企業から交通費や宿泊費を支給されたことのある学生は約7割/2025年卒 学生就職モニター調査 6月の活動状況
学生の企業選びのポイントは「福利厚生制度が充実している(40.9%)」が最多
企業を選ぶときに注目することについて、20項目のうち3つを聞くと、「福利厚生制度が充実している(40.9%、前年比2.8pt増)」が最も多かった。一方、最も低かったのは「SDGsに熱心に取り組んでいる(1.0%、前年比0.2pt増)」で、企業のSDGsに対する取り組みは、就職先選びにおいては福利厚生や給与など、自身の生活に直結する項目に比べ優先されにくい傾向がみられた。
SDGsの目標のひとつである「つくる責任 つかう責任」の達成に向け、消費者庁などを中心に「エシカル消費」の普及・啓発の取り組みがなされている。こうしたことから、近年エシカルな取り組みを行う企業が増えていることを踏まえ、企業選びの際にエシカルな活動について注目しているか聞いたところ、「注目していない」が47.4%となった。一方で「地方創生(16.3%)」「省エネや再生可能エネルギーの利用(15.7%)」など、注目する項目を回答した合計は52.6%となり、約半数の学生がエシカルな活動に注目しているが、企業選びの条件としては優先度が低いことがわかった。【図1、2】
企業から交通費や宿泊費を支給されたことのある学生は約7割
合計支給額の平均は43,031円
6月までにかかった就活費用の累計額は27,971円、前年同月比で2,963円少なくなり、2年連続で減少した。地域別でみると「関東」が17,774円で最も少なく、いずれの地域でも金額は減少している。応募した企業から交通費や宿泊費を支給されたことのある割合は67.9%と前年から8.5pt増加、平均合計支給額の平均も43,031円と、前年から3,572円増加し、1人当たりの学生の就活費負担は軽減していることがわかった。選考時期や面接形式など就活活動を取り巻く環境の変化が影響していると考えられる。【図3、4、5】
理系学生の推薦状提出経験は減少傾向
入社先が決まっている理系学生は89.6%が自由応募
理系学生の推薦状の提出経験が減少傾向にある。17年卒は全体で32.3%だったが、25年卒では17.0%と、8年間で15.3pt減少した。入社予定先が決定している学生に、その企業に応募した方法を聞くと、89.6%が自由応募となった。就職問題懇談会で、学校推薦は卒業・修了年度の6月1日以降とすることが要請されているが、現時点で入社予定先を決定している理系学生のうち9割は5月以前に入社予定先から内々定を得ているのが実態だ。志望度の高い企業であっても推薦状の発行が可能なタイミングに先駆けて選考がスタートしてしまい、推薦を利用しない学生が増えていることが考えられる。【図6、7、8】
面接を通じて志望度が高まった学生が増加
一方録画形式の面接は約8割が「苦手」
面接を受けたことでその企業に対する志望度が上がった理由を聞くと、対面形式の面接・ライブ形式のWEB面接ともに、「話をしっかり(頷くなどして)聞いてくれた」「リラックスできる環境を整えてくれた」「面接中に褒めてもらえた」の順の回答で、いずれも回答率が増加していた。「志望度が上がったことはない」は対面式では22.9%(対前年17.7pt減)、ライブ形式では34.9%(対前年18.0pt減)で、いずれも昨年から回答率が減少しており、面接を通じて志望度が上がった学生が多いことが分かる。
面接が得意かを形式別に聞くと、録画形式の面接を「苦手(+どちらかと言えば)」と回答した割合が80.7%(対前年2.0pt減)となり、対面式、ライブ式と比較しても特に多かった。特に録画形式について苦手だと感じる点を聞くと、「うまくいったかどうかの手ごたえがない(55.5%)」の回答が最も多く、その他「相手の反応に合わせて話すことができない(44.7%)」「相手がいない状況でひとりで話すのが苦手(40.2%)」など、面接の相手を意識した回答があがった。
面接を通じて学生の志望度を引き上げるには、学生と面接官との相互のコミュニケーションが必要な要素の一つとなるようだ。【図9,10,11】
- 調査・データ 更新日:2024/07/25
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