履歴書・職務経歴書の見極めポイント (中途採用・面接官講座 第3回)
面接では、履歴書、職務経歴書に記載されている内容をベースに質問をおこないますが、履歴書、職務経歴書を的確に読み取れなければ、採用後ミスマッチングが起きます。特に転職面接では、これまでの職務経験と自社が求めている職務との関連性を見極めることが大切です。学歴が優秀でも自社で活かせるスキルや経験がなければ、育成に時間を要します。
採用されたい一心で、採用に不利になる内容は記載しない応募者がいます。偽りの内容を記載するのは許されることではありませんが、書く、書かないは自由だと捉えているのです。短期間勤務した企業を書かずに内定をもらい、内定取り消しになるのではと不安になっている内定者もいます。
後日判明記載していない勤務先が判明しても、「短期間だから企業名を書かなかった」あるいは「質問をされなかったから伝えなかった」と言い訳をする可能性がありますので、6ヶ月以上のブランク期間については、面接で確認をしてください。
面接官は、提出された書類の信憑性を面接で確認する必要があります。
応募者のなかには、求められている職務に対してそれほど経験がないのに強調して記載していることがありますが、面接で具体的な実務内容について質問をおこない信憑性を確認してください。
一方、応募者が重視していない職務経歴でも、自社で活かせるケースがありますので、注意深く読み取り、活かせる経験であれば詳しく話すよう促します。
履歴書の見極めポイントは、仕事の姿勢と入社意欲
最近は、PCで作成した履歴書を提出する応募者も増えていますが、手書きの履歴書であれば、字の上手い下手ではなく、丁寧に記載しているかチェックしてください。住所が都道府県から記載されていない、あるいは会社名が(株)など省略して書かれている場合、仕事の丁寧さに問題があるか、多くの企業のなかの1社であり入社意欲がそれほど高くはないことが予測できます。市販の履歴書フォームと異なるオリジナルの履歴書を提出する応募者は、記載したくない部分を省略している可能性があります。
自社の職務と関連しない資格が多く記載されていたら、自社の職務が本来就きたい職種ではない可能性があります。また志望動機がどの企業でも該当するような曖昧なものであれば、第一志望ではなく手を抜いているのかもしれません。
生年から、入学、卒業などの年月が正解に記載されているか確認をしてください。間違っている場合は、面接で指摘をしたうえで、どのような対応を取るか見極めてみましょう。問題改善能力がある応募者は、速やかに再提出する意志を示します。
- 丁寧な字で記載されているか。
- 正式文書の認識を持ち、略字を使用していないか。
- 意欲を感じさせる写真か。
- 募集職種に関連する資格か。
- これまでの転職に一貫性があるか。
- 志望動機が自社に向けられたものか。
職務経歴書の見極めポイントは、求めている職務とのマッチング
特に指定をしない場合、職務経歴書の書き方は自由ですが、経歴を羅列しているだけの応募者は、自社で求めている職務を想定していないかもしれません。評価できる職務経歴書は、これまでの職務経験から自社で活かせる経験を強調し、自己PRなどで発揮できる職務能力を明確に記載しています。
フォームが決まっていないが故に、熱意を示そうと長文で記載している職務経歴書がありますが、このような応募者は、意欲はあるものの、読み手の立場を考えない自己中心的な性格の可能性があります。
理想的な職務経歴書は、枚数は多くても3枚程度に纏め、見出しをつけて自社で発揮できる能力がイメージしやすく記載されています。前職の企業名や規模に惑わされず、面接で求めている職務能力と合致する点について質問をして、実績や信憑性を確認してください。
未経験の応募者に対しては、これまでの経験で汎用できるスキルや知識について応募者が把握し記載しているか、職務経歴書から読み取る必要があります。
- 自社で活かせる職務経験を強調しているか。
- 読み手の立場になり読みやすさを意識しているか。
- 実績や評価が記載されており信憑性があるか。
- 自己PRなどから、自社でやるべきことを把握しているか。
- マネジメント経験について部下の人数など記載されているか。
- 転職理由は、納得できるものか。
履歴書、職務経歴書の記載内容を鋭く読み取り、自社が求めている人材と合致するか見極めたうえで、疑問点があればそのまま放置せず面接で確認をしてください。
次回は、中途採用面接で「態度や癖」から求職者を見極めるポイントをお伝えします。
- 人材採用・育成 更新日:2015/03/09
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