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定番質問を用いた応募者を見極めポイント (中途採用・面接官講座 第5回)

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今回は、職務経験、退職理由、志望動機、自己PRといった定番質問の回答の見極め方について考えてみましょう。応募者の多くが定番質問について、予め回答を用意してきます。用意してくることは問題ないのですが、面接官は回答の信憑性を見極めなければいけません。

そのためには、応募者の回答に興味を持ちさらに質問を投げかけて言葉のキャッチボールをおこなってください。応募者は、面接官が回答に興味を持ってくれていると感じると、信頼できる面接官だと考え本音で話しをするようになります。応募者が回答しやすい状況を意識して、面接を進めてください。

定番質問の質問例、回答例、見極め方について考えてみましょう。

職務経験についての質問例

投げかける質問例

「これまでのお仕事についてお話ください。」
「自己紹介をお願いします。」

自社が求めている職務を理解したうえで回答しているかがポイントとなります。経歴をただ述べるだけでは、自社で発揮できる能力を把握していない可能性があります。アピールしている実績や評価が求めている職務で戦力になるか、応募者が業務の差を理解しているか見極めてください。

応募者の回答例

大学卒業後○○株式会社に入社し、6年間経理職に従事し売掛金、買掛金、請求書発行などの月次処理及び決算に伴う資料作成をおこなっています。月次資料においては、業務の各部署との連携を強化し効率化を図った結果、それまでより2日間短縮して作成することができました。昨年より主任として部下の指導育成もおこなっています。

回答に対しての見極め質問例

「効率化についてもう少し詳しくお話ください。」
「指導育成で心がけていることを教えてください。」

回答者の真意が丸裸になる回答例を追加すると良いでしょう。具体的な経験や考え方を確認することで、回答の信憑性が見極められます。

退職理由についての質問例

投げかける質問例

「退職理由をお聞かせください。」
「どうして転職したいのですか?」

前職が嫌だからという理由だけで転職を考えていないか、確認をする必要があります。

  • 同職種の場合
    前職と自社との違いを把握しているかどうかを確認してください。
  • 会社都合で退職している場合
    具体的な理由を確認してください。
  • 業績不振を理由にしている場合
    応募者が不振を打破するためにおこなったことを質問
  • 転職を繰り返している場合
    定着しない可能性がありますので、理由が納得できるものか判断してください
  • 前職の批判を長々と語る応募者
    自社でも同様の問題を引き起こす可能性がありますので、注意が必要です

応募者の回答例

社外向けのウェブデザインの制作を行っていますが、制作から管理まで一貫した仕事がおこないたいと考えていましたところ、御社のウェブ管理者募集の求人を拝見し、これまでの経験を活かして戦力になれると考え転職を決意しました。

回答に対しての見極め質問例

回答者の真意が丸裸になる回答例を追加してください

「管理業務の経験はありますか?」
「在職中ですがいつから入社できますか」

憧れだけで応募していないか、さらに在職中であれば入社時期を確認します。

志望動機についての質問例

投げかける質問例

「志望動機をお話ください。」
「同業他社のなかで、なぜ当社を志望するのですか?」

志望動機の回答から、自社でやるべきことを認識しているか、さらになぜ自社なのかを確認する必要があります。やりたいことと求めている職務が違えば、ミスマッチングが生じます。また自社への思いだけが強い応募者は、期待が強いだけに入社後落胆するケースもありますので、自社の実情をきちんと説明すべきです。回答に正解はないものの、志望動機の回答から、職務能力と入社意欲を見極めることができます。

応募者の回答例

前職では総務職として社内報の編集に携わりましたが、編集職に携わりたいと考え1年前から休日を利用して専門学校で編集の勉強をしてきました。御社の求人を拝見し「固定概念に捉われない自由な書籍づくり」という言葉に大変共感し、ぜひ御社で編集職として戦力になりたいと考え志望しました。

回答に対しての見極め質問例

回答者の真意が丸裸になる回答例を追加してください

「専門学校でどのようなことを学びましたか?」
「どうして編集職に携わりたいと考えたのですか?」

自己啓発の内容からスキルを判断し、就きたい理由から本気度を見極めます。

自己PRについての質問例

投げかける質問例

「自己PRをしてください。」
「自社で発揮できる能力をお話ください。」

実務面で発揮できる能力を把握しているか、見極めてください。抽象的な回答や学生時代の自己PRであれば、求めている職務を把握していない可能性があります。
長々とまとまりがなく回答する応募者は、自己主張が強いもしくはプレゼン能力が劣っている可能性があります。短期間で戦力になる人材かどうかを、自己PRの回答からチェックします。

応募者の回答例

大学目標達成能力があります。前職では不動産営業職として3期売上目標を達成しました。営業職としてお客様のご要望を把握したうえで、期待以上のご提案やサービスができるよう心がけてきました。その結果既存のお客様からのご紹介もあり目標を達成できました。これまでの経験を活かして御社においても目標を達成できるよう頑張ります。

回答に対しての見極め質問例

回答者の真意が丸裸になる回答例を追加してください

「期待以上の提案やサービスについてもう少し具体的にお話ください。」
「当社においてすぐに実践できることは何ですか」

具体的な経験から信憑性を判断し、さらに自己PRの内容を自社でどう活かせるか見極めます。

定番質問から自社で戦力になり定着する人材かイメージします。そして定番質問で抱いたイメージが間違っていないか確信を得るために、定番質問以外の質問を行う事で人物を立体的に評価することができます。

次回は中途採用面接時の「定番外の質問を用いた中途採用者の見極めポイント」をお伝えします。

  • 人材採用・育成 更新日:2015/04/06
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