成果報酬型求人とは?仕組みやメリットを徹底解説
採用活動において「募集にコストをかけても採用に繋がらない……」と悩む企業は少なくありません。限られた予算内で効果的な採用を実現するうえで、注目を集めているのが「成果報酬型求人」という仕組みです。
成果報酬型求人は、採用成功時にのみ費用が発生するため、無駄を排除し、コスト効率の良い採用が可能となります。本記事では、成果報酬型求人の仕組みやメリット、導入時の注意点について解説します。
成果報酬型求人とは
成果報酬型求人とは、採用や応募といった具体的な成果が発生したタイミングで費用が発生する求人の仕組みです。この仕組みは、採用が確定して初めて費用が発生するため、初期費用が抑えられるメリットがあり、確実な成果に対してのみ費用を払いたいと考える企業がリスクを軽減しながら採用活動を進める際に効果的な手段といえます。
一方で、成果ではなく利用期間に応じて求人広告の掲載費用が発生する「掲載課金型」という形態も存在します。掲載課金型は、応募人数に関係なく一定の料金が発生するため、大量の応募が見込まれる場合にはコストパフォーマンスが良いとされています。
課金タイプ |
費用発生のタイミング |
メリット |
デメリット |
---|---|---|---|
成果報酬型 |
応募や採用など「成果」が発生した時 |
● 初期費用が不要 |
● 大量採用には不向き |
掲載課金型 |
掲載期間に応じて |
● 採用数が多くなるほどコストパフォーマンスが高い |
● 成果がなくても費用が発生する |
現在の採用市場では、少子化や競争の激化により、コスト意識が高まりつつあります。採用にかけられる予算が少ない企業や、知名度が低い企業では、採用できなかったときのリスクを回避したいというニーズが高いため、成果報酬型求人が注目されています。
成果報酬型求人の仕組み
成果報酬型求人には、以下の3つの主要な課金形態があります。それぞれの特徴を理解し、自社の採用ニーズに合った形態を選びましょう。
課金形態 |
費用発生の条件 |
特徴 |
適したケース |
---|---|---|---|
採用課金型 |
採用が決定した場合 |
● 採用できた時にのみ費用が発生する |
● 特定のスキルや経験を持つ人材の採用時 |
応募課金型 |
応募があった場合 |
● 選考プロセスを経て、より適切な人材を絞り込める |
● 大量採用を目指す場合 |
クリック課金型 |
求人広告がクリックされた場合 |
● 初期費用を抑えつつ、多くの求職者にアプローチできる |
● ターゲット層への認知を拡大したい時 |
上記の課金形態は、企業の採用戦略に応じて柔軟に組み合わせることも可能です。たとえば、専門性の高い人材を確実に獲得するために「採用課金型」を活用しつつ、広範囲に応募者を集めるために「クリック課金型」や「応募課金型」を併用することで、効率的な採用活動を実現できます。
各課金形態を導入する際は、契約内容やキャンセルポリシー、費用発生のタイミングを事前に確認しておきましょう。成果の定義や費用発生条件が明確でない場合、トラブルの原因となることがあります。
成果報酬型求人のメリット
成果報酬型求人には、以下のようなメリットがあります。
コスト効率が良い
成果が出なければ費用が発生しないため、広告費を削減できます。また、リスクを最小限に抑えながら採用活動ができます。そのため、予算が限られている企業でも安心して利用できる点が大きなメリットでしょう。「掲載課金型サービス」と組み合わせることで、さらに柔軟な採用戦略も実現できます。
採用力の向上
成果報酬型の求人サービスの中には、特定のスキルや経験を持つ人材に絞って募集を行うサービスもあり、必要な人材に効率的にアプローチが可能です。ターゲットを絞った採用が可能となるため、専門職やニッチな業界でも採用成功率を高めることができます。
また、AI技術やデータ分析を駆使したマッチング精度の高いサービスも登場しているため、求職者のスキルや経験はもちろん、価値観や働き方のマッチ度も考慮した採用が可能になるでしょう。
掲載期間に左右されない
成果報酬型求人では、掲載期間に縛られず、必要な時期に合わせた採用活動ができます。特に、短期間での採用が難しい専門職や、プロジェクト単位での採用が必要な場合には有効活用しやすいといえるでしょう。
また、繁忙期や新規プロジェクトの開始時など、企業の状況に合わせて採用活動の時期を調整できるため、必要な人材を必要なタイミングで確保できます。
成果報酬型求人を導入する際の注意点
成果報酬型求人を効果的に活用するためには、以下の点に注意が必要です。
料金相場・料金形態・契約内容を確認する
成果報酬型求人サービスを選ぶ際には、各サービスの課金形態や料金相場を事前に把握し、自社のニーズに合ったものを選ぶことが重要です。
なかでも「採用課金型」は、一人当たりの採用コストが高くなる可能性があるため、大人数の採用には向いていません。「応募課金型」や「クリック課金型」は応募者数やクリック数に応じて費用が発生するため、予算管理が大切です。
また、一部のサービスでは契約解除に手数料が発生する場合もありますので、キャンセルポリシーや採用条件の定義についても、事前に確認しておきましょう。
求人情報の質を上げる
成果報酬型求人では、求人情報の質が採用結果に直結するため、求職者の目を引く求人原稿を作成することが成功のカギとなります。
求職情報には、求職者が自分のスキルや経験とマッチしているかを判断しやすくするため、具体的な仕事内容や求めるスキルを明確に掲載しましょう。また、企業のビジョンや職場環境、働き方などを記載すると、応募者の質を高められます。これによりミスマッチを防ぎ、採用成功率を向上させることにもつながります。
サービス提供者の選定
成果報酬型求人サービスを提供する企業の選定も重要です。以下の基準を参考に、信頼できるサービスを選びましょう。
- 過去の成功事例や具体的な数値データ、口コミを参考にし、サービスの信頼性を判断する。
- 対応可能な業種や職種の幅を確認し、自社の採用ニーズに合っているかを確認する。
採用計画の策定
成果報酬型求人を最大限活用するために、採用計画を明確に策定しましょう。採用人数や必要なスキルを事前に明確にしておくことはもちろん、採用プロセスの各段階でのスケジュールを設定し、進捗を定期的に確認することも大切です。
また、成果報酬型求人の場合、担当者が慎重に候補者を選定するため、採用までに時間を要する場合もあります。緊急での採用には向いていない場合もあることを考慮しながら、計画的に進めましょう。
成果報酬型求人を活用した成功事例
株式会社ワイ・デー・ケー九州は、マイナビ転職 Boosterの導入により、採用業務の効率化とマッチング率の向上を実現しました。成果報酬型求人を導入したきっかけと成果について紹介します。
サービス導入のきっかけ
株式会社ワイ・デー・ケー九州は、半導体製造装置を中心とした産業用設備の設計開発・製造を行っています。半導体需要の高まりに伴い、技術者の人材確保が急務となっていましたが、以下の課題がありました。
- 採用業務を専任で行う人員が不足。他業務と兼務しており、十分な対応ができなかった。
- 求職者対応や書類選考に時間がかかり、選考スピードが遅く、他社に先を越されるケースが多かった。
- 求職者のスキルや経歴が現場の要件に合わないことが多く、採用効率が低かった。
マイナビ転職を利用することで応募者数は増加したものの、選考業務の負担が増えたため、マイナビの担当者から提案された成果報酬型サービス「マイナビ転職Booster」を導入することにしました。
導入した成果
導入後は、以下の対応をマイナビ転職Boosterの専属スタッフが代行しました。
- 求職者のスカウト
- 企業の採用要件・社風に合った人材の紹介
- 書類選考
- 面接・工場見学の日程調整
- 内定者のフォロー
これにより、企業は採用活動における担当者の負担を軽減し、人材の見極めに集中することが可能となりました。
その結果、以下のような成果が見られました。
- 採用業務を代行してもらうことで、採用業務にかかる手間と時間を大幅に削減。現場への提案スピードがアップし、他社に先に越されることが少なくなった。
- 担当者が企業の特徴や要件を理解し、スキルや経歴が合う人材を紹介したため、マッチング率が向上した。若手や理系人材の応募が増加した。
- 電気設計や機械設計の技術者4名を含む、総務、経理、製造管理、品質保証の部長候補、資材調達の課長候補など、計8名の採用に成功した。
- 遠方からの転職者に対して住居探しをサポートするなど、求職者に寄り添った対応で志望度を向上させた
参考: Boosterの利用で採用工数を削減。専属スタッフのサポートのおかげで、マッチング率もアップ
成果報酬型求人で効率良く採用活動を行おう
採用活動において「なかなか求める人材が見つからない」「コストを抑えながら効率的に採用したい」といった課題を抱える企業は少なくありません。特にリソースが限られる中小企業やスタートアップ企業にとっては、適切な採用手法を選ぶことが重要です。
成果報酬型求人は、初期費用をかけずに必要なタイミングで採用活動を進められるため、コスト管理がしやすく、不要な負担を抑えられる手段のひとつです。
マイナビ転職Boosterなら、専門チームのサポートとAIを活用したマッチング精度の高さにより、初めての導入でも安心して活用できます。採用の選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。
- 人材採用・育成 更新日:2025/04/04
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