介護職の魅力の伝え方 【第1回 介護職採用ノウハウ講座】
介護職に対してマイナスなイメージがある場合は、まず条件面の誤解を解きましょう。
<介護職の雇用条件を伝える際に大切な5つのポイント>
1.介護職は2017年4月、2019年10月に給与が上がり、2020年調査では日本の平均給与を上回った。※1 ※2
2.介護職の48.4%は残業がないのに加え、日本の平均残業時間に比べても28.7%残業時間が少ない ※3 ※4
3.介護職は離職率が低い(全業界15.6%、介護業界15.3%)※3 ※5
4.介護職の勤務エリアは安定しており、資格を持てばどこでも働ける
5.介護用品技術の向上により、身体的な負担が軽減された
※1…厚労省調査「平成 30 年賃金構造基本統計調査の概況」より
※2…厚労省調査「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」より
※3…介護労働安定センター「令和元年度 介護労働実態調査結果 」より
※4…厚労省調査「毎月勤労統計調査 令和元年分結果確報」より
※5…厚労省調査「2019年(令和元年)雇用動向調査結果の概要」より
上記からも分かるように、2020年の調査は大きな転換点となっています。
それは、
・全業界の平均給与を「介護職平均給与」が上回った
・全業界の離職率を「介護業界の離職率」が下回った
という点です。
給与については、「何故給与が上がったのか?」という点を説明するため、
処遇改善+特定処遇改善について、簡単に説明するのが良いでしょう。
もともと、残業時間は全業界平均より少なかったため、介護職は
・給与が平均より高い
・残業時間が少ない
・離職率が低い
職種であるといえるように変化しました。
介護職に対してマイナスなイメージを持っている求職者には、まずはこの説明をするとグッと惹きつけることが可能です。
「自法人のみが頑張っているから」ではなく「業界全体が変わっている」ということを伝えたうえで、
「その中で自分たちはこういう努力をしている」という流れで伝えてみてください。
ただし各項目の全てが平均より高水準ではないと思います。
例えば、給与などはエリアによって大きく異なるため、各都道府県の情報を調べたうえで比較すると内容に信ぴょう性が増します。
重要なのは業界外と比較することです。
また、介護業界について「給与が低い」「残業が多い」「離職率が高い」と誤解している求職者には、
しっかりとしたデータを見せてあげることが重要になってきます。
その1で誤解を解き「介護職って結構良いかも?」と思いはじめた求職者に対して、さらに仕事のやりがい面での魅力を伝えてください。
魅力の伝え方は様々ありますが、ここでは介護職の採用成功している法人によくある伝え方を紹介します。
1.介護職はおむつ替えにあらず
特に介護職未経験者が多い新卒者への説明会では、この趣旨の説明が刺さります。
多くの学生の「介護」へのイメージは、排泄介助です。
そのイメージを変化させるため、「介護職の仕事は、おむつをつけることではなく、おむつを外すことです。」と表現することがあります。
これは、「おむつをつけず、自力で排泄ができるようにすることがこそが、プロである介護職の仕事です」という表現で学生のイメージを、「お世話をする人」から「状態を改善するプロ」に変化させる狙いがあります。
2.ご利用者エピソード
「介護職はおむつ替えをする仕事」という誤解を解いた後は、ご利用者とその家族の具体的エピソードも欠かせません。
これは、ぜひとも自法人の施設での実体験を元にお話しいただきたいのですが、
採用に成功している法人は、下記の要素で構成されていることが多い傾向です。
・今まで気づいていなかったご利用者の願いや希望を聞く
・願いを叶えるために、チームで対策を考えて実行に移す
・失敗や苦労を重ねながらも、願いを叶える
・ご利用者、もしくはご利用者の家族から感謝を伝えられる
また、伝える際には実際の言葉や心情等をストーリー形式で伝えると、学生に伝わりやすいです。
エピソードの一例をご紹介します。
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「孫と一緒に桜を見に行けたらね……」
グループホームで、Aさんがボソっと言った一言を聞く。
↓
AさんとAさんの家族と話をし、次の桜の季節に孫と一緒に桜を見に行けるようにすることを決める
↓
トイレに自分で行けるよう、自分で座ってご飯を食べられるようにするため、リハビリ担当や看護師などと協力して、リハビリを進めていった。
↓
無事、孫と一緒に桜を見に行くことができた。
↓
ただ、本人は帰ってきても特になにも言わず。普段と同じ日々が続いた。
↓
1年後、Aさんが亡くなった。
Aさんの家族がお礼にきて「最後の入院中、いつも花見をした時のことを話してたんです。本当に楽しかったみたいで。本人にとっても私たちにとっても幸せな時間でした。本当にありがとうございました。」
と伝えられ、思わず涙が出てしまった。
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このようなエピソードを伝えることで、学生に「こんな仕事をしてみたい」と思ってもらうことが重要です。
仕事は業務内容ではなく「目的」や「エピソード」で伝えることで魅力的に映るのです。
仮に同じ仕事をしていても、「目的」と「エピソード」によって印象は大きく変わります。
何を目的として働くのかというのを再度考えたうえで、仕事の内容を魅力的に伝えるエピソードをぜひとも探してみてください。
第1回 介護職の魅力の伝え方 ※本記事
第2回 介護職新卒採用、初めてマニュアル!
第3回 応募が増える!介護職求人の書き方
第4回 桃太郎に学ぶ、介護職の魅力の伝え方
第5回 説明会と見学会の違いと使い分け
第6回 採用を成功させるスカウトメール術
第7回 貴重な応募を採用に繋げる『導線設計』の重要性
第8回 SNS採用をはじめる前のポイント
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- 人材採用・育成 更新日:2021/07/21
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