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会社説明会はオンライン?オフライン?自社にマッチした方法を選ぶポイント

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自社の事業内容や社風、待遇や福利厚生、強みなどを伝えることで、参加者に企業理解を深めてもらうための会社説明会。

新卒採用だけでなく、中途採用でも会社説明会は重要な役割を果たします。効果的に活用することで、意欲的な転職希望者にアプローチして応募を促す機会として活用できますし、求人媒体や人材紹介などでは伝わりづらい自社の雰囲気や、働く魅力をダイレクトに伝えることができます。企業によっては、「相談会」や「カジュアル面談」の一環として、会社説明会を開催している場合もあるでしょう。

本記事では、会社説明会の目的について改めておさらいしたうえで、近年急速に浸透している「オンライン会社説明会」について紹介します。

また、「オンライン」「オフライン(対面)」、そして両方の強みを生かした「ハイブリッド型」のそれぞれのメリット・デメリットについてもお伝えしていくとともに、オンライン会社説明会の準備・運営で押さえておきたいポイントについても紹介します。

そもそも会社説明会は何のために行うのか

会社説明会には、事業内容や社風、待遇や福利厚生といった自社に関するさまざまな情報を参加者に伝え、企業理解を深めてもらう目的があります。参加者が企業とのマッチングを確認するための機会として活用できるだけでなく、企業理解が深まることで、入社後のミスマッチ低減にもつながります。

また、会社説明会には、採用ターゲットに「この企業に応募してみよう」と思ってもらうために、自社を魅力づけする「採用広報」としての役割もあります。

会社説明会に参加する人は、すでにある程度自社に興味を持っているはずです。その興味を失わせること無く、自社のファンを作るチャンスとして、会社説明会を活用すべきでしょう。

オンライン会社説明会とは

参加者が企業とのマッチングを確認するだけでなく、企業側が自社を魅力づける「採用広報」のツールとしても活用できる会社説明会。その開催方法の一つが「オンライン」で開催する会社説明会です。

参加者は会場に集まる必要がなく、開催時刻になったら、オンラインのプラットフォーム(ビデオ会議ツールなど)にアクセスし、それぞれのPCやスマートフォン、タブレットなどを通じて、どこからでも会社説明会に参加することができます。

オンライン会社説明会の種類

オンライン会社説明会には、大きく分けて「ライブ配信(ストリーミング)型」と「オンデマンド型」の2種類があります。

ライブ配信(ストリーミング)型

会社説明会をリアルタイム(同時刻)に参加者に向けて配信する形式です。参加者と企業がチャット欄や質疑応答によって、コミュニケーションをとることができます。ただし、対面と比べると画面越しのコミュニケーションに慣れていない参加者が多いケースもあり、質問を募っても参加者からなかなか反応を得られないことがあります。

また、参加者側も参加できる時間が決まっているため、時間が合わない場合に参加しづらいといえます。なかにはアーカイブ配信で後から配信内容した内容を視聴可能な場合もありますが、疑問点があってもリアルタイムで質問できない点はデメリットといえるでしょう。

ライブ配信(ストリーミング)型のなかには、参加者を複数のグループに分け、ディスカッションを取り入れながら進行する「テーブル型」の説明会も含まれます。

オンデマンド型

事前に録画・編集された会社説明会の動画を、自由なタイミングで視聴できる形式です。

オンデマンド型であれば、基本的に動画は24時間公開され、公開期間を限定しない場合は通年で配信することができます。場所・時間の制約があるターゲットにも情報を届けやすい点や、一度録画した映像を長期間にわたって活用できるのが大きなメリットといえます。

一方で、双方向のコミュニケーションがとれないため、参加者のリアクションを確認しづらい点はデメリットです。また、「質問したい」「実際に社員の話を聞きたい」と思っている人にとって、オンデマンド型では満足してもらえない可能性があるでしょう。

オンライン会社説明会に使用されるツール

オンライン会社説明会を開催する際に使用される代表的なツールを見ていきましょう。ライブ配信(ストリーミング)型の場合は、Zoomビデオウェビナーや、Teamsライブイベントなどの専用ツールを活用できます。

オンデマンド型の場合は、オンデマンド配信機能を備えたツールや、YouTubeでの配信が主流となっています。

1. Zoom ビデオウェビナー(ライブ配信型)

オンラインコミュニケーションツールである「Zoom」の有料オプション機能で、ライブ配信型のイベントに特化したツールとして、会社説明会にも活用できます。

【開催側のメリット】
  • 500人~10,000人以上が参加可能。
  • 参加者へのアンケート機能、投票・クイズ機能などのオプションが充実。
  • 配信後にオンデマンド動画として再配信も可能。

【こんな企業におすすめ】
  • 500人以上の大規模な説明会を開催したい。
  • 参加者からのコメント・リアクションを確認しつつ、コミュニケーションをとりながら進行したい。

2. Teamsライブイベント(ライブ配信型)

企業のミーティングツールとしても活用されている「Teams会議」は、発言や画面共有などを参加者全員が行うことができますが、Teamsライブイベントはセミナーに特化していることから、このような双方向の発言はできません。しかし、以下のようなメリットがあります。

【開催側のメリット】
  • 開催準備のステップが少なく簡単。
  • 運営側(プロデューサー・発表者)専用のチャットがあり、スタッフが連携しやすい。
  • チャット欄を公開するかどうかを運営側が管理できる。
  • 最大 10,000 人が参加可能。

【こんな企業におすすめ】
  • 大規模な説明会を開催したい。
  • 複数の発表者が順番に登壇するような説明会を想定している。

3. V-CUBEセミナー(ライブ配信型)

オンラインセミナー向けのプラットフォームで、カメラ、モニターなどの必要機材や配信スタッフ、配信スタジオが含まれており、手厚いサポートが特徴です。

【開催側のメリット】
  • 参加者はアプリのダウンロード不要のため、手軽に参加してもらえる。
  • 視聴ログによる効果測定・分析データの収集が可能。
  • 配信後にオンデマンド動画として再配信できる。
  • 26,000か所まで同時接続ができるため、大人数参加も可能。

【こんな企業におすすめ】
  • オンライン開催のノウハウが少なく、プロのサポートが必要。
  • 説明会を何度も実施し、分析・改善につなげたい。

4. YouTube(オンデマンド型)

集客や商品のプロモーションといったビジネス向けにも多く活用されているYouTube。企業チャンネルの概要欄に、自社採用サイトやSNSアカウントなどのURLを掲載すれば、他の媒体への導線を作ることもできます。

また、YouTubeは視聴者の年齢層や性別、視聴時間などが可視化されるため、分析に役立てることも可能です。分析結果を踏まえて、動画を改善していくことで、採用力を高めていくことができます。

【こんな企業におすすめ】
  • 配信トラブルが心配。
  • 会社説明会に割ける人員が少ない。採用担当者の負担をできるだけ少なくしたい。

オンライン開催・オフライン(対面)開催のどちらがよい?

オンライン化の加速によって、オンライン会社説明会も浸透してきました。しかし、従来のようにオフライン(対面)で行う会社説明会にも、オンラインにはない強みがあります。

自社に合った開催方法を考えるうえで、オンライン・オフライン(対面)それぞれのメリット・デメリットを知っておきましょう。また、3つ目の選択肢として、両方の良さを取り入れた「ハイブリット型」についても紹介します。

オンライン開催のメリット・デメリット

メリット

デメリット

  • 参加者を集めやすい(UターンIターン需要など、地域問わず募集できる)
  • オフラインと比較すると開催コストが低い
  • 双方向のコミュニケーションに慣れが必要
  • 参加者の「ながら見」によってミスマッチのリスクが高まる
  • 通信環境によって障害が発生する可能性がある

メリット

会社説明会に参加するための移動にかかる時間的・金銭的コストが低減されることは、参加者側の大きなメリットです。企業側としても、参加者を集めやすくなり、多くの人に自社を認知してもらいやすくなるメリットがあります。

また、会場を確保する必要がないことに加え、オフライン(対面)の会社説明会よりも人件費を削減できます。特に、オンデマンド型の場合は一度撮影した映像を繰り返し使えるため、コスト面におけるメリットがさらに大きくなります。

デメリット

画面越しのため、企業側が参加者の反応を確認しづらく、一方的な説明になりやすい点には注意が必要です。チャットや質問機能によって双方向のコミュニケーションを図ることも可能ですが、自宅からでも参加できるという気軽さゆえに、参加者は緊張感を持ちづらく、結果的に「ながら見」が増える懸念があります。それによって企業理解の不足によるミスマッチが増えてしまう懸念があります。

参加者の集中力と、適度な緊張感を持続させるために、参加者へ積極的に問いかけたり、説明内容によって企業側の説明者を変えたりするなどといった「飽きさせない工夫」が必要です。

また、オンライン化が進んだことで、参加者はより多くの企業の会社説明会に参加できるようになりましたが、これまでの対面の説明会では有用だった説明やスライドの内容が、オンライン会社説明会では、競合他社の情報に埋もれてしまう恐れがあります。オンラインでも参加者の印象に残るように、スライドなどの内容も見直すほか、会社説明会用の動画を新たに作成するなどの対策が必要でしょう。

オンライン開催は、こんな企業におすすめ

  • 説明会に割ける予算が少ない
  • 社内のノウハウ蓄積のために会社説明会を何度も開催して改善していきたい
  • 母集団形成に課題がある
  • 遠方の人にも参加してもらいたい

オフライン(対面)開催のメリット・デメリット

メリット

デメリット

  • 参加者のリアクションを見ながらコミュニケーションをとれる
  • 選考フローに進んでもらいやすい(1Day採用などの導入も可能)
  • 会場費・運営費など、開催コストは高め
  • 参加者を集めづらい

メリット

参加者のリアクションを見ながら、アドリブや臨機応変な説明を入れつつ進行できるため、一方的な説明になりにくい点が大きなメリットです。

また、オフライン(対面)の場合、「時間と移動のコストをかけてでも参加したい」と思っている参加者が多く、説明会に対して熱意のある参加者が多いといえます。そのため、適切にフォローすれば、次のステップである応募・選考への進捗率は高くなるでしょう。

デメリット

多くの参加者を集めたいのであれば、広い会場と多くのスタッフを確保する必要があります。この理由から、開催コストはオンラインよりも高くなります。

また、参加者にとっては移動コストやスケジュール調整の負担が大きいため、参加者が集まりづらくなる点もデメリットといえるでしょう。

特に、地方や遠方からは参加者を集めづらいことから、参加者の地域が限定される傾向にあり、母集団の多様性は低くなります。

オフライン(対面)開催は、こんな企業におすすめ

  • 双方向のコミュニケーションを重視している
  • 多少コストがかかっても熱意のある人と直接話をしたい

両方の良さを取り入れた「ハイブリッド型」の選択肢も

上記で紹介した通り、オンライン・オフライン(対面)には、それぞれにメリット・デメリットがありますが、メリットを最大化したいのであれば、両方の良さを取り入れた「ハイブリッド型」の会社説明会も検討してみてはいかがでしょうか。

ハイブリッド型の会社説明会は、従来のようにオフライン(対面)での会社説明会を進行しつつ、その様子をオンラインでもライブ配信する形式です。

ただし、オンラインで参加している人が疎外感を感じたり、参加者同士が一体感を得づらいといった注意点もあります。質疑応答は、オンラインの参加者も参加できるようしたり、チャット欄に書き込んでもらったコメントを、登壇者が紹介したりといった工夫が必要です。

ハイブリッド型では、現地の参加者と、オンラインの参加者の両方を丁寧にフォローする必要があることに加え、機材トラブルなどに備えて、オンライン・オフラインよりも多めにスタッフを確保しておく必要があります。運営にかかるコストが大きくなる点がデメリットと言えるでしょう。

メリット

デメリット

  • 参加者とのコミュニケーションをとれる
  • 「オンライン参加」「オフライン参加」を選べるため参加者が集まりやすい
  • 参加者が一体感を感じづらい
  • 会場費・運営費に加えて配信機材費など、コストが高い

ハイブリッド型は、こんな企業におすすめ

  • コストがかかってもよいので、できるだけ多くの参加者に情報を届けたい
  • 参加者の多様性を重視している
  • アーカイブ(オンデマンド動画)として残して、採用広報でも活用したい

オンライン会社説明会の準備・運営で押さえておきたいポイント

先ほど紹介したオンライン説明会のデメリットは、事前準備と当日の運営で解消できる場合があります。押さえておきたいポイントを見ていきましょう。

1.【事前準備】「印象に残る」情報を選ぶ

オンライン会社説明会の「気軽に参加できる」というメリットから、近年では求職者も多くの会社説明会に参加する傾向にあります。そのため、会社概要や事業内容、職種説明や福利厚生といった「会社の全体像」を伝えるだけでは、参加者の印象には残りづらく、他社の情報に埋もれてしまうでしょう。

自社にしかない強みや、社員の雰囲気や関係性、いま自社が向き合っている課題なども含めて、自社で働くリアルなイメージを持ってもらえるような情報を提供することが重要です。

例えば、海外拠点がある企業であれば、現地の社員に参加してもらうことで、参加者の印象に残りやすくなるでしょう。また、カメラを持って社内を回るオフィスツアーを実施すれば、職場の空気感をダイレクトに伝えることができるため、参加者を飽きさせないだけでなく、ミスマッチの低減や意向醸成にもつながります。

2. 【事前準備】スライドやPR方法を見直す

オフライン(対面)開催の場合、社員の雰囲気や社風といった非言語情報を、参加者に感じ取ってもらえます。一方、オンラインで開催する場合、言語化して積極的に伝えない限り、そういった非言語情報を参加者に伝えることは困難ですので、オフライン(対面)の会社説明会で使用していたスライドをそのまま使用しても、参加者の心には留まりづらいといえます。

オンライン会社説明会では、「自社の強み」や「社風・雰囲気」といった他社との差別化要素にフォーカスしたスライドになるように見直してみましょう。

採用サイトや就職情報サイトを見れば分かるような、会社概要・事業内容・職種説明・福利厚生を順に説明していくのではなく、自社の強みを明確にしたうえで、その強みを伝えるために効果的なトピックのみを厳選することが大切です。また、非言語情報を伝えるためにイメージ画像を多用したり、動画を挿入したりするなど、一方的な発信にならないような進め方にしましょう。

また、「スライドを読み上げるだけ」の説明会は、むしろ参加者の印象を悪くしてしまう可能性があります。「説明(トーク)」と「スライド」のそれぞれの役割を分けるために台本を作り、スライドで書かれていることは説明しないようにしましょう。

そのほか、自社のPRに最適な方法や、どうしたら魅力的な説明会になるのか、社内で意見をもらうなどして、多角的に考えることも重要です。

関連記事: オンライン化が進む会社説明会で「記憶に残る」スライド作りとは?

3. 【当日の運営】チャットの活用で「参加意識」を持ってもらう

オンライン会社説明会では、オフライン(対面)の会社説明会よりも気軽に参加できる反面、参加者自身が「何を目的に参加しているのか」がはっきりしない状態のまま視聴しているケースも多いといえます。参加者が受け身の状態では、企業側が工夫して発信しても、参加者は情報を受け止めきれません。

オンライン会社説明会の当日は、参加者にチャットを活用してもらうとよいでしょう。登壇者が、参加者のチャットでの発言を取り上げながら進行することで、参加者は「自分が発信すること」に意味を見出し、会社説明会への参加意識を高めることができます。

参加者にチャットを活用してもらうためには、まず「自由に発言してもらいたい」点や「コメントの内容が選考には影響しない」といった点をしっかりと明示しておくことが大切です。そのうえで、冒頭で登壇者の趣味の話など、アイスブレイクになる発信をして「皆さんはどうでしょうか?チャットで聞かせてください」といったように、自由に発言できるきっかけや空気を作っていきます。

説明会を進行しながら、参加者のコメントをしっかりと取り上げるためには、登壇者とは別に、コメントに対応する専任のスタッフを付けるのがおすすめです。


4. 【開催後】アンケートを毎回実施し、改善ポイントを見つける

開催側では事前の検討や準備を重ねているため、参加者に自社の内容をうまく伝えていると思いがちですが、実際には参加者側では理解が難しく、意図が伝わっていないこともあります。

一方的な視点ではなく、参加者側の立場にもなって考えることで、よりよい会社説明会になるでしょう。そのためにも、説明会の後に参加者にアンケートに答えてもらうことで、改善ポイントを探し出し、会社説明会のブラッシュアップをすることが重要です。

オンライン上でアンケートフォームを作成し、説明会の終わりにQRコードやURLを伝えるなどをしてアンケートの存在を知らせ、回答を促すようにしましょう。質問内容は自社に対する印象、説明会の内容についての感想、もっと詳細に聞きたかった箇所など、参加者視点で知りたいことを盛り込むようにしましょう。また、質問項目は多くしすぎず、参加者が回答しやすいものにしてアンケートの回収率を高める工夫も大切です。

アンケート結果から参加者の満足度をKPIとして設定し、改善ポイントの指標を作ることも有効でしょう。

まとめ

近年は、会社説明会のオンライン開催が当たり前となりつつありますが、対面で開催するメリットもあります。「自社を魅力づける採用広報のツール」として、オンライン・オフライン(対面)のどちらがマッチしているか、本記事で紹介したメリット・デメリットを踏まえて検討してみてください。

オンライン会社説明会の場合は、「気軽に参加してもらいやすい」というメリットがある一方で、「参加者の印象に残りづらい」「飽きられやすい」といったデメリットへの対処が必要です。伝えたい情報をすべて盛り込むのではなく、自社を印象付けるためのトピックのみに絞って、発信内容を取捨選択する必要があるでしょう。

そのためにも、まずは自社の強みを明確にしてみることから始めてみましょう。

  • Organization HUMAN CAPITALサポネット編集部

    HUMAN CAPITALサポネット編集部

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