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定番外の質問を用いた中途採用者の見極めポイント (中途採用・面接官講座 第6回)

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転職面接では、職務経験、自己PRといった定番質問で求めている人材と合致しているか見極めますが、組織適応力やストレス耐性などに問題があれば、戦力になる人材とは言えません。定番質問以外の質問は、応募者が予め用意してきた回答ではないため、瞬時に自分の言葉で回答する必要があり、より本質を見極めることができます。応募者の本質の言葉を引き出すために、定番質問以外の質問を投げかけてみてください。

適応力を見極める質問

面接官の質問例

「人間関係で困ったことがありますか?」

回答例

年代を問わず良好な人間関係を構築できますが、前職で年齢が上の方が部下となり最初はやや戸惑いました。経験を尊重しながらこちらから積極的に話をすることで次第に打ち解けることができました。 この経験から先入観を持たず接することの大切さを学びました。

回答に対しての見極め質問例

「年齢差は何歳だったのですか?」

回答に対しての見極め方

回答に興味を示しながら回答の信憑性を確かめます。

正解はないものの、困ったことがないという回答では、信憑性に欠けるもしくは人間関係を重視していない可能性があります。逆に困ったことを長々と回答する応募者は、物事をネガティブに捉える性格かもしれません。困った原因だけでなく、その経験を今後にどう活かせるかまで回答できる応募者であれば見込みがあります。

適応力を見極める質問2

面接官の質問例

「仕事上で嫌いなタイプはどんな人ですか?」

回答例

時間を守らない方とは、仕事が難しいかもしれません。事前に連絡や相談をしてくれる方は問題ありませんが、時間を守らないことを何とも思っていないようでは、良い仕事ができません。

回答に対しての見極め質問例

「当社に入社して時間を守らない社員がいたらどうしますか?」

回答に対しての見極め方

回答内容だけでなく応募者の表情の変化をチェックしてください。険しい表情になるようでは適応力に問題があるかもしれません。

いきなりこの質問をされると応募者の多くが戸惑いますが、仕事に問題意識を持って取り組んでいる人であれば回答できる質問です。仕事上であれば嫌いなタイプを除外するのではなくどのように付き合っているのかという点まで確認します。

責任感を見極める質問

面接官の質問例

「前職で失敗したことをお聞かせください。」

回答例

発注ミスをおこない納期に間に合わない状況になったのですが、他部署の協力を得て何とか乗り切ることができました。この経験以降2重にチェックをおこなうように改め、ミスがなくなりました。

回答に対しての見極め質問例

「2重チェックについて具体的にどのようにおこなったのですか?」

回答に対しての見極め方

さらに突っ込んだ質問をすることで仕事のスキルを見極めます。

応募者は自分をアピールすることに集中しています。失敗事例から何を学んだか、さらに回答内容から失敗を責任転嫁していないかを見極めます。失敗したことがないという応募者は、自己顕示欲が強い可能性があります。

責任感を見極める質問2

面接官の質問例

「業績不振を打破するために何をしましたか?」

回答例

過去5年間の見込み客リストに対して再度営業をおこないましたが、競合他社の価格設定に打ち勝つことができませんでした。

回答に対しての見極め質問例

「その経験から今後に活かせることがありますか?」

回答に対しての見極め方

商品や価格に問題を転嫁していないか見極めます。

業績不振で前職を辞めたと回答する応募者がいますが、業績不振を打破するためにおこなったことを質問してみてください。中堅社員で経営者が悪い、上司が悪いという回答だけでは、責任感がない応募者かもしれません。打破するために努力したことやその経験から得たことなどを回答できる応募者であれば自社で活躍が期待できます。

ストレス耐性を見極める質問

面接官の質問例

「退職してから随分ブランク期間がありますね?」

回答例

前職退職後1年間のブランク期間がありますが、前職で自己啓発する時間がなかったため語学スキルの向上に努めました。

回答に対しての見極め質問例

「具体的な語学レベルについてお話ください。」

回答に対しての見極め方

回答とスキルの信憑性を確認します。ストレス耐性を見抜く質問は、厳しい指摘をして応募者の回答内容だけでなく、表情や態度を見極める必要があります。

ブランク期間が6ヶ月以上であれば、この質問をおこなってください。自己啓発してきたという回答であれば、自社で活かせるものか考えてみましょう。関連しない自己啓発であれば、自社が第一志望ではない可能性があります。資格取得のためのブランク期間で資格が取れていない場合は、今後も資格取得のために勉強を続けることで業務に支障を与える可能性があります。

ストレス耐性を見極める質問2

面接官の質問例

「転職回数が多いですね。」

回答例

確かにこれまで4社を経験したのは、多いと思われるかもしれませんが、法人営業、個人営業を経験でき、人脈を広げることができました。今後はこれまでの経験を活かしてじっくり仕事をしていきます。

回答に対しての見極め質問例

「当社に入社してすぐ辞めるようなことはありませんね。」

回答に対しての見極め方

やや厳しい質問をして応募者の表情の変化をチェックします。

この質問をして面接官に反感を抱くような表情をすれば、ストレス耐性に問題があるかもしれません。
転職を繰り返したことに一貫性を見出せるか、さらに今後についてどのように考えているかを確認します。転職回数を必要以上に気にしている応募者は、弱気な性格で前向きに捉えられない応募者かもしれません。

その他の質問

「当社に入社できなかったらどうしますか?」

問題改善能力、リスク管理能力について見極めます。

「管理職として何を重視していますか?」

マネジメント経験の信憑性を見極めます。

定番質問以外の質問は、定番質問で得た回答や表情、態度から抱いた疑問を確認するためにおこなってください。切口を変えた定番質問以外の質問をおこなうことで、応募者の本質が見極められます。

次回は、中途採用面接時の「年代別見極めポイント」についてお伝えします。

  • 人材採用・育成 更新日:2015/05/11
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