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新卒の離職率はどのくらい?|規模別・業界別の状況や離職する理由、離職を防ぐ方法を解説

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新入社員の離職は、会社にマイナスな影響を及ぼすため、入社前から対策が必要です。新卒の離職率は、会社規模や業界によって異なりますが、この記事では新卒採用担当者に向け、新入社員の離職率について解説します。厚生労働省が発表した新卒入社3年以内の離職率データや、代表的な離職理由、離職を防ぐ方法もご紹介するため、参考にしてください。
離職率とは、一定期間に会社を離職した人の割合のことを指します。厚生労働省の定義によれば、「離職率=離職者数/1月1日現在の常用社員数×100」で求められます。退職する社員が多いほど、離職率は高まります。

厚生労働省が公表したデータをもとに、新卒の3年以内の離職率と会社規模別の離職状況について解説します。
2021年10月に厚生労働省が発表した「新規学卒離職者の離職状況」は、中学・高校・短大等・大学を卒業した学生の就職後3年以内の離職状況を調査したものです。2018年卒の就職後3年以内の離職率は、学歴別、卒業年別ともに例年に比べて低下しています。就職後3年以内の離職率は、新規高卒就職者が36.9%、新規大卒就職者が31.2%と、3割以上が離職していることがわかります。
同調査では、新卒の3年以内の離職率は会社の規模別に異なることが明らかになっています。1,000人以上の会社の離職率は高校卒が25.6%、大学卒が24.7%とともに30%以下です。会社規模が小さくなるほど離職率は高くなり、30〜99人の中小企業では高校卒が44.1%、大学卒が39.1%と、約40%まで離職率が高まります。

※参考:新規学卒就職者の離職状況を公表します|厚生労働省

新卒の離職率は、業界によっても異なります。離職率が高い産業と低い産業に分けて解説します。
厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況」によると、新卒3年以内の離職率がもっとも高い産業は宿泊業・飲食サービス業です。大学卒の離職率が51.5%で、半数以上が退職しています。大学卒の離職率が高い順にみると、生活関連サービス業・娯楽業が46.5%、教育・学習支援業が45.6%と続きます。
同調査で新卒3年以内の離職率がもっとも低い産業は、インフラ業界です。電気・ガス・熱供給・水道業の大学卒の離職率は11.1%と示されています。続いて大学卒の離職率が低い順番にみると、鉱業・採石業・砂利採取業が11.5%、製造業が19.0%となります。いずれも10〜20%であり、非常に低い水準であることがわかります。

※参考:新規学卒就職者の離職状況を公表します|厚生労働省

思い描いていた仕事内容と違った、自分の適性と実際の業務がかけ離れているなどのミスマッチが起こると、達成感を抱きにくくなります。仕事に対するやりがいを見つけられず、モチベーションが低下し、離職を意識するようになります。
上司、先輩、同僚などと人間関係がうまくいかないとストレスを感じやすくなります。うまくコミュニケーションが取れないような風通しが悪い職場は、新卒に限らず社員全体の離職率に影響を与えるため、会社側の対策が必要です。
周囲とのコミュニケーションが少なく、悩みや不安を相談できない状態は早期離職につながるおそれがあります。リモート勤務の普及から、物理的に人との距離感が遠くなり、気軽に相談をする行為自体が難しくなりつつあるのが現状です。
ノルマや成果目標が厳しい場合、社会人経験のない新卒はプレッシャーを感じやすくなります。ノルマの負担は、とくに営業職で多くみられる離職理由です。数字だけを求めすぎると離職を早めるおそれがあるため、段階を踏んだ目標設定をするなど適切な状況判断をしなければなりません。
キャリアアップのための転職は、ポジティブな理由にみえるものの、裏を返せば自社ではキャリアアップが望めないと判断されていることになります。やりがいや成長が感じられない会社や、長く勤めてもキャリアアップが望めない会社は、離職につながります。
労働時間が長い、休日が少ない、福利厚生が充実していないなどの労働条件に満足できない状況も離職につながります。Z世代の特徴としてはワークライフバランスを重視する傾向があるため、働きやすい環境づくりが求められます。
給与が低く、モチベーションが維持できないと、離職率に影響します。社員評価の見直しや、能力や業務に見合う給与を提供することが必要です。社会保険料の控除額に驚く新卒もいるため、事前に控除項目や控除理由を説明しておくのもよいでしょう。

新卒の離職率が高まるほど、会社に悪影響を与えます。ここでは、デメリットについて解説します。
採用した新卒が離職すると、採用までにかかった予算や労力に加え、内定後に行う上司・先輩社員の教育や研修に使ったコストも無駄になります。新しい人材を確保しなければならないため、採用のための追加コストも発生します。
引き継いだ仕事により残った社員1人あたりの仕事量が増えるため、社員のモチベーションが低下するおそれがあります。業務分担や残されたメンバーの精神的フォローも大切です。
若者雇用促進法により、新卒採用の募集を行う企業には採用者数と離職者数をはじめとした職場情報の開示するよう定められているため、離職率が高いと、ブラック企業という印象を持たれる場合があります。このような印象により、エントリー数に影響が出るおそれもあります。万が一早期離職が起こった場合も、不満を残さず円満に退職できる環境を整えましょう。

新卒の離職率を下げるには、採用前からの取り組みが重要です。新卒の離職を防ぐ方法を解説します。

入社後のミスマッチを防ぐには「RJPが有効」

RJPとはRealistic Job Previewの略称で、現実的な仕事情報の事前開示を意味します。ネガティブな情報も含めてありのまま伝えることで、入社後のギャップを防ぐという考え方です。ネットネイティブなZ世代はあらゆる情報を自分で検索して入手しており、その情報が本当かどうかも疑い深く見ています。ネガティブな情報を出すことが「嘘のない会社」というイメージにも繋がるでしょう。
若手であっても意見を言いやすく、不満や悩みを取り除けるようコミュニケーションを活性化しましょう。質問しやすい雰囲気をつくり、定期的な面談やミーティングを設けることで、離職のサインをキャッチできます。
「労働安全衛生法」という法律が改正されて、50人以上の社員がいる会社は、年1回のストレスチェックが義務付けられています。抱えているストレスを把握し、日頃から人間関係や職場環境を改善し、ストレスケアを心がけましょう。

※参考:ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等|厚生労働省

メンター制度とは、年齢や社歴の近い先輩社員が新卒や若手社員をサポートする制度です。上司よりも悩みを相談しやすい存在ができれば、1人で悩みやストレスを抱え続けることを防げます。

※参考:メンターとは?その役割と必要な能力、活用するためのポイントを解説
新卒をサポートするためには、上司のマネジメントスキルも大切です。上司の言葉遣いや指導方法がストレスになることもあるため、適切な業務指示を行う、円滑なコミュニケーションを取るといったスキルが求められます。
過剰な業務負担がないか、業界において適切な給与水準を保っているかといった労働条件や待遇面を定期的に見直します。労働環境への不満はモチベーション低下を招くため、必要があれば業務時間の削減や人材配置を行い、改善しましょう。
私生活と仕事を両立させられるよう、柔軟な働き方を取り入れた環境が欠かせません。在宅勤務、フレックス勤務、時短勤務のように育児や介護などのライフイベントを考慮した制度を作れば、長期的な定着が見込めるでしょう。
評価制度を見直し、仕組みや根拠を開示すれば、評価に対する納得感が増します。キャリアプランを描きやすく、将来に期待が持てる体制を確立することが重要です。意欲的に仕事に取り組みやすくなり、優秀な人材の流出を防ぎます。
自社で築けるキャリアについて、キャリアデザイン研修や、昇格・異動の制度の説明を通じて支援を行います。短期的・長期的な目標を持ち、自分のキャリアデザインを描ければ、モチベーションが向上し離職防止につながります。
コンプライアンス通報・相談窓口とは、ハラスメントや業務内容の問題で悩んでいる社員が通報・相談ができる窓口です。設置すれば人間関係で悩む社員の不安の払拭につながります。健全な職場環境を作ろうとする会社の姿勢もアピールできます。

新卒の離職率は、会社規模や業界によって異なるものの、新卒3年以内の離職率は約30%です。離職率が高いと採用コストの増加や企業イメージの悪化につながるため、採用して終わりでなく、定着までみていく必要があります。マイナビでは離職対策のためのさまざまなサービスをご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせください。


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※2022年3月以降に利用した就職情報サイトに対する調査結果より/調査実施機関:株式会社マイナビ・アンケートモニター提供元:GMOリサーチ株式会社(2022年5月)
  • Organization HUMAN CAPITALサポネット編集部

    HUMAN CAPITALサポネット編集部

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  • 人材採用・育成 更新日:2022/10/27
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