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オンライン化が進む会社説明会で「記憶に残る」スライド作りとは?

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コロナ禍をきっかけに学生の就職活動はオンライン利用が加速していますが、中でも会社説明会は交通費や時間調整の負担が小さいことから、より一層強くオンライン化が進んでいる分野です。

説明会の開催形式の選択肢が増える中で、これまで定番で使ってきた説明会スライドの更新が必要だと考えている読者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで、多くの企業の採用広報を支援し、各社のオンライン説明会のサポート経験も豊富な総合企画運営統括部の池内智美に話を聞いてみました。
「今だからこそ見直したいスライド作り」とはどのようなものなのでしょうか?

― 今日はよろしくお願いします。まず、こうしてオンライン化が進んだことで学生のスライドに対する感じ方、受け止め方にも変化があったのでしょうか?


池内さん: はい。まずはスライドの説明をする前に、説明会そのものの変化を捉えておく必要があります。

オンライン化が加速したことで学生一人当たりの説明会参加者数は、コロナ禍がはじまった2021年卒と22年卒を比較しても2倍以上に増えているという調査データもあります。ここ数年の就活生は、過去のどの世代よりも多くの説明会に参加しており、「目が肥えている」状態にあるということです。

これまでであれば普通に学生の記憶に残せていた説明やスライドが、接触する社数が多くなることで埋もれてしまうという状況も生まれています。

学生の心に留まる説明会のレベルはかなり上がったと言えるでしょう。

― なるほど。その状況下では説明会で何を話すべきかから考えていく必要がありそうですね。


池内さん: そのとおりです。基本的には「説明会で何を伝えるべきか」を明確にするところからスタートすべきだと思います。

なんとなく会社の概要を話して、事業内容を紹介して、福利厚生と業務内容を話して…というスライドを長年使っていらっしゃるパターンもあると思いますが、学生の動きを予測し、説明会ではどんな情報を、どの程度伝えるべきなのか、というところから設計することをお勧めしますね。

また、社会の変化に伴って経営の方向性が変わっている企業もあるでしょう。こうした「今」をとらえた文脈を入れるべきかどうかも、検討してもいいかもしれません。

― 説明会で伝えるべきことを決める中で、説明会のスライドの役割もおのずと決まってくる、というわけですね。


池内さん: はい。さらに今のオンライン環境のことを考えるのであれば、WEB説明会では説明したことしか伝わりませんので、なおさらです。対面の会社説明会で学生が感じ取っていた社員の雰囲気や社風、社員同士の関係性などの情報が欠落するためです。

そういった非言語情報を含めて、数年前は対面であれば10点満点が取れていた説明会スライドも、オンライン環境で「目の肥えた」学生に見せると5点や6点しか取れない…ということはあると思います。

― 先ほどお話いただいたように、単に説明会のスライドを見直すのではなくて、説明会そのものを練り直すことが重要であることは分かります。その際のポイントはどのようなものでしょうか?


池内さん: 先ほどもお話ししたように、会社概要、事業内容、福利厚生、業務内容と進んで、先輩社員の1日を紹介する…という内容のスライドでは学生の心をつかむことは難しいと思います。

どの会社にもできることですし、採用サイトや就職情報サイトなどですでに見られる情報ですから、学生はすでに知っているということが多いんです。読んで分かるレベルの情報を、時間をかけて読み上げるような説明会は逆効果になる(学生の印象を下げる)事態を生みかねません。

学生が知りたいのは、その時、その場でしか得られない情報です。なので、自社の強みを明確化して、何を一番に伝えたいのか、何を覚えて帰ってほしいのかを考えることにフォーカスしてほしいですね。

そのために紹介すべき部署はどこか? 社内のどんなトピックを扱うと理解しやすいか? と考えていけば、おのずとスライド全体の構成が見えてくると思います。

― とはいえ、意外と自社の強みを認識するのは難しいものです。


池内さん: そうなんです。また、強みを認識してそこにフォーカスするというのは、「何かを伝えない」を選択することでもあります。それはもっと難しいですね。

どうしても、あれもこれもと伝えたくなってしまいますが、そこはぐっと我慢して「学生に今日どうしても持って帰ってほしい情報」にフォーカスしていただきたいです。

もちろん、マイナビとしても強みの分析をお手伝いさせていただいたり、過去のオンライン説明会で出た質問やコメントをもとに、出すべき情報の精査までサポートさせていただきますのでご相談いただければと思います。

― いま、スライドの内容についてお話を伺いましたが、オンラインという環境によって必要になった変更点などもありますか?


池内さん: そうですね。例えばマイナビのオンライン説明会システムでは、画面占有率がスライド8割、登壇者2割といった割り振りになっています。
つまり、学生にとっては実質的に「スライドしか見るものがない」わけです。
なので、単純にスライドの見栄えが悪いというだけで印象を下げてしまうこともあります。

さらに、先ほどもお伝えしたように、社風や社員の雰囲気といった非言語情報はほとんど伝わりませんので、例えばイメージ画像を多用するとか、動画を挿入するなどの工夫で、少しでもプラスアルファの雰囲気が伝わりやすい工夫が求められますね。

あとは、まず台本を作って「トークでカバーする部分」と「スライドで理解してもらう部分」を分けておくと、ただスライドを読み上げているだけの説明会になることを避けられますので、学生が飽きてしまうことを防げます。

― 以前にサポネットで取材した学生は、オンライン説明会はスクリーンショットを撮って復習しやすいものがいい、と評価していました。そういう視点にも対応するべきでしょうか。


池内さん: そうですね。もしかすると、これまでセオリーとされていた「1スライド・1センテンス」の法則も崩れているのかもしれません。スクリーンショットを撮って後から見直したときに、トークなしでも復習できる内容が求められていることも考えられます。

いずれにせよ、スクリーンショットまで撮ってもらえるのは企業側としてはありがたいですよね。

― 今日はありがとうございました!

池内の話にもあったように、オンライン説明会が増えたことで説明会の受講環境も大きく変わり、学生の見る目も厳しくなりました。思った以上に説明会を取り巻く環境が変わったと感じた方もいらっしゃったのではないでしょうか。

マイナビではスライドを含めた説明会全体の情報設計をサポートしています。フォーカスすべき強みやそのストーリーの伝え方、学生の声をもとにした設計はもちろん、台本やスライドのアウトプットまでをトータルにお手伝いできますので、ぜひご相談ください。

また、まずは自社で印象の良い説明会のスライドを整えたいという方にも、サポネット会員限定で説明会スライドのデザインフォーマットをダウンロードしていただけます。

\ダウンロードはこちら(会員限定)/

フォーマットの構成自体は一般的なものですが、ぜひ池内のアドバイスも踏まえて、自社の伝えたいこと・学生が知りたいことにフォーカスしたアレンジをしていただければと思います。
  • Organization HUMAN CAPITALサポネット編集部

    HUMAN CAPITALサポネット編集部

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  • 人材採用・育成 更新日:2022/08/31
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