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【アンケート企画】新卒採用担当者が抱える「5つの課題」と解決のヒント

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オンラインでの採用活動がすっかり定着し、説明会や面接はもちろん、日々の学生とのコミュニケーションもオンラインの比率が飛躍的に高くなりました。

そんな中、Z世代の学生たちとのコミュニケーションに難しさを感じている方も少なくないようです。
そこで、新卒採用担当者の皆さまへのアンケートで「学生とのコミュニケーションでうまくいったこと・失敗したこと」を伺いました。

過去にサポネットに掲載した記事も引用しながら、アンケートで寄せられたお悩みやノウハウを共有していきます!

※ 記事内で引用されているコメントは、一部を読みやすさのため編集しています。
多くの方がお悩みとして挙げていたのが、「学生と連絡がとれない」という課題。志望度の高低にかかわらず、学生と思ったように連絡が取れない難しさについて声が寄せられました。

説明会や選考試験を予約した学生に確実に出席してもらうため電話でのコンタクトを取りたいが、電話に出てもらえる学生が少なく、メールでのコミュニケーションに頼りがちになる。
(ソフトウエア・通信 / 従業員規模 100〜300人 / 採用担当者歴 5年以上)

このように「電話での連絡がとれない」という方は結構いらっしゃるようです。一方で、

ナビサイトのメッセージ機能をよく見ている学生と大学のメールをよく見ている学生がいて、どちらでやり取りをする方が早いのかが悩ましい。
(メーカー / 従業員規模 100〜300人 / 採用担当者歴 1〜3年)

と、「電話が無理ならメールで連絡を」と思っても、そこにも別の課題があるもようです。

コメントには「ナビサイトのメッセージ機能か大学のメール」とありますが、実際にはこれらに加えて、携帯のキャリアメールやGmailなどのフリーメールを使っている学生も多く、連絡先を一つに絞りにくい現状はありそうです。

かといって、学生と個別でLINEを通じて連絡を取るのは、コンプライアンスの面からも不安があります。

これについては、次の回答が一つの解決法になりそうです。

今年はメール送信した際に必ずSMSを送るようにした結果、学生とのコミュニケーションが大幅に改善できました。
(サービス・インフラ / 従業員規模 100〜300人 / 採用担当者歴 5年以上)

SMSであれば、基本情報の一つとして収集済みの電話番号に送ることができますので、新たな個人情報取得も必要ありませんし、特定のアプリも不要な上、携帯キャリアや端末にかかわらず送ることが可能です。

すぐにでも取り入れられるノウハウですね。

面接を担当していない新卒採用担当者であっても、面接前後のアテンドを担当されている方は多く、その際に学生が持っている力を発揮できるように緊張をほぐすことを意識されている方は多くいらっしゃいます。

しかし、採用活動をする上での失敗談として、以下のようなことをいわれている方が複数いらっしゃいました。

最終面接前に緊張されていた学生さんがいたので、きっと大丈夫!頑張ってくださいねと声掛けしたところ、余計に緊張されてしまいました……
(ソフトウエア・通信 / 従業員規模 100〜300人 / 採用担当者歴 1〜3年)

学生一人ひとりの性格にも関わる問題なので、万能の解決方法というものは存在しません。

が、先日行った新卒採用担当者座談会では次のようなエピソードが語られました。

私が面接にアテンドすることがあるのですが、その時は本当に元気で素直なんですよね(笑)。面接に入ると、途端に固くなっちゃう。緊張もあるので仕方がないとは思うのですが……。
(中略)
学生の持っている小さなこだわりに気付いて、そのことについて話すと、すごくいい反応がありますよね。筆記用具をブルーで統一しているとか、素敵な眼鏡をしているとか……持ち物で気づいたことをそれとなく聞いてみると、うれしそうに話してくれます。

座談会の中ではアテンド中に緊張をほぐすことの難しさについても話しましたが、さりげないアプローチは一つのヒントになるのではないでしょうか。

今の学生はオンラインでの就職活動で同学年の他の就活生はおろか、新卒採用担当者ともコミュニケーションを取る機会が極端に減っているため、「自分に向けられた言葉に飢えている」と分析する識者も多くいるのです。

そこへ、個人的な好みを直接褒める発言があると、気持ちがほぐれるということはありそうです。

同じ座談会では次のようなコメントもありました。

確かに、世代として理解しにくい部分はあるんですけれど、総じて素直で真面目な子が多いですよね。

このコメントには、座談会の中でも満場一致で賛同の声が上がりました。面接について直接言及するのではなく、個人について新卒採用担当者が1人の人間として声を掛けることが、緊張をほぐすことにつながるのかもしれません。

「議題2」と同様、学生の緊張をほぐすことを目的とした「アイスブレイク」ですが、会社説明会に苦手意識を持っている新卒採用担当者の方が多く、特にアイスブレイクは大きな課題となっているようです。

アンケートでも、ヒントを求める声が寄せられました。

アイスブレイクや質疑応答の場で、学生さんが話しやすいような雰囲気のつくり方や話の引き出し方を聞いてみたいですね。
(流通・小売 / 従業員規模 300〜500人 / 採用担当者歴 6カ月〜1年)

この点について、現役の内定者3名に集まってもらった座談会では、次のようなエピソードが語られています。

少しだけプライベートをのぞかせてくれたりとか(中略)、内輪ノリになりすぎない程度の掛け合いがあると(中略)話しやすいです。

学生は志望度が高いほど緊張しやすいものです。アイスブレイクは質疑応答の時間を含めた説明会全体を実のあるものにするためにも重要です。

特に緊張がほぐれたアイスブレイクとして挙げられたのが、上記のエピソードです。登場した社員のプライベートが少し見えると、「同じ人間なんだ」という印象が強くなり、緊張がほぐれると語ってくれています。

また、アイスブレイク用のネタとして学生が好む話題を収集しようと、TikTokやYouTubeなどSNSからの話題が必要なのでは?と思っていらっしゃる新卒採用担当者の方も少なくないようです。

自分自身がSNSを利用していないため、デジタルネイティブ世代の話題に付いていけず、苦慮する場合がある。
(サービス・インフラ / 従業員規模 30〜49人 / 採用担当者歴 3〜5年)

しかしご安心を。先ほど引用した座談会では次のような声もありました。

(TikTokやYouTubeなどの話題を収集して話す新卒採用担当者についてどう思うか、という質問に対して)

若手の方ならいいんですが、年配の方がそれをやっても、「無理しないで!」って思っちゃうかもしれません。
私たちに歩み寄ってくださっている気持ちはうれしいですが、必ずしもそれだけで場の空気をほぐすわけではないと思いますので……。

アイスブレイクの目的は要するに「話しやすい雰囲気をつくること」。目線を合わせることは重要ですが、必ずしも無理はしなくていいようです。

どうしても採用したい学生と1対1のコミュニケーションをする場面というのは、多くの新卒採用担当者が経験することだと思います。

しかし、その距離感を測りかねるというお声もありました。

話しやすい担当者であろうと心掛けて学生に接した結果、友達感覚で接してくる学生が出てしまった。
(メーカー / 従業員規模 100〜300人 / 採用担当者歴 1〜3年)

「身近であること」と「なれ合うこと」の線引きは難しいものですが、「友達感覚」までくると明らかに行き過ぎていると感じます。

一方で、親身にコミュニケーションを取ることで信頼関係を築くことができたという方もいらっしゃいました。

内定承諾の期日は気にせずに最後まで就活を続けて本当に行きたい会社に行ってほしいし、それが弊社ならうれしいと伝えたところ、その学生は最後まで就活を継続し、納得した上で弊社の内定を承諾してくれました。
(サービス・インフラ / 従業員規模 500〜1,000名 / 採用担当者歴 3〜5年)

先ほど紹介した学生座談会からも分かったことですが、今の学生は情報収集能力が高く、念入りに調べながら企業選択をしています。座談会ではIR情報まで見ているという学生もいます。

そのため、説明会はもちろん、選考を含めたあらゆるコミュニケーションの場では調べても知ることのできない非言語情報(雰囲気や社風、社員の仕事観など)を意識的に集め、分析しています。
どれだけ条件面が自分の希望と合っていても、社風が合わないという一点で志望度が覆されることもあるようです。

「学生にとって調べても分からない」情報は、雰囲気などの非言語情報だけではありません。企業側として積極的に出していない情報も同様です。

近年はRJP(Realistic Job Preview=現実的な仕事の情報開示)という概念が浸透し、これに取り組む企業も増えていますが、語られていなかった情報を知ることでがっかりする学生は多いようです。

例えば、過去に行った「DX人材」に関する学生座談会では次のようなエピソードがありました。

大手企業にありがちなのですが「こんなことしています!」と大々的に宣伝しているにもかかわらず、コアな技術を自社で持っていない… というパターンに何度か遭遇しました。結局は外注を使っていて、社内ではSIer的な動きしかしていない。それでは、技術系を志望する場合にまったく魅力的に映りません。
しかも、見抜くのが難しいですよね。

いくら魅力的な情報で学生を集めても、その期待と異なる現実を知ると、途端に志望度はゼロになってしまいます。

この点については、アンケートでも多くの意見が寄せられました。

ストロングポイントのアピールと合わせて、マイナスギャップのリスクを考慮し、ありのままの社風を伝えるよう心掛けています。
(商社 / 従業員規模300〜500人 / 採用担当者歴 1〜3年)

言葉だけの説明では入社してからギャップがあるかもしれませんので、希望者には現場を体験してもらうことにしています。それ以来、早期退社がありません。
(メーカー / 従業員規模 50人未満 / 採用担当者歴 5年以上)

採用広報として自社の「きれいな側面」を見せる一方で、採用後には「つらい側面」も伝えていかなければならないが、事前の説明が不足していて、「聞いていた話と違う」という印象を与えてしまった。
(流通・小売 / 従業員規模 100〜300人 / 採用担当者歴 5年以上)

上記はごく一部で、他の新卒採用担当者の方もRJPについてはバランスの難しさを感じつつも、基本的には「自社の悪い面も開示しなくてはならない」と考えていらっしゃるようです。

情報の開示の仕方によって受け取り方はさまざまなので、特に自社の課題をどう伝えていくかというのは難しいところです。

しかし、先日行われた「採用戦線報告会」では次のようなデータが提示されました。

内定者フォローにおいて、学生の不安を最も軽減したのが「人事との面談で具体的な業務内容を説明してもらったこと」だったそうです。

RJPは「ネガティブな情報を開示する」ということではなく、「開示できる情報は積極的に開示する」ということを指します。
ネガティブもポジティブも織り交ぜながら、学生が本当に納得して入社できるように情報を開示することは、新卒採用担当者にとって最も重要な業務の一つということになるのかもしれません。
5つの議題に分けて、アンケートから寄せられた疑問や課題について過去の記事などをひも解きながら解説をさせていただきました。

結局のところ「誠実に向き合ってコミュニケーションを取る」ということが解決の鍵になる課題が多かったように思います。

記事の中でも触れましたが、多くの学生は「調べられる情報をできる限りインプットしてから企業とのコミュニケーションを取っている」と考えて間違いないようです。つまり、公開している条件や情報には納得した上でコミュニケーションを取っているということ。ここに、新卒採用担当者をはじめとした企業側の向き合い方が試されているのかもしれません。

マイナビサポネットでは、定期的に読者の皆さまへアンケートのご依頼をしています。機会がありましたら、ぜひご協力くださるとうれしいです。
  • Organization HUMAN CAPITALサポネット編集部

    HUMAN CAPITALサポネット編集部

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  • 人材採用・育成 更新日:2021/10/11
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