT業界に恩返ししたいという思いもあり、SES(システムエンジニアリングサービス)という事業を通して自立した社会人を育て、社会に貢献することを基本理念としています。
背景には、私自身の経験があります。若い頃の私は夢も希望もなく無気力で、就職には何度も失敗しました。しかし、たまたま入ったSES業界で仕事が好きになり、努力を重ねた結果、社長にまでなることができました。だからこそ、この業界では未経験でも努力次第で人生を変えられるということを、若い新入社員に身をもって知ってほしいと考えています。
しかし、当時はそんな当社の理念と、背景にある私の思いや人柄を求職者に伝えきれていませんでした。ただでさえWebを中心にSES業界はブラックだという先入観が広がっており、当社のようなSES企業は、未経験の若手や女性の求職者には敬遠されがちです。また、SES業界とWeb業界の違いを理解していない求職者も多く、それが原因での離職も発生していました。
応募を増やし、辞退を減らすには、当社の魅力と理念をしっかり伝えて求職者の不安を解消するとともに、SES業界への誤解を払拭していかなければなりません。求職者に対して誠意ある対応を行い、採用広報に力を入れる必要があると感じていました。
伊藤美佳様(以下、伊藤):プラストについては、私が記事の作成、投稿、管理を担当しています。最初こそ戸惑いましたが、テンプレートが豊富なうえに、フォームに入力するだけで手軽に投稿できるためすぐに慣れ、楽しみながら更新できるようになりました。プラストを始めたばかりの頃はどんな記事を発信していくかが明確に定まっていなかったので、マイナビの担当者が記事のテーマを提案してくれたのがありがたかったです。
芳沢: 転職フェアには、東京、福岡の計2回出展しました。過去の出展では、求める人材像を明確に発信していなかったことが原因で採用ターゲットからの応募が少なかったため、今回は念入りにパンフレットなどの資料を用意し、面接で話す項目や会場での作業手順、役割分担をしっかり決めて臨みました。また、当日は、当社の採用ターゲットである未経験の若い求職者を呼び込むようにしました。
その結果、イスが足りなくなるほど多くの求職者が当社のブースを訪ねてくれて、手応えを感じました。なかにはこれまでSEの仕事に興味がなかったという方も多く、そんな求職者にもアピールする絶好の機会となりました。私や社員の人柄、雰囲気など、求人広告のテキストだけでは伝わらないことを直接伝えることができたのもよかったです。
芳沢:プラストを始める前に伊藤と二人で決めていたのが、 IT業界特有のカタカナ用語や英語の略語はできる限り使わないことです。親しみやすさを感じてもらえるように、何気ない日常の様子や社員の素顔を伝えていくという方針で投稿をスタートしました。
途中から、マイナビの担当者のアドバイスもあり、未経験からエンジニアになった社員のインタビュー記事を多めに掲載するようになりました。社員にスムーズに協力してもらうために、社内で定期的に行なっている1on1ミーティングの場で自ら直接お願いしてインタビューしていました。
伊藤:インタビューをもとに記事を作成する際には、求職者が入社後の自分の姿をイメージできるように、社内の雰囲気や仕事の楽しさが伝わる部分はもちろん、未経験者ならではの不安や悩み、それらが解消される過程も盛り込むように心がけました。
記事とともに掲載する画像にもこだわりました。顔を出したくない社員が多かったため、代わりに風景や食事といった生活の一コマを写した写真を送ってもらって掲載することにしました。イラストやイメージ画像よりもリアルな写真のほうが、社員の人柄や温かみが伝わりやすいと感じています。
芳沢:マイナビ転職の登録者へのスカウトメールや応募者への返信メッセージにプラストのURLを付記したところ、多くの方が記事を読んでくれたおかげで、未経験ゆえの不安や業界への先入観が払拭され、入社後のイメージをしやすくなったと感じています。私の人柄や未経験者への思いも、マイナビ転職への掲載やプラストの記事を通して十分に伝えることができました。
その結果、明確に応募数が増え、歩留まりが改善しました。一番の課題だった内定承諾率は、20%程度から60~80%へと、大幅にアップしました。採用数で見ると、2021年度は計12名だったのに対し、2022年度は計31名でした。
女性の応募が増えて、約15%だった女性比率が約30%になったのも、マイナビ転職への掲載やプラストでの情報発信に力を入れた結果と受け止めています。
そのほか、面接での説明時間が短縮されるという効果もありました。というのも、以前は未経験者からエンジニアになった社員が多数いることや研修制度が充実していることを面接の場で説明する必要がありましたが、求職者がプラストの記事で読んでそれらの情報を理解したうえで面接に来てくれるようになったため、説明を省けるようになったのです。その分、業界の説明や自社の理念を求職者へ伝えられました。
なお、採用数の31名には、転職フェアで当社に興味を持ってくださった方も含まれています。ブースでの面接で丁寧に対応した結果、東京のフェアから経験者2名、未経験者3名を、福岡のフェアから未経験者2名を採用につなげることができました。東京のフェアで自社とマッチする経験者との出会いがあったのは、思いがけない収穫でした。
転職フェア経由の応募者には、すでに当社の求人広告をご覧になっている方が多数いらっしゃいました。転職フェアには、求人広告だけでは応募に至らなかった求職者の志望動機を形成し、背中を押す効果があったと感じています。
芳沢:同じIT業界でも、SES業界とWeb業界にはさまざまな違いがあるのですが、求職者のなかには両者を混同している方が少なくありません。以前は当社でも、華やかなWeb業界を思い描いて入社した方がギャップを感じて離職するというミスマッチが度々生じていました。
そこで今回の採用活動では、システムエンジニアとWebエンジニアの働き方の違いを自社サイトに掲載しているコラムでわかりやすく解説し、さらに面接でも補足しました。
また、SES業界のメリットだけではなく、「セキュリティ上、顧客企業に常駐する必要がある」「目立たない環境で仕事することが多い」といった、人によってはデメリットに思えることも、面接の段階でしっかり伝えるようにしています。
こうした工夫の甲斐あって、入社後に「想像と違った」という理由で離職するケースは目に見えて減りました。
芳沢:今回、当社が採用で成功をおさめられたのは、マイナビのサービスの効果はもちろん、私自身をはじめとする社内の採用への姿勢が変わったことも大きく影響していると思っています。
以前はこちらが求職者を選ぶ側という認識だったため、求職者の立場に立ったフォローや情報発信をほとんど行わず、流れ作業になっていました。
しかし、マイナビ転職の営業担当者と意見交換しながら課題解決に向けて試行錯誤するうちに、企業も候補者に選んでもらうために積極的にアピールして努力すべきという認識に変化していきました。
意識が向上したことで、候補者対応も変化しました。具体例をあげると、面接で丁寧に当社や業界の説明をしたほか、当たり前のことではありますが、内定を出す際には、「ぜひ当社に入社してほしい」というメッセージを添えて、労働条件を詳細にまとめた書面を送るようになりました。当社に応募いただいた方に誠意を尽くすことの重要性に気づけたのは、大きな進歩といえます。
さらに、社内全体で採用に対して責任感を持ってもらうために、営業職の社員を意識的に採用活動に巻き込むようになりました。中心になって採用業務にあたるのは私と伊藤ですが、最終面接では、ほかの営業職にも面接官を務めてもらっています。転職フェアにも、複数の社員に同行してもらいました。
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