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地元就職のためのインターンシップ・仕事体験を実施しよう

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まだまだ参加割合が低い地元就職のためのインターンシップ・仕事体験


マイナビ2026年卒大学生Uターン・地元就職に関する調査」によると、2026年卒の就活生が調査時点(2025年3月中旬~4月上旬)で、地元(Uターン含む)就職を希望する割合は56.4%で、前年より5.9pt減少しましたが、半数を大きく超える学生が依然として地元就職を希望している状況です。 一方、地元(Uターン先)就職のためにインターンシップ・仕事体験に参加したことがある割合は33.8%で、地元就職希望者の割合よりもかなり低いことがわかりました。また、参加社数の平均は1.4社でしたが、2026年卒の就活生が参加したインターンシップ・仕事体験の参加社数の平均が5.2社(広報活動開始前調査・2月上旬実施)であることを考えると、こちらもかなり少ないと言えます。つまり、地元就職のためのインターンシップ・仕事体験については、参加割合及び一人当たりの参加社数の両方でまだまだ増やせる余地があると考えられます。今回のコラムでは、この状況をさらに詳しく見ていき、そのあと実際に地元就職のためにインターンシップ・仕事体験に参加した学生の声から、実施にあたってのヒントを探したいと思います。

参加した学生の85.6%が「地元就職を意識するようになった」


まず、地元(Uターン先)就職のためにインターンシップ・仕事体験に参加してもらうメリットについて見ていきましょう。参加したことがある学生に、参加してみて、地元(Uターン含む)就職に対する考え方はどう変わったか聞いてみました。すると「強く地元就職を意識するようになった」は37.5%、「多少地元就職を意識するようになった」は48.1%で、合わせて85.6%の学生が地元就職を意識するようになったと回答しました。インターンシップ・仕事体験は、確実に地元就職促進に貢献できると言えるでしょう。

地元で参加しているのか、地元以外で参加しているのか


では、学生はこういった地元(Uターン先)就職のためのインターンシップ・仕事体験にどこで参加しているのでしょうか。そこで参加した学生1,104名に対し、どの都道府県で参加したかを複数選択で聞いてみました。そして、参加場所の都道府県がその学生の出身都道府県と同じか同じではないか、つまり、地元で参加しているか、地元以外で参加しているか(地元企業が、学生の現住地近くで実施した場合や、地元周辺の都道府県で実施した場合を含む)、について調べて集計してみました。すると、地元でインターンシップ・仕事体験に参加した学生は83.0%、地元以外でインターンシップ・仕事体験に参加した学生は31.7%でした。一部、両方に参加している学生がいるようですが、圧倒的に地元で参加する割合が高くなっています。 次に、この割合を、地元進学をした学生と地元外に進学した学生に分けて見ていきましょう。地元進学の学生については、地元でのインターンシップ・仕事体験参加率は94.0%、地元以外は19.8%と、ほとんどが地元で参加していました。一方、地元外進学の学生は、地元での参加率が69.1%、地元以外は46.9%でした。地元外進学の学生は現住地近隣などでUターン就職のためのインターンシップ・仕事体験に参加する機会は比較的少なく、地元に帰って参加することの方が多いことがわかりました。 ちなみにオンラインのインターンシップ・仕事体験の参加率についても見てみると、全体で16.9%、地元進学の学生が14.0%、地元外進学の学生が20.5%でした。オンラインについては、あまり参加する機会は多くないようです。

地元外進学学生のUターン就職のためのインターンシップ・仕事体験参加の困難


これらのことから考えるに、特に地元外進学の学生の方が、地元就職のためのインターンシップ・仕事体験に参加する上で、困難を抱えていることが明らかです。地元就職希望者を採用ターゲットとする企業は、彼らに配慮するため、学生の多い大都市圏でのインターンシップ・仕事体験実施を検討してみてはいかがでしょうか。あるいはオンラインのインターンシップ・仕事体験を実施するのもよいでしょう。また、人数を限定して地元へ帰るための交通費を出すことを検討してはいかがでしょうか。自由回答からは、地元への交通費が大きな負担になっているケースが見られるので、効果的だと考えられます。

地元就職のためのインターンシップ・仕事体験で重要なキーワードとは


では地元(Uターン先)就職のためのインターンシップ・仕事体験は、どういった要素が重要になるのでしょう。ここでは、学生の「地元就職のために参加したインターンシップ・仕事体験の感想」(自由回答)から考えていきたいと思います。集まった感想をテキスト分析にかけ、共起ネットワーク図を作成して、多く現れたキーワードとその関連について考察しました。

1)「地元」「地元で働く」「地元に貢献」


地元就職のために参加したインターンシップ・仕事体験の感想/マイナビ2026年卒大学生Uターン・地元就職に関する調査
「地元就職のために参加したインターンシップ・仕事体験の感想」についてテキスト分析を行ったところ、最も多く上がった単語は「地元」でした。「地元」を含む感想を見ていくと「地元で働く」「地元に貢献」といった表現が多く見られました。つまり、「インターンシップ・仕事体験」の中で、「地元の良さ」や「地元で働くメリット」などを感じさせることで好印象を得られることが分かります。特にその職場で働くことが「地元に貢献」することにつながる要素があれば、強く印象に残るでしょう。

2)「業務内容」「仕事内容」「職場の雰囲気」


地元就職のために参加したインターンシップ・仕事体験の感想/マイナビ2026年卒大学生Uターン・地元就職に関する調査
「インターンシップ・仕事体験」の最大の目的のひとつは「仕事内容・業務内容の理解」ですが、それに成功したケースはやはり学生に高評価でした。仕事体験としての原点に立ち返り、仕事理解を促すプログラムをしっかりと用意することが大切でしょう。合わせて「職場の雰囲気」が感じられることを求める学生も多いようです。仕事体験を職場の中で行ったり、普段通りの職場を見学させたりできればよいですが、社員と話す機会を作ることも職場の雰囲気を感じ取るために効果的だと言えます。

3)「働くイメージ」


地元就職のために参加したインターンシップ・仕事体験の感想/マイナビ2026年卒大学生Uターン・地元就職に関する調査
前項の感想の中にも出てきましたが「イメージ」という単語も多く見られました。特に印象がよいのは、インターンシップ・仕事体験を通して「働くイメージ」を持つことができた場合のようです。それにはもちろん「実際の仕事を体験できる」プログラムが理想的ですが、社員との座談会や、普段通りの職場を見学させることでも「働くイメージ」を持たせることが可能なようです。
ここまで見てきたように、地元就職、Uターン就職を促すためには、インターンシップ・仕事体験の機会を増やすことが有効であり、その余地は十分にあると考えられます。本記事がそのための一助になることを願っております。
  • Organization 株式会社マイナビ 社長室 キャリアリサーチ統括部

    株式会社マイナビ 社長室 キャリアリサーチ統括部

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  • 調査・データ 更新日:2025/06/23
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