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【4W1Hで分かる!】インターンシップを成功に導く広報設計の基本

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企業の人手不足が慢性化し、ますます厳しさを増す新卒採用市場。

そのような中、2022年の三省合意改正(※)によって「インターンシップ」の定義が変わりました。

ここでは詳細を省きますが、「5日以上のプログラム」「就業体験必須」「長期休暇中のみ実施可能」などの条件が新たに加えられています。

※三省合意改正について詳しく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

インターンシップの大目的である「学生のキャリア形成支援」をより強化するために行われたこの三省合意改正。しかし、学生はより吟味してインターンシッププログラムを選択し、参加数を絞ることになります。さらに開催時期も集中するため、企業にとっては集客が難しくなるという側面もあります。

一方で、インターンシップでの経験に近い業界や企業に入社した学生は、そうでない学生と比較して、就職活動全体への満足感・納得感が高くなっています。企業と学生双方にとってベストなマッチングを実現するという意味においても、インターンシップは重要性を増しています。

そこで今回の記事では、インターシップの集客を成功に導くための広報ノウハウを「4W1H」に分解して解説します!

インターンシップ広報の “WHO”:どんな学生を呼び込むか?


— まずは重要な「WHO」について伺いたいと思います。多くの企業が自社で活躍しそうな学生像、つまりインターンシップに呼びたい学生像を持っていると思いますが、それだけでは不足でしょうか?


森明: もちろん、インターンシップに参加してほしい学生の属性を明らかにすることは重要ですし、多くの企業ができていると思います。例えば「研究開発職の採用を強化したいから、化学系学生をインターンシップに招きたい」というようなものですね。

しかし注意してほしいのが、これは完全な企業目線でしかなく、学生にとっての動機にはつながらないということです。例えば「化学学生を採用したいから、化学系学生の皆さん、ぜひ弊社のインターンシップに来てください!」と言っても、学生からすれば完全に他人事ですよね。

— そこまでストレートに言わないとしても、メッセージとしてはその程度の内容しか含まれないということはありそうですね。


森明: はい。なので、大切なのは「逆算」です。
まず「自社の仕事の魅力は何か」「どこに面白みがあるのか」「現在自社で活躍している人材はどんな人か」などを掘り下げます。
そして、その仕事や環境を楽しめる、活躍できるポテンシャルのある学生像を明確化し、彼ら・彼女らに訴求することです。

すると、このあとお話しする「何を伝えるか」「どう伝えるか」といった項目にも生かせるアピールポイントも見つかります。

結果として、広報メッセージも「あなたの○○の能力がこんなふうに生かせる・伸ばせるインターンシップに来てみませんか?」といった具合に変化するはずです。
これなら学生が「自分事化」しやすく、自分のためのインターンシップだと思ってもらえます。

インターンシップ広報の基本 ①「どんな学生を呼び込むか?」

まずは企業目線から脱却!
学生像は「自社の魅力」の分析から逆算して設定すると、学生にとって「自分事化」できる広報メッセージを発することができるようになります。

<参考記事>

以下の記事では「学生目線に立つ」とはどのようなことか? をコピーライティングの視点から掘り下げて解説しています。
企業目線での広報からの脱却を目指す方にお勧めです!
学生の立場に立って見直せば効果アップ? すぐに真似できる「インターンシップの魅力を伝えるコピーライティング」

インターンシップ広報の “WHAT”:何を伝えるか?


— 続いて「WHAT」です。インターンシップの広報は多くの場合、テキストと画像を中心としたメッセージを伝えていくことになりますが、そこにはどのような情報を盛り込むべきでしょうか?


森明: 三省合意の改正によって、「インターンシップ」と銘打つためには5日間以上のプログラムが必要になり、なおかつ長期休暇中にしか実施できなくなりました。

例えば、大学生の夏休みはおおむね50日前後です。その間にはインターンシップ以外にも企業研究や業界研究もしたいでしょうし、アルバイトや思い出づくりだってしたいはずです。となると、学生が参加できるインターンシップの数は限られてきます。

そのような貴重な時間を使ってもらうためには、とにかく親切で詳細な説明が求められます。

— 例えばどのような内容が必要ですか?


森明: 学生が不安に思うのは、5日間以上も費やすインターンシップで「どんな体験ができるのか」「どんな能力を身に付けることができるのか」といった点です。その情報をもとに、自分の貴重な時間を使うかどうかを判断します。

なので、例えば過去の参加者から得られたポジティブなフィードバック(感想)なども交えながら、具体的かつ魅力的に伝えていくことが重要となります。

また、学生側もインターンシップの体験を通じて選考に参加するかどうかを判断したいと思っていますので、自社の仕事の魅力についても伝えていくといいでしょう。

インターンシップ広報の基本 ②「学生の貴重な時間を使ってもらうためには」

学生の貴重な時間を使ってもらうためのメッセージだと考えましょう!
学生の立場に立ち、5日間以上の時間を費やすに値する内容であるか、また、その後に選考に参加する可能性がある企業であるかを判断するための情報をできるだけ盛り込みましょう。

<参考記事>

三省合意改正前に実施した学生インタビューでは、よく「インターンシップだと思って参加したら、実際はほぼ『会社説明会』でがっかりした」という声が聞かれました。
5日間以上のプログラムが必要となった現在ではそのようなことはあまり起こらないと思いますが、「学生の期待に応えながら、企業の魅力も伝える」というインターンシップ設計のポイントを解説した以下の記事は、広報メッセージの組み立てにも役に立ちます。
企業の魅力付けにつながるインターンシップ設計3ステップ

インターンシップ広報の “WHEN”:いつから広報・募集するか?

— 続いて「WHEN」です。三省合意の改正によって、学生がインターンシップに参加するのは最も早くて「3年生の夏休み」になりました。いつから広報や募集を開始するのがいいでしょうか。


森明: 学生が情報に触れる機会ができるだけ多くなるよう、早ければ早いほどいいですね。

早くから広報・募集をすることで「飽きられてしまうのではないか」「しつこく思われないか」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、学生は非常に多くの情報に触れていますので、1社の情報に突出して多く接触するということはほとんどありません。心配しなくても大丈夫です。

また、インターンシップに5日間以上のプログラムと就業体験が必須になりましたので、選考を設ける企業も多いと思います。その場合は受験期間を長く取るといいでしょう。

インターンシップ広報の基本 ③「とにかく『早く』が鉄則」

しつこいのではないか、飽きられるのではないかと不安になる必要はありません。
インターンシッププログラムを策定できたらすぐに広報を始めて、できるだけ多くの学生の目に触れるチャンスを増やしましょう。

<参考記事>

インターンシップに選考を設ける企業も増えていますが、一方でインターンシップの選考落ちによって「本選考参加も諦める」という学生が少なくありません。
そうならないためのコミュニケーションの方法について取材した以下の記事は、インターンシップ選考が意図しない結果を生まないための方法を考える上で参考になります。
学生の認識は「インターンシップ選考落ち=採用選考落ち」!? 志望度を下げない関係持続の秘訣(ひけつ)とは

インターンシップ広報の “WHERE”:どこで広報するか?

— 続いて「WHERE」です。これはマイナビなどの就職情報サイトに掲載する方法が一般的かと思いますが、ほかの方法も考えるべきでしょうか?


森明: はい。「WHEN」でもお話ししたように、学生の目にできるだけ多く触れることがまずは大切ですので、さまざまなチャネルを活用して広報していくことが重要です。

就職情報サイトのほかには、大学の就職課やキャリアセンター、合同説明会での案内、SNS、そしてオープン・カンパニー参加者への案内などもいいですね。
特に、内定者(社員)の出身校での広報活動は、大学側も協力的であることが多いため有効です。

また、地方企業であればインターンシップ自体を地元の大学と連携して実施するのもお勧めです。地元で活躍したい学生にとっては非常に魅力的な内容に映るはずですよ。

インターンシップ広報の基本 ④「大学への広報活動も一つの手」

就職情報サイトだけではなく、活用できるさまざまなチャネルを活用しましょう。
特に三省合意の改正によって、大学はインターンシップを教育機会の一環として重視する傾向も強くなっているため、協力を仰げる可能性があります。

<参考記事>

大学を訪問しての広報活動は、古くからある手法の一つですが、今でも有効です。
しかし、その方法が分からないという方も多いのではないでしょうか? そんな方には、ノウハウを具体的にお伝えしている以下の記事が参考になります。
コロナ禍を経てどう変わった? 大学訪問の「今」を解説!

インターンシップ広報の “HOW”:どう広報するか?


— 最後が「HOW」です。先ほども就職情報サイトだけでなく、さまざまな方法を試してみるべきというお話がありました。例えば三省合意改正で新たに定められた「オープン・カンパニー」も有効なんですね。


森明: そうですね。オープン・カンパニーはインターンシップと違って自由度が高く、ライトなプログラムを実施することができますので、そこで導入を行い、インターンシップ参加へ誘導するという方法は学生と継続的な関係を構築する意味でも良いと思います。

あとは意外と忘れがちですが、インターンシップの具体的なプログラムや、参加した際に得られる経験などを簡単にまとめたチラシのようなもの は作っておいた方がいいですね。先ほどお話しした大学での広報ではチラシを貼り出してもらうということが多いですし、説明会やオープン・カンパニーで配ることもできます。

就職情報サイトなどに掲載する情報の再編集で作ることができますので、それほど手間がかからないというのも魅力です。

ほかには、SNSの活用は今だと欠かせないと思います。インターンシップを複数回行う場合には各回で得られた学生の感想をシェアしたり、実際の様子をライブ感を交えて伝えたり、といった方法です。

繰り返しになってしまうのですが、学生はとにかく大量の情報を受け取っていますので、インターンに参加してほしい学生が目に触れる可能性のある方法は一つでも多く取っておく。これが大鉄則です。

— その上で、内容は「WHAT」にあったように詳しく、親切に。


そうです。5日間以上という時間を使うに値するのかどうかを判断できるだけの材料を、さまざまな方法で広報する。そのように間口を広くもって集客することが大切です。

インターンシップ広報の基本 ⑤「さまざまな方法を駆使して間口を広く!」

就職情報サイト以外にもオープン・カンパニー、合同説明会、SNS、大学などさまざまなチャネルを通じて広報することが大切です。

<参考記事>

ここまで広報の方法について解説してきましたが、インターンシップはやはりプログラムが大切です。学生座談会で「良いインターンシップとは何か」を掘り下げたこちらの記事では、学生がインターンシップを選ぶ基準についても触れられています。
学生にとって魅力的なプログラム作り、ひいては広報メッセージの組み立てに役に立つはずです。
学生座談会│学生にとっての「良いインターンシップ」とは? 志望度向上につながるインターンシップの作り方

学生目線で、広く長い広報活動を

今回の記事では、インターンシップ広報の基礎を4W1Hに分解して解説しました。

学生は限られた時間の中で、本当に参加する価値のあるインターンシップを探しています。
だからこそ、企業は学生目線に立ち、自社の魅力を最大限に伝えられる広報戦略を立てる必要があります。

これらのポイントを押さえて、ぜひ魅力的なインターンシップ広報を行い、企業・学生双方にとって充実したインターンシップの実現につなげていただければと思います。

  • Organization HUMAN CAPITALサポネット編集部

    HUMAN CAPITALサポネット編集部

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  • 人材採用・育成 更新日:2024/09/28
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