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入社前の土台作りがカギ!入社半年後社員の”成長”のリアル

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以前のコラム(※1)で、学生(新入社員)の活躍意欲や成長スピードをテーマにお話しました。入社何年目くらいまでに活躍したいかは個人によって差があるため、学生側・企業側それぞれの期待する成長スピードにズレが無いよう、事前のすり合わせが必要であるという内容です。
今回は実際に入社して半年が経過した23年卒新社会人への調査をもとに、彼らが自身の成長についてどう感じているのか、好事例だけでなく残念な事例も含めて、新卒1年目社員の”成長”のリアルについて深掘りしていきたいと思います。
※1「社会人として活躍するまでには〇年かかる」Z世代就活生のイメージは? 新入社員の定着に欠かせない「成長実感」を高めるために
採用担当の方々の中には、内定者学生が新入社員として入社して以降は接点がなく、その後の成長までは意識していなかった、という方もいらっしゃるかもしれません。入社後の研修やOJTによって彼らは成長していくのだから入社前にできることはない、と思ってしまいがちですが、実は入社前に成長のための土台作りをしておくことが、入社後の成長を左右するポイントになるのです。まずはなぜ彼らのその後の成長実感が大切かということについて、「入社後の満足度」「定着」の2点に注目してみたいと思います。
マイナビが2023年卒の新入社員を対象に行った入社半年後調査では、成長実感について、入社していたときに想定していた「半年後の自分」と比べて成長できていると感じるかを5段階で聞いています。これを入社後現在の勤務先の総合満足度と比較すると、成長できていないと感じている人ほど、総合満足度も低いという結果となりました。【図1】また、この満足度が低い層は転職意向が高いという結果も出ています。【図2】
苦労して採用したのですから、新入社員にはすぐに転職することなく、定着して長く活躍してほしいですよね。当たり前のことのようではありますが、新入社員の「定着」のためには「入社後の満足度」が、「入社後の満足度」には「成長実感」が重要そうだということがお分かりいただけるかと思います。
【図1】現在の勤務先の総合満足度(成長実感の回答別)/マイナビ 2023年卒 入社半年後調査より作成

【図2】入社半年後現在の勤務先の総合満足度別の転職意向/マイナビ 2023年卒 入社半年後調査

では、成長実感がある・ないの違いは、具体的にどこにあるのでしょうか。本調査では、成長実感の有無の理由についても聞いています。
とても成長できている/やや成長できていると回答した<成長実感がある層>では以下のような回答がありました。(表1)特に多かったのは、「自身のスキルや能力の向上」についてです。できなかったことができる、学びが多い、研修、専門性が身に着く、資格取得、といった回答は、”成長”というワードからも連想しやすいものではないでしょうか。また、自分ひとりに任される、担当の客、などの「責任を負う」ことについての意見も目立ちます。「自身のスキルや能力の向上」ができ、適度に「責任を負う」状況が、成長実感に繋がると考えられそうです。
また中には配属が良い、といった回答もありました。配属についての納得感から、高いモチベーションで仕事に向き合えることが、成長につながるということもあるのかもしれません。
【表1】<成長実感がある層>の理由/マイナビ 2023年卒 入社半年後調査より作成

次に、全く成長できていない/あまり成長できていない/どちらともいえないと回答した<成長実感がない層>の回答も見てみましょう。(表2)
特に多かったのは、職場環境や配属先、職種について、「希望や想像と違った」という回答です。特に入社するまで配属先や職種が分からない総合職などは、事前の期待値調整ができていないと、このようなケースに陥りがちです。置かれた場所で咲く、というタイプの人も中にはいるかもしれませんが、希望していなかった仕事に高いモチベーションを維持するのは難しいものです。また採用部門と配属先とで連携が取れていない場合には、就活時に聞いていた話と違う!といったネガティブなギャップを生み出しかねません。このように「希望や想像と違った」というショックは、成長のためのモチベーションを削ぐ要因となりえるでしょう。
また、全員が日々苦しい、といった「ブラックな職場環境」を想起させる回答もある反面、仕事を与えられない、簡単な業務、など、近年問題視されるようになった「ゆるブラック(※2)な職場環境」について言及されているものもありました。以前のコラムで成長スピードはゆるくてもキツくてもいけないということをお伝えしましたが、実際の回答理由としても、ゆるすぎる・キツすぎることが思うように成長できていない理由として多く上がりました。
※2「ゆるブラック」については以下の詳細なコラムがございますのでご参照ください。
若手社員の「ゆるブラック」という感覚の裏側にあるもの
【表2】<成長実感がない層>の理由/マイナビ 2023年卒 入社半年後調査より作成

成長実感がある層とない層の回答を比較すると、「配属先や職種、環境に対する納得感」がその後の成長に特に影響しそうだと言えます。成長実感がない層の理由として「希望や想像と違った」ことが多く上がり、一方で成長実感がある層の理由では、「配属が良い」といった納得感をもっていることを感じさせる回答がありました。以前のコラムで成長スピードのすり合わせが大切だというお話をしましたが、成長スピードだけではなく、配属や職種、環境等、入社前にさまざまな面ですり合わせを行うことで、ミスマッチの予防になります。
新入社員の成長実感というと入社後のことなので、研修やOJTが重要で、入社前にできることはないと思ってしまいがちです。しかし、入社後のミスマッチによって成長のためのモチベーションを削がないということ、つまり入社前の土台作りがカギとなります。今年採用した学生が入社後に成長して生き生きと働くためには、まもなく採用活動が本格化する今こそが、土台作りの最初のタイミングかもしれません。
ここまで、新入社員の成長のためには入社前の土台作りが重要であることをお伝えしてきました。さいごにその土台作りとはどのようなことをすればよいのか、対学生・対社内の2方向についてお話します。
対学生としては、内定前後で面談や懇親会を実施されることが多いのではないでしょうか。その際、学生が希望する職種や勤務地、働き方などについて、本人の口から語ってもらいましょう。説明会や面接で話していても、一方的に伝えただけという場合には注意が必要です。学生の希望と相違がないか、また希望通りにならない可能性がある場合にはそのことをきちんと伝え、前述のようなすり合わせができるとベストです。
対社内としては、配属前に採用部門と配属先との間で、申し送りや引継ぎなどもあるかと思います。その内容として、面接の結果や能力、スキルだけでなく、彼らがどのような希望を持っているかについてもぜひお伝えいただければと思います。特に学生の希望とのギャップが大きい場合に、フォローに役立つ情報となるのではないでしょうか。また採用部門として今回の調査結果を活用いただくだけでなく、配属先にも共有いただくことで、さらに定着につながるような現場の気づきを生み出せるかもしれません。
  • Organization 株式会社マイナビ 社長室 HRリサーチ統括部

    株式会社マイナビ 社長室 HRリサーチ統括部

    雇用や労働に関連する様々な調査データやレポートを通じて、雇用の在り方や個人のキャリアを考える上で役立つ情報を発信します。

  • 人材採用・育成 更新日:2024/01/30
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