地元就職のためのインターンシップ・仕事体験を実施しよう
まだまだ参加割合が低い地元就職のためのインターンシップ・仕事体験
「マイナビ2026年卒大学生Uターン・地元就職に関する調査」によると、2026年卒の就活生が調査時点(2025年3月中旬~4月上旬)で、地元(Uターン含む)就職を希望する割合は56.4%で、前年より5.9pt減少しましたが、半数を大きく超える学生が依然として地元就職を希望している状況です。 一方、地元(Uターン先)就職のためにインターンシップ・仕事体験に参加したことがある割合は33.8%で、地元就職希望者の割合よりもかなり低いことがわかりました。また、参加社数の平均は1.4社でしたが、2026年卒の就活生が参加したインターンシップ・仕事体験の参加社数の平均が5.2社(広報活動開始前調査・2月上旬実施)であることを考えると、こちらもかなり少ないと言えます。つまり、地元就職のためのインターンシップ・仕事体験については、参加割合及び一人当たりの参加社数の両方でまだまだ増やせる余地があると考えられます。今回のコラムでは、この状況をさらに詳しく見ていき、そのあと実際に地元就職のためにインターンシップ・仕事体験に参加した学生の声から、実施にあたってのヒントを探したいと思います。
地元で参加しているのか、地元以外で参加しているのか
では、学生はこういった地元(Uターン先)就職のためのインターンシップ・仕事体験にどこで参加しているのでしょうか。そこで参加した学生1,104名に対し、どの都道府県で参加したかを複数選択で聞いてみました。そして、参加場所の都道府県がその学生の出身都道府県と同じか同じではないか、つまり、地元で参加しているか、地元以外で参加しているか(地元企業が、学生の現住地近くで実施した場合や、地元周辺の都道府県で実施した場合を含む)、について調べて集計してみました。すると、地元でインターンシップ・仕事体験に参加した学生は83.0%、地元以外でインターンシップ・仕事体験に参加した学生は31.7%でした。一部、両方に参加している学生がいるようですが、圧倒的に地元で参加する割合が高くなっています。 次に、この割合を、地元進学をした学生と地元外に進学した学生に分けて見ていきましょう。地元進学の学生については、地元でのインターンシップ・仕事体験参加率は94.0%、地元以外は19.8%と、ほとんどが地元で参加していました。一方、地元外進学の学生は、地元での参加率が69.1%、地元以外は46.9%でした。地元外進学の学生は現住地近隣などでUターン就職のためのインターンシップ・仕事体験に参加する機会は比較的少なく、地元に帰って参加することの方が多いことがわかりました。 ちなみにオンラインのインターンシップ・仕事体験の参加率についても見てみると、全体で16.9%、地元進学の学生が14.0%、地元外進学の学生が20.5%でした。オンラインについては、あまり参加する機会は多くないようです。
地元外進学学生のUターン就職のためのインターンシップ・仕事体験参加の困難
これらのことから考えるに、特に地元外進学の学生の方が、地元就職のためのインターンシップ・仕事体験に参加する上で、困難を抱えていることが明らかです。地元就職希望者を採用ターゲットとする企業は、彼らに配慮するため、学生の多い大都市圏でのインターンシップ・仕事体験実施を検討してみてはいかがでしょうか。あるいはオンラインのインターンシップ・仕事体験を実施するのもよいでしょう。また、人数を限定して地元へ帰るための交通費を出すことを検討してはいかがでしょうか。自由回答からは、地元への交通費が大きな負担になっているケースが見られるので、効果的だと考えられます。
- 調査・データ 更新日:2025/06/23
-
いま注目のテーマ
-
-
タグ
-