介護法人の採用ではこう使う!初めてのAI活用術【介護職採用シリーズ_vol.13】
学習したデータをもとに新しいコンテンツを作成する能力を持つ人工知能技術を「生成AI」と呼びます。生成AIには、テキスト(文章)生成AI、画像生成AI、動画生成AI、音声生成AIなど、さまざまな種類があります。
このうち、もっとも一般的に普及しているのがテキスト生成AIです。代表例は、アメリカのAI研究機関であるOpenAI社が開発した対話型のAIツール「ChatGPT(チャットジーピーティー)」です。そのほか、Google社が提供している「Gemini(ジェミニ)」、Microsoft社が提供している「Microsoft Copilot(マイクロソフト コパイロット)」などのツールがあります。いずれもパソコンやタブレット端末などからアクセスできるWeb版、またはスマートフォン用のアプリで使うことができます。
こうした一般的なテキスト生成AIは、画面の入力欄に質問や指示を入力すると、その下に、まるで人が答えているかのような自然な回答が瞬時に表示される仕組みになっています。ユーザーがテキスト生成AIに質問や指示を伝える文章は、「プロンプト」と呼ばれます。一度生成AIから回答を得た後に、さらにプロンプトを伝えて、チャットのように会話を続けることもできます。
また、専門知識がなくても誰でも簡単に使えるのが特徴で、文章作成はもちろん、アイデア出しも得意とされています。多くの提供会社が、気軽に使える無料版のほかに、より回答の精度が高い有料版を用意しています。有料版を申し込むと、テキストに加えて画像の生成ができるようになるツールもあります。
では、介護法人の実際の採用活動では、どのようにAI を活用していけばよいのでしょうか。
一般企業、とくに大企業の採用活動においては、応募者を絞り込む工程にAIが活用されるケースが多いようです。しかしこれは、応募者数が少ない中小規模の介護法人には、適した活用方法とはいえません。応募者のなかから自法人にマッチする人を選んでもらうためには、大量の合格者や選考結果のデータをAIに学習させなければならないからです。
また、生成AIをうまく使いこなすにはコツがあり、慣れるまでに少し時間がかかります。生成AIを使った経験がない介護法人の採用担当者は、これまで通りの採用業務を続けながら、アシスタント役として部分的に生成AIを取り入れて、少しずつ使い方に慣れていくとよいでしょう。ここからは、具体的な活用アイデア例を紹介します。
テキスト生成AIが生成した文章には、間違った情報や古い情報、倫理的に不適切な表現が含まれる場合があります。また、生成した文章や画像が、著作権や肖像権、商標権といった第三者の権利を侵害しているおそれがないとはいえません。生成AIChatGPTを使ってコンテンツを生成したら、必ず問題がないかをチェックしたうえで、必要に応じて削除や修正をしましょう。
テキスト生成AIによって生成された文面に正確性や根拠が疑わしい情報が混じっている場合は、「その情報のソース(発信源)は?」と質問形式のプロンプトを投げかけてみるのもチェック方法の一つです。質問すると、テキスト生成AI自身が情報の正誤や根拠を確認できるソースを示してくれることもあります。
採用業務は、どの業種の企業にとっても工数が多く手間と時間がかかるものですが、マンパワーに限りがある介護法人にとっては、とりわけ骨の折れる業務です。そんな採用業務を大幅に効率化できる画期的なツールがAIです。生成AIの助けを借りて、ある作業に1日1時間かけていたのを30分に削減できれば、残りの30分は課題解決に向けて行動する時間に当てることができます。
といっても、AIは採用活動を全て任せられる万能ツールではありません。求人募集をしている無数の法人のなかから求職者に選ばれるには、「自法人ならではの魅力」を打ち出すことが求められます。それなしでは、いくらAIを活用しても採用は成功しません。本来の目的を忘れず、AIをうまく活用していきましょう。
- 人材採用・育成 更新日:2025/03/11
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