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求人票の書き方完全ガイド|応募を増やすポイントや具体例も

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採用活動における求人票は、企業と求職者をつなぐ最初の接点として、非常に重要な役割を果たします。しかし、ただ情報を網羅するだけでは、求職者に「応募したい」と思ってもらうことは難しいでしょう。

本記事では、忙しい採用担当者でも短時間で効果的な求人票を作成できるよう、求人票の具体的なポイントや成功事例、テンプレートを紹介します。魅力的な求人票を作成し、採用活動の効率化を目指しましょう。

求人票の役割

求人票は、労働条件や仕事内容を正確に伝える法的な側面を持ちますが、情報提供だけでなく、企業の魅力や価値観を発信するブランディングツールとしても機能するものです。また、求職者にとっては、企業文化や職場環境を知る重要な手がかりとなり、応募意欲を左右する要素にもなります。

魅力的な求人票を作成するには、業務内容や職場環境を具体的に示し、求職者が働く姿をイメージしやすい工夫が大切です。また、企業の理念や価値観を明確に伝えることでミスマッチを防ぐ役割もあります。


求人票に書くべき項目

労働基準法や職業安定法では、求人票に明記すべき労働条件が定められています。これらを求人票に正しく記載することは法的義務であると同時に、求職者との信頼関係を築くためにも不可欠です。

ここでは、求人票に必ず記載しなければならない項目と、その記載例について解説します。

記載する項目 記載例
1. 業務内容(職種や具体的な仕事内容)
※変更の範囲も記載する
● 職種:営業職(法人向け)
● 仕事内容:既存顧客への定期訪問、新規顧客の開拓、提案資料の作成、契約手続き
● 配置転換の可能性:将来的にマーケティング部門へ異動の可能性あり
2. 契約期間(正社員・契約社員の別、試用期間の有無)
※有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項も記載する
● 雇用形態:正社員(試用期間3か月)
● 契約期間:有期契約(1年ごとに更新、最大3回まで)
● 契約更新の判断基準:業務評価および事業状況による
3. 就業場所(勤務地、転勤の可能性)
※就業場所の変更の範囲も記載する
● 勤務地:東京都新宿区○○○1-1-1(本社勤務)
● 転勤の可能性:全国の支店への転勤の可能性あり
4. 労働時間・休日(勤務時間、休憩時間、休日数) ● 勤務時間:9:00~18:00(休憩1時間)
● 残業:月平均10時間程度
● 休日:完全週休2日制(土日祝)、年間休日120日
● 有給休暇:入社半年後に10日付与
5. 賃金(基本給、諸手当、賞与、昇給) ● 基本給:月給25万円~30万円
● 手当:通勤手当(上限3万円)、住宅手当(1万円)
● 賞与:年2回(昨年度実績:計3か月分)
● 昇給:年1回(4月)
6. 社会保険の加入状況 ● 加入保険:雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金保険
7. 試用期間の有無 ● 試用期間:3か月(期間中の給与変更なし)
8. 募集者の氏名や名称 ● 募集者:株式会社〇〇
9. 受動喫煙防止措置の状況 ● 受動喫煙対策:屋内原則禁煙(喫煙室あり)

2024年4月1日施行の改定職業安定法では、以下の点が新たに義務化されました。

  • 業務内容:将来の配置転換や業務変更の可能性を記載すること
  • 契約期間:有期労働契約の更新基準を記載すること
  • 就業場所:勤務地変更の範囲を明示すること

上記の改正内容を踏まえて、必須項目を正しく記載することが重要です。
応募者が安心して応募できるようにできるだけ具体的に記載し、法令を遵守した内容を心がけましょう。

そのほかに記載したい項目

上記の法定項目を記載するだけでなく、自社で働く魅力やPRポイントを求人票に盛り込むことで、ターゲット層からの応募を増やすことにつながります。例えば、以下のような情報を追加すると効果的です。

  • 社員の声やインタビュー
  • キャリアパスや成長支援制度
  • 働きやすさに関する取り組み(例:フレックスタイム制、リモートワーク可 など)
  • 福利厚生の具体例(例:育児休業の取得実績、従業員持株会の制度 など)
  • 社内イベントや文化に関する情報(例:月1回の社内交流会、部活動支援 など)
  • 企業の社会的責任について(例:SDGsの取り組み、ボランティア制度 など)

企業の魅力や価値観を効果的に伝えることで、応募者の関心を集め、応募者数の増加だけでなく、ターゲット層に合った優秀な人材の獲得に繋がるでしょう。


求人票のチェックポイント

紹介した項目を踏まえて求人票を作成したら、以下のポイントでチェックしてみましょう。

必須項目が入っているか

上述した、「法律で義務付けられている項目」が正しく入っているかを確認しましょう。2024年4月1日施行の改定職業安定法により「業務内容」や「契約期間」「就業場所」などの項目では記載方法が変更されていますので、これらの点が求人票に反映されているか確認が必要です。

人材要件が明確になっているか

求める人物像を具体的に設定すると、適切な人材とのマッチングを促進できます。職務経験や必要なスキルを明確にすることで、求職者が自身の適性を判断しやすくなります。また、ターゲットを明確にすると、企業と求職者のミスマッチを防ぐことにつながります。

具体例

  • 必要なスキル:営業経験3年以上、プレゼンテーション能力
  • 求める人物像:チームでの協働が得意な方、課題解決能力が高い方

採用における各部署からの要望をまとめるのに苦労したり、募集部署との人材要件の調整が上手くいかなかったりするときには、以下のようなサービスを活用することで調整の負担を軽減できる場合もあります。


業務内容を具体的にイメージできるか

担当する業務の範囲や責任、1日の業務の流れを記載することで、求職者が実際の仕事をイメージしやすくなります。

具体例

  • 求める人物像:チームでの協働が得意な方、課題解決能力が高い方
  • 担当業務:
    法人向けの営業担当(既存顧客のフォローおよび新規開拓)
    (既存顧客への定期訪問・提案、新規顧客の開拓(電話・メール・訪問)、商品やサービスの説明・商談、見積もり作成・契約手続き、顧客からの問い合わせ対応 など)
  • 1日の業務の流れ:
    9:00 出社・朝礼(1日のスケジュール確認)
    9:30 既存顧客へのメール返信・アポイント調整10:30 顧客訪問(2件程度)
    12:00 休憩
    13:00 新規顧客への提案訪問(2件程度)
    16:00 帰社・商談内容の整理・見積もり作成
    17:00 チームミーティング(案件の進捗報告)
    18:00 退社(直行直帰も可能)

自社のカルチャーや魅力を伝えているか

企業理念や社風などを分かりやすく提示することで、求職者がカルチャーにフィットするかを判断できます。また、職場の雰囲気や成長機会、教育制度を紐づけて紹介すると魅力的な求人票になります。

具体例

  • カルチャー:
    弊社では、個人ノルマよりもチーム全体の目標達成を重視しています。困ったときには先輩や上司がサポートし、個人の成長をチーム全員で喜び合う文化があります。
  • 成長機会:
    入社後1カ月間は研修期間として、業界知識や営業スキルを学べます。先輩社員とのOJTを通じて、仕事の進め方をじっくりと身につけられます。研修の修了後も、定期的な勉強会やロールプレイング研修があり、継続的にスキルアップ可能です。


分かりやすい言葉で表現できているか

専門用語や業界用語を避け、幅広い層に理解される表現を使うことが重要です。具体例を用いた説明を加えることで、実務のイメージがつきやすくなり、応募への心理的ハードルが下がります。

数値・データが入っているか

曖昧な表現を避け、具体的な数値を用いて求職者に正確な情報を伝えると、入社後のミスマッチを防ぐことにつながります。

具体例

  • 職位や経験年数ごとの具体的な給与モデルの例
  • 賞与の支給実績
  • 休暇取得率(%)
  • 繁忙期の残業時間平均/通常の残業時間平均
  • 離職率(%)

性別を限定する表現がないか

男女雇用機会均等法では、性別を限定する表現が禁止されています。芸術や防犯上の理由など、特定の性別が求められる場合は例外として認められますが、以下のような表現がないか確認しましょう。

NG例

  • 「男性のみ」
  • 「男性の選考は書類/面接のみ、女性は書類/筆記/面接」

年齢を制限する表現がないか

年齢による制限は原則禁止されています。法律で認められた業種や「長期キャリア形成のため」のような正当な理由を明記する場合は例外的に認められますが、理由なく以下のような記載は避けましょう。

NG例

  • 「20代歓迎」
  • 「応募資格:40代まで」

事実と異なる誇張表現がないか

虚偽や誇張表現は職業安定法違反となり、求職者とのトラブルの原因にもなります。特に、時間外労働の有無や残業代については正確に記載することが重要です。

NG例

  • 「残業なし」と記載しながら、実際には月20時間の残業がある

差別につながる内容がないか

人種や出身地域、身体的特徴などを特定する内容は禁止されており、企業の信用問題にも関わるため十分注意しましょう。

NG例

  • 「日本語ネイティブのみ」
  • 「○○地域の出身者歓迎」
  • 「通勤時間〇分以内で出社できる方」


求人票の成功事例

本章では、企業事例をもとに、求人票にどのような情報を盛り込めば成功につながるのかを解説します。求人票の改善に役立つポイントを学び、自社の採用活動に活かしましょう。

事例1:ターゲットを意識して記載内容を工夫

クムクム株式会社は以下の点を工夫した結果、訴求力の高い求人票作成につながり、結果的に応募数とマッチング率が大幅にアップしました。

成功のポイント

  • 求職者自身が、経験やスキルを踏まえてマッチ度を適切に判断できるよう、具体的な要件や業務内容を明示した。
  • 求人票には、給与の幅(例:月給23万円~55万円)や手当(例:昼食手当1日300円)など、具体的な数値や詳細情報を記載し、求職者の信頼感を高めた。
  • 実際に働く社員の顔写真やインタビューを掲載し、職場の雰囲気や社風を視覚的に伝える工夫をした。
  • 写真を多用し、見やすいレイアウトを採用することで、求職者が企業の情報を直感的に理解できるようにした。
  • 「未経験者向けの研修制度やサポート体制の充実」「安心して成長できる環境」といったメッセージを盛り込み、求職者に安心感を与えた。

関連記事:ターゲットに響く内容をマイナビ転職に掲載し、マッチ度の高い応募が増加。 転職フェアではリーダーを任せられる人材との出会いが。


事例2:キャッチコピーで企業方針をアピール

株式会社アンスールは、求人票の作成において以下の工夫を行った結果、競合が多いエンジニア派遣業界において、経験者・未経験者問わず、高いモチベーションを持ち、企業文化に共感する求職者からの応募が増加しました。

成功のポイント

  • 経験者だけでなく未経験者もターゲットに含め、特に20代の若い層を意識した内容で求人票を作成した。
  • 「絶対にNOと言わない会社」というキャッチコピーを採用し、エンジニアの希望を尊重する企業姿勢を強調。これにより、求職者に企業の魅力を強く印象付けた。
  • 教育システムや研修内容、派遣先のプロジェクトなど、エンジニアが「やりたいことをやらせてもらえる」環境を具体的に記載し、企業の方針を理解しやすくした。
  • 明るいデザインを採用し、企業の雰囲気や価値観を視覚的に伝わるようにした。
  • 「面接当日に聞きたいこと」を記載し、求職者が疑問を開示しやすい環境を提供したことで、応募者の辞退率が低減した。

関連記事:マイナビ転職を活用し、採用競合が多いエンジニア派遣業界で多数のITエンジニアの有効応募を獲得

求人票を見直して採用力アップを目指そう

求人票は、企業と求職者をつなぐ最初の接点であり、単なる情報提供ではなく、企業の魅力を伝える重要なツールです。労働条件や仕事内容を正確に記載する法的役割を果たしつつ、求職者が「応募したい」と感じる内容を盛り込むことが成功の鍵となります。具体的な職場環境を記載して信頼性を高めたり、企業の魅力や価値観を明確に伝えたりすることで、ターゲット層に響く求人票を作成しましょう。


  • Organization HUMAN CAPITALサポネット編集部

    HUMAN CAPITALサポネット編集部

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