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25年卒からの「インターンシップ」定義改正、現時点での状況は?

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本サイトでも紹介されていますが、25年卒からインターンシップの定義が改正されました。(詳しくは「三省合意改正で何が変わった?2025年卒からの「インターンシップ」とは」 をご覧ください。)

産学協議会が作成したパンフレットによると『「就社」から「就職」へ、多様性や専門性が重視されるなか、転職や起業も一般的になることが想定され、社会人には、自らのキャリアを自律的にデザインする能力の向上が欠かせないこと、そのために、学生時代の早い段階から、主体的に自らのキャリア形成について、考えることが重要である。』と記載されています。こうした、学生のキャリア形成を支援する活動として重要な位置づけにあるインターンシップの定義を改正し、「インターンシップでは学生は企業の実務を必ず体験する」ということになりました。

しかしながら、同パンフレットにも明記されていますが、「インターンシップ」以外のキャリア形成活動にも参加する意味はあります。学生のなかには「これまでにキャリア形成のことを深く考えたことがない」「何からしていいかわからない」という方も少なくありません。そういう方の場合は、いきなり「インターンシップ」に参加するのではなく、その前の段階でキャリア観や職業観を醸成する必要があるかもしれません。今回の改正では、それぞれのプログラムの特徴によって分類を明確にしましたが、そのことで、学生も自分の状況にあったプログラムを選択しやすくなったのではないでしょうか。

前置きが長くなりましたが、本コラムでは、25年卒向けに実施されているインターンシップ・仕事体験などのキャリア形成活動がどのように実施されているのか、学生の参加状況とあわせてご紹介していきます。
新卒採用を行う企業に、25年卒を対象としたインターンシップ・仕事体験の実施予定を聞いたところ63.6%が実施すると回答しました。【図1】さらに、どのようなタイプを実施する予定かについては、「タイプ1:オープン・カンパニー」が最多で61.6%となった一方で、「タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ」を実施するとの回答は29.9%でした。【図2】インターンシップ・仕事体験を実施する企業のうち、タイプ3を実施する予定なのは3社に1社程度という結果です 。
「2024年卒企業新卒採用活動調査(6月)」

「2024年卒企業新卒採用活動調査(6月)」

インターンシップ・仕事体験の実施については、「日数が5日以上ある」取り組みについて「実施したいが、難しいと思う」という声も多く、「タイプ3」には該当しないキャリア形成活動も含めて実施を予定している企業が多いようです。【図3 】
「2024年卒企業新卒採用活動調査(2023年6月)」

次に学生の参加状況について確認します。まず、インターンシップ・仕事体験への参加状況です。単月での参加割合は6月、7月ともに前年並みの結果でしたが【図4】、「これまでに参加したことのある割合(累計割合)」については、6月時点で39.8%と前年を10.9pt上回っていました。インターンシップ・仕事体験への関心が高まり、6月よりも前から積極的に参加したことのある人が増えていると考えられます。【図5】
「マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(2023年7月)」

さらに、オープン・カンパニーなどを加えたキャリア形成活動全般に関しての参加割合については、6月時点で47.4%、7月で59.4%と、インターンシップ・仕事体験の参加割合よりも高くなっており、幅広いキャリア形成活動を行っている様子がうかがえます。【図6】キャリア形成活動の内容については「オープン・カンパニー型」が最多で7割を超えています。【図7】 さきほど、【図2】でみた企業側の実施状況を踏まえると、企業側が提供しているプログラムが多いために、学生の参加割合も高くなっていると考えられます 。
「マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(2023年7月)」

一方、学生に今後どのような方針で参加していきたいかについて聞いたところ、「期間が短い(2~3日程度)就業体験のあるプログラムを中心に参加していきたい」が最多で31.4%、ついで「いろんなタイプのプログラムにまんべんなく参加していきたい」が16.0%となりました。理系学生だけに限定すると、最多の項目は全体と同じですが、2番目に多かったのは「期間が長い(5日以上)就業体験のあるプログラムを中心に参加していきたい(19.0%)」となっており、学生が就業体験を行いたいと考えていることがわかります。【図8 】
「マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(2023年6月)」

また、タイプ3,4といったインターンシップに参加した際の情報が採用選考に利用されるようなプログラムへの参加についても、8割近く学生が「参加したい」と回答しています。【図9】ただし、参加したいという回答のなかで一番多かったのは「自信がついてから参加したい」で42.7%でした。
「マイナビ2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(2023年6月)」

インターンシップの定義が改正された1年目ということもあり、25年卒の学生にとっては前例がなく戸惑うこともあるかもしれません。しかし、大切なのはプログラムの分類ではなく、学生がどのような経験をし、自身のキャリア観や職業観が醸成されたか、という点であることに変わりはありません。今回の改正によって、これまでは「インターンシップ・仕事体験」とまとめられていたプログラムが、その内容や実施期間などによって分類され、より学生が自分にあったプログラムを選択しやすくなりました。学生の皆さんには「周りの学生がこうしているから」というのではなく、自分の状況にあわせて、参加するプログラムを選んでいただきたいと思います。また、プログラムを提供する企業の方々においては、より一層、どのようなプログラムを実施するかが問われるようになり、難しさを感じられている方も多いかもしれません。マイナビでは、「学生が選ぶキャリアデザインプログラムアワード(旧・インターンシップアワード)」という表彰制度を通じて、学生にとって、また企業の皆さんにとって有益なインターンシップ・仕事体験プログラムはどういったものか、について各方面の有識者の方を交えて、模索し、発信しております。2023年度で6回目を迎えた本アワードでは様々な研究成果も発表しておりますので、ぜひご覧いただければと思います。

「学生が選ぶキャリアデザインプログラムアワード」特設サイトはこちら

8~9月は多くの大学が夏季休暇となっており、また、この長期休暇を活かして、インターンシップ・仕事体験に参加する学生も増える時期となっています。今後も、学生、企業双方の状況について調査を通じて把握していくとともに、学生の皆さんのキャリア形成活動が進められるような情報を発信していきたいと思っています。
  • Organization 株式会社マイナビ 社長室 キャリアリサーチ統括部

    株式会社マイナビ 社長室 キャリアリサーチ統括部

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  • 人材採用・育成 更新日:2023/08/29
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