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新卒採用担当者緊急座談会 「Z世代とのコミュニケーション方法に悩みはありますか?」―【特集】対求職者コミュニケーション 第2回

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今の学生の特性やコミュニケーションのノウハウを中心に扱っている今回の特集。本記事では実際に学生と向き合ってコミュニケーションを取っている採用担当者の皆さんに集まっていただき、座談会を開催しました。

皆さんも共感できるような悩みについて話したり、それに対するアドバイスやノウハウの共有もあったりと、学生コミュニケーションの生きたヒントが満載です。ぜひご覧ください!

<座談会に参加してくださった皆さま・順不同>

  • タイガー魔法瓶株式会社(大阪府・メーカー・500~1000人未満)

    鈴木翔一朗さん(採用担当者歴5年〜)

  • 株式会社アネステック(神奈川県・IT・100~300人未満)

    青木千春さん(採用担当者歴1〜3年)

  • 株式会社EMシステムズ(大阪府・IT・300~500人未満)

    小笠原萌さん(採用担当者歴 1年未満)

  • 株式会社マルヨシセンター(香川県・小売・300〜500⼈未満)

    山田奈緒美さん(採用担当者歴 1年未満)

― 皆さん、今日はよろしくお願いします。この場が、皆さんの持っている悩みやノウハウを共有、解決へのヒントを得られる時間になれば幸いです。

早速、皆さんからいただいた事前アンケートより最初の話題に入りたいと思います。小笠原さんは、説明会でのスピーカーが苦手ということですが、まずはその話を伺ってもよろしいですか?

小笠原さん: はい。弊社ではオンラインでの説明会を行っているのですが、回線状況の都合で学生側のカメラはオフにしているんです。なので、学生側の状況が分からなくて。 何が響いて、何が響いていないのか……。

青木さん: 分かります。私も最初は悩んだところなんですが、心の中に「絶叫系ポジティブ芸人」を1人置くようになってから、だいぶ楽になりましたよ。

一同:

青木さん: いつでもテンションが高く、滑ってもへこたれず……。あのメンタリティがあれば学生向けの説明会も乗り切れますよ。何しろ、心が折れない(笑)。

鈴木さん: 緊張しやすい性格で、私も最初は説明会が苦手でした。実は初めての説明会を担当した時に、描いていた進行やセリフが全て頭から飛んでしまったんです(笑)。それから、緊張は緊張として受け入れる覚悟ができましたね。

とはいえ、小笠原さんのように「学生の姿が見えない」という状態ではやはり緊張しやすいでしょうね。
いま弊社では説明会を2時間制にして、最初の1時間で録画した映像を使った会社説明、次の1時間で座談会という構成で進行しています。

― その構成には、どのような狙いがあるのでしょうか?


鈴木さん: まず、オンラインに対応しやすいことです。不測の事態に対応しやすいですし、前半の動画を見てもらうパートでは必要に応じて別の動画を差し込むことができるのも大きなメリットですね。

そして、後半のパートで3部構成にし、各分野の社員が登場する座談会を行っています。ここで学生の反応を見るんです。かつ、参加学生を分割できるので回線負荷も小さくでき、学生のカメラをオンにしてもらうことができます。

― なるほど。質疑応答のある座談会なら学生の人数は少ない方がやりやすいですし、一挙両得ということですね。他に、ご意見やアドバイスのある方はいらっしゃいますか?


山田さん: 弊社では、説明会をリアルで実施することが多いんですが、その時には1人のターゲットを決めて、その学生の反応を見ながら話すようにしていますね。その1人に集中することで、緊張しにくくなる気がします。

あと、必ず気を付けているのが「高校生でも分かるくらいの言葉遣いで話すこと」です。その方が身近に感じていただけるかな、と思っています。

小笠原さん: 皆さんありがとうございます。それぞれノウハウを持っていらっしゃるんですね。芸人さんを心の中に置けるかどうかはわかりませんが……(笑)。

弊社の場合、医療分野向けのIT企業で、学生から難しいと思われがちなので、山田さんのおっしゃる「高校生でも分かる言葉遣い」は気を付けてみたいと思います。
【編集部より】
この座談会とは別の日に行われたインタビュー記事の取材でも、「カタカナ言葉はできるだけ避ける」ことが学生向けの説明会で重要なポイントの一つとして挙げられました。
人事に好印象を持たれるために、頑張って「カタカナ言葉」を使う学生もいますが、決して身近な言葉ではなく、人事側が使うと距離を感じてしまうことが多いそうです。

― では次のトピックに移りましょう。鈴木さんがアンケートに「Z世代の学生が理解しにくい」と書いてくださっています。他の皆さんも似たお悩みを持っていらっしゃるとは思うのですが、まずは鈴木さんの実感をお聞かせください。


鈴木さん: 特にここ1年ほどではっきり変わったと感じています。大学でキャリア教育を受けてきているのでキャリア観はしっかりしているのですが、一方で、社内の人事異動に対して強い警戒感があったり、面接での不意な質問にうまく答えられない学生が増えたり……。これまでの学生とは何かが違うと感じていますね。

― 皆さん、今のお話に大きくうなずいてらっしゃいましたが、何かエピソードをお持ちの方はいらっしゃいますか?


青木さん: 面接での不意の質問に弱いというのは、本当に共感できますね。いわゆる「ガクチカ」や志望動機は覚えてきたんじゃないかというくらいスラスラ話せる一方、面接官が突然聞く「学生時代のアルバイトで印象的なエピソードは?」のような、準備がしにくい質問は苦手みたいです。

小笠原さん: 分かります。それが原因で、初期選考で好評だった学生が以降の選考で落ちてしまうということがありますね。役員クラスが突然聞く、一見すると仕事とは無関係に思えるような質問への対応力が弱く感じる時もあります。

― 人柄を見るために聞くカジュアルな質問への対応が苦手ということですね。一般的な質問への対応力とのギャップが驚きの原因のようですが、他にギャップを感じる場面はありますか?


青木さん: 私が面接をアテンドすることがあるのですが、その時は本当に元気で素直なんですよね(笑)。面接に入ると、途端に固くなっちゃう。緊張もあるので仕方がないとは思うのですが……。

山田さん: そのギャップはありますよね!フィードバックで話す時、自分の好きなことは冗舌に話してくれるんですが、面接での不意の質問に対応できずに「臨機応変さが足りない」という理由でお断りになってしまうこともあって……心苦しいです。

青木さん: 好きなものの話は饒舌、というと、学生の持っている小さなこだわりに気付いて、そのことについて話すと、すごくいい反応がありますよね。筆記用具をブルーで統一しているとか、素敵な眼鏡をしているとか……持ち物で気づいたことをそれとなく聞いてみると、うれしそうに話してくれます。

小笠原さん: あと、褒められるとすごく喜んでくれますね。面接官からの評価表を基に私がフィードバックをすることが多いのですが、「こんなポイントが良かったよ」という話をすると、とても素直に喜んでくれるんです。

鈴木さん: それは私も分かります。あと、何が起こっても「楽しかった」とポジティブな締め方ができるというのも特徴の一つでしょうか。苦しいことがあっても、それはそれで「楽しかった」というような。私個人の実感としてはわからないところなのですが(笑)。

小笠原さん: 確かに、世代として理解しにくい部分はあるんですけれど、総じて素直で真面目な子が多いですよね。その「楽しかった」も、本当にそう思っているんだろうな、と感じます。
【編集部より】
過去の記事で、「今の学生はオンラインでの活動が増えて、他者から自分自身に向けられた言葉に飢えている」というエピソードが語られたことがありました。「褒められ好き」は、この延長線上にある現象かもしれません。
また、鈴木さんのおっしゃっていた「安定志向とキャリア志向の共存」については「リスク回避志向」という近年の学生が持つ特性とのつながりがあると思われます。

― さて、続いてもお悩みの方が多いトピックです。「学生のグリップ」ですね。山田さんもアンケートに「自社にとって過ぎた人材だと思えるような学生のグリップ方法」を聞きたいと書いていただいています。


鈴木さん: 去年より優秀な学生が採用できた、という年を1年ずつ重ねていけば、会社は必ず良くなると信じているので、グリップは重要な仕事の一つだと思っています。

とはいえ、やることはごく一般的で、メールだけでなく電話もするとか、フィードバックできちんと向き合って話すといったことなのですが。

小笠原さん: 私はこちらのテンションを高めにして、なるべく具体的なフィードバックを行っています。選考に進むモチベーション、内定受諾のモチベーション、そして、入社のモチベーションを保つためですね。課題になっているポイントは、研修などでカバー可能だと思っています。

青木さん: 私は、余韻効果(※)を期待して、良いフィードバックを後で言うようにしていますね。

あと、月に1回のペースで内定者向けの新聞を作っています。宛名は最近習い始めた筆ペン習字で手書きして、ポストに投函するんです。

※ 余韻効果:2つ以上の事柄がインプットされたとき、一番最後にインプットされた事柄が最も強い印象を残す効果のこと。

― リアルの新聞なんですね。どんな狙いがあるんですか?


青木さん: 親御さんの目に届くことを期待しています。弊社のようなIT企業だと、大企業も含めて競合が無数にありますし、弊社が第1志望という方ばかりではありません。なので、学生が親御さんに相談したときに背中を押してほしいなという思いもありますね。
同じ理由で、早期退職の抑制に効果を発揮してくれることも期待しています。

鈴木さん: これはすごいなぁ。

― 親御さんの印象という点では、BtoC企業にお勤めの鈴木さんと山田さんは有利な点もあると思いますが、いかがですか?


鈴木さん: 100年近くの歴史がある企業なので、ありがたいことに親御さんが弊社を知らないという状況は確かにほとんどありませんね。しかし、それだけに対応には気を使います。あらゆる方がカスタマーである可能性がありますから。

山田さん: その点は私たちもそうですね。地元のスーパーマーケットとして長年多くの方に愛していただいて、就職される方もほとんどがUターンの学生さんです。学生さんだけでなく親御さんも私たちのことをご存じだし、大切なお客さまです。

だから、選考やリアルの説明会の後で私たちのこだわりの商品をお持ち帰りいただいたり、青木さんと同じくご自宅に届くようにお手紙でコミュニケーションをとることもあります。

― 小笠原さんはいかがですか?


小笠原さん: 親御さんへのアプローチは考えたことがなかったので驚きました。皆さんの施策を参考にして、親御さんまで見据えたグリップ施策はぜひやってみたいですね。

― 今日は皆さん、本当にありがとうございました!


【編集部より】
実際に、アンケートでも学生の主な相談相手として「両親」は「友人」などと同様に高い割合になっています。
学生の親御さんとの良好な関係づくりは、最後に学生の背中を押してくれる味方づくりになるかもしれませんね。

スペースの都合上、特に皆さんにお伝えしたい部分だけを記事にしましたが、実際にはたくさんのテーマで話し合った、とても有意義な時間となりました。 改めて、4名の採用担当者の皆さま、本当にありがとうございました!

マイナビサポネットでは、今回のような座談会やアンケートを皆さんにお願いすることがありますが、「我こそは!」と語りたいことがある方は、ぜひ積極的にご協力いただけますと幸いです。
  • Organization HUMAN CAPITALサポネット編集部

    HUMAN CAPITALサポネット編集部

    新卒・中途採用ご担当者さま、経営者さま、さらには面接や育成に関わるすべてのビジネスパーソンに向けた、採用・育成・組織戦略のヒントが満載の情報メディアです。HR領域に強いマイナビだからこそお伝えできるお役立ち情報を発信しています。

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