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転職フェアに出展し、能動的な採用活動へ。現場社員からも良し悪しを包み隠さず求職者に伝えてもらうことで、より良い採用へ

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  • 社名 株式会社カトウ産業
    事業内容 ・株式会社 稲葉製作所 代理店
    ・イナバ製品の卸売業及び施工
    設立 1979年
    従業員数 11名 ※2023年7月末現在

「100人乗っても大丈夫」 でおなじみのイナバ物置の製造会社、株式会社稲葉製作所のグループ会社である株式会社カトウ産業。新潟県内での卸売や配送、配送先での製品の設置工事を行っています。
これまでは求人広告への掲載のみで採用活動をしていたものの、求職者の会社選びのニーズの変化からか、今までと同じ応募数が集まりにくくなってきたと感じていたのだそうです。
そこで、直接求職者に会社のことや仕事内容を伝えられる場を設けようとマイナビ転職フェア(以下、転職フェア)への出展を開始。転職フェアへの出展とマイナビ転職への求人広告掲載を掛け合わせた採用活動を行いました。

取締役部長であり、総務・経理・人事を担当する本多真人さんに、転職フェアに出るメリットや採用面での変化についてお話を伺いました。

  • 課題

    • 若い求職者たちの転職活動が、求人広告に掲載しきれない詳細な情報を仕入れた上で応募するかを吟味するスタイルに変化しており、従来のように求人広告を出すだけでは応募が集まりにくくなってきた
    • 肉体労働に対して大変そうなイメージを抱かれやすく、そもそも採用が難しい業界だった
  • 成功ポイント

    • 転職フェアで求職者と直接話をすることで、求人広告だけでは伝えきれない仕事内容、会社の特徴を伝えられた
    • 2度目の出展には社員にも参加してもらい、現場社員だからこそ話せる情報も伝えてもらった
    • 転職フェアと連動させる形でマイナビ転職への掲載を実施。内定につなげられた

Q転職フェア、マイナビ転職を利用される前の採用のご状況についてお聞かせください。

本多様(以下、本多):弊社は量販店やホームセンターに商品である収納庫・物置の展示品を作りに行ったり、お客様宅に組み立てに行ったりという業務がメインです。トラックに荷物を積んで現場に運び、その場で建て位置を整備し、ブロックを設置、その上に物置を組立し完成させるというのが一連の流れです。
こうした肉体労働にはハードなイメージがあるためか、昔から採用にまったく苦労していないわけではありませんでした。

それでも、5~10年前は求人媒体に広告を出せば10人ほどは人が集まるかなという雰囲気がありましたね。ただ、昨今状況が徐々に変わってきて、広告をただ出すだけでは応募が集まりづらくなってきたのです。

この変化の理由の1つは、求人広告だけでは実際の仕事内容や雰囲気が十分に伝わりづらいからではないかと考えています。
今の若い方たちは求人広告を見て「ここでいいかな」と応募するのではなく、実際に人事担当者や現場で働く人たちから話を聞くなど、求人広告には記載しきれない情報を集めた上で、自分にできそうな仕事かどうか吟味する考え方を持っているのかなと感じています。

実際に、ここ数年で弊社に入った人たちもそうした考えを持っているように見えます。
弊社のような規模の小さな会社こそ、能動的に会社や仕事の情報を正直に伝える採用活動をしていく必要性があるのだと認識しています。

Q転職フェアへの出展を決めた経緯をお聞かせください。

本多:過去開催された新潟の転職フェアでは、150~200人ほどの求職者の方が来られるなかで事業を直接アピールでき、人材確保にもつなげることができる※と聞き、興味を抱きました。

※地域/会場や諸条件などによって求職者の来場数は異なります

Q他社の類似サービスへの出展経験はあったのでしょうか。また、転職フェアの出展を決める際、比較検討はされたのでしょうか。

本多:他での出展経験はありません。比較検討はしましたが、参加したのはマイナビの転職フェアのみです。決め手は求職者の参加人数の多さでした。他社が出している数より動員数が多かったことが魅力でしたね。

Qマイナビ転職への求人広告の掲載状況についてはいかがでしょうか。

本多:これまでは必要に応じて掲載したり下げたりしていたのですが、転職フェア出展前後の期間にマイナビ転職に求人広告を出しておくと良いと営業担当者からアドバイスをいただきました。求職者は、転職フェアに参加する際にマイナビ転職への会員登録が必須のため、転職フェア開催前後はマイナビ転職の会員数が増えること、転職フェア開催日までに開催エリアの求職者に対し広告を投下していくことから、より求人広告を目にしてもらいやすくなるそうです。
詳しい結果は後ほどお話しいたしますが、転職フェアと求人広告とを組み合わせることにはメリットがあると感じています。

Q御社は2度に渡り転職フェアに出展されています。まずは初回出展前の準備、出展のご感想をお聞かせいただけますか。

本多:初回は出展自体が初めてだったものですから、営業担当者にアドバイスをもらいながらブース作りを進めていきました。営業担当者に会場内の自社ブースの場所がどこになるかを聞き、人の流れを考えた上で目に付く場所にポップを貼るといった工夫をしました。

その結果、目標として想定していた3倍の方にブースに来ていただけました。
ただ、そこから実際に応募してもらうところにつなげる点に関しては課題だと感じました。いかに自社への応募につなげていくのかについては、今後も工夫の余地があると思っています。

Q1回目の転職フェア出展後、結果はいかがでしたか?

本多:応募に至ったのは4名で、うち3名が転職フェアの参加者です。先ほどもお話したように、転職フェア出展のタイミングで求人広告も出しているのですが、結果として求人広告から応募してくださった27歳の方を採用しました。
この方は転職フェアの参加者ではなかったのですが、転職フェア終了後の広告掲載期間の最中に応募がきて採用につながりました。「マイナビ会員数が増える転職フェアの前後で求人広告を出すと、求職者の目に付きやすいため効果がある」というアドバイスが活きた形です。

Qその後、2回目の転職フェア出展を迎えます。出展を決めた理由は何ですか?

本多:「我々が特に採用したい若い方たちと直に話せるのが楽しかったから」が理由の1つですね。採用につながるかどうかはまた別の話にはなるのですが、今の若い方がどういう考えや価値観の元で求職活動をしているのか、求人広告での採用活動だけでは見えてこないニーズを聞けることに社長も含め興味深さを感じています。

Q2回目の出展では前回の経験を踏まえてどのような工夫をされたのでしょうか?

本多:若手の既存社員にも来てもらい、ブースで求職者と話してもらいました。私が求職者と話して「弊社に合っていそうだ」と判断するのも良いのですが、求職者と同年代だからこそ気づける点、求職者の見え方もあると思っての施策でした。採用後に実際に一緒に働くのは現場社員たちということもあり、この施策は結果として良かったのではないかと思っています。

当日は、まず私がどう話しているのか流れを一旦見てもらい、あとのコミュニケーションは彼らに任せました。主に彼らに期待したのは現場仕事の詳細な内容を求職者に伝えてもらうことです。会社説明をこちらで行ったあとに現場社員につなぎ、実際に働いている社員だからこそ話せる内容を率直に話してもらいました。人事から「これを言ってくれ」や「これは言わないでくれ」といった指示も特にせず、良い点もネガティブに感じられる点も正直に伝えてくれていたように感じます。例えば「現場仕事のため、朝が早い」といった話は現場社員だからこそ出てくるリアルな実態だったなと思います。

Q転職フェアは休日に開催されますが、協力してくださる社員の皆さんは難色を示さなかったのでしょうか。

本多:快諾でしたね。おそらく、採用活動への当事者意識を持ってくれているからなのでしょう。実際に採用した新人社員と現場で付き合っていくのは彼らですから、人一倍「いい方が来てほしい」という想いがあるのかもしれません。

Q2度目の出展の成果はいかがでしたか?

本多:転職フェアの参加者から1名、転職フェアに合わせて掲載したマイナビ転職からの応募者から1名内定を出せました。転職フェア後の応募者は5名で、うち4名は転職フェアにも来てくださった方でした。

ブースへの着席数は、今回も希望していた数の2倍以上と上々でした。ただ、そこから採用につなげるところはやはり課題でしたね。転職フェアのブースでの話は面接ではありませんから、「いい方が来てくれた!」と感じた際にどこまで踏み込んでいいのか、1人に時間を割いていいのかの判断がまだ難しかった印象です。

2度目の出展では、転職フェア当日から数日以内にメールを送れるよう準備していたのですが、それでも求職者側の感覚より発信が遅かったのかもしれません。開催後すぐにメールを送っても、転職フェア当日他社に心が傾いてしまうと「遅い」ことになります。転職フェアには他社も多く出展しているため、「いい」と思った場合はその場でもう少し踏み込んでみても良いのかなと感じました。
次回出展する場合は、今回の経験を活かしてもう少し突っ込んだ話をしてみようと思っています。

Q今後の採用活動についてお聞かせください。

本多:現状、あと1人採用したいと考えているため、次回転職フェア開催時にまだ採用に至っていなければ出展したいと考えています。

求職者と直接対面で話すことができ、応募いただく前段階で求職者の人となりや性格がわかること、弊社から会社のアピールが直接できることが転職フェアに出展するメリットですね。求職者との相互理解を深められる安心感を得られる点に出展する価値を感じています。

  • 取締役部長 /本多 真人様

    1971年生まれ 群馬県出身 群馬ポリテックカレッジ卒業

    • 1998年6月 稲葉製作所グループ会社 ㈱共進入社※㈱カトウ産業の親会社
      経理・総務を担当後、営業部も兼任
      同社にて㈱カトウ産業 経理・総務を担当
    • 2018年4月 ㈱カトウ産業 総務部課長就任
    • 2021年9月 ㈱カトウ産業 取締役部長就任
      総務・経理ほか、人事も担当し現在に至る

ページ上の各種情報は2023年7月時点のものです。

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