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人手不足の業界ランキング!原因・対策や採用の成功事例も紹介

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2024年現在、全職種における有効求人倍率は平均で1.14倍となっており、求職者の数が全体的に少ないことから、人手不足の傾向がみられます。なかでも、有効求人倍率が2倍を超えるような職種では、特に深刻な人手不足が生じており、企業にとって人材の確保がますます難しくなっています。

本記事では、こうした人手不足が顕著な業界をランキング形式で紹介します。それぞれの業界がなぜ人材不足に陥っているのか、また、どのような対策が求められているのかについても、わかりやすく解説していきます。

あわせて、人材不足といわれる業界において採用に成功している事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

人手不足が顕著な業界ランキング

厚生労働省が発表した「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)~令和7年2月」によると、2024年における全職業の有効求人倍率は、平均1.14倍でした。

有効求人倍率とは、「求職者1人に対して何件の求人があるか」を示す指標であり、この数字が高ければ高いほど、企業が必要とする人材を確保するのが難しい(人手不足が深刻である)可能性が高いことを意味します。

この調査結果をもとに、有効求人倍率が2倍を超える職業と、それらが属する業界をランキング形式で整理しました。いずれの職業も、全体平均を大きく上回る数値となっており、人手不足が特に顕著であることが分かります。

【有効求人倍率が高い職業ランキング】2024年(1月~12月の平均)

職業

主な業界

有効求人倍率(倍)

1位

建設躯体工事従事者
(例:とび・土工・コンクリート工事など)

建設業界

8.76

2

保安職業従事者
(例:警備業など)

サービス業界

6.53

3

土木作業従事者

建設業界

6.09

4

建築・土木・測量技術者

建設業界

5.60

5

建設従事者(建設躯体工事従事者を除く)

建設業界

4.64

6

採掘従事者

鉱業・採石業界

4.45

7

機械整備・修理従事者

製造業界・サービス業界

4.14

8

介護サービス職業従事者

介護業界

3.90

9

家庭生活支援サービス職業従事者
(例:家事代行、ホームヘルパーなど)

サービス業界

3.40

10

運輸・郵便事務従事者

運輸業界
物流業界

3.36

11

電気工事従事者

建設業界

3.24

12

生活衛生サービス職業従事者
(例:理美容、クリーニングなど)

サービス業界

3.23

13

保健医療サービス職業従事者

医療業界

3.18

14

医療技術者

医療業界

3.10

15

接客・給仕職業従事者

飲食サービス業界
宿泊業界

2.94

16

飲食物調理従事者

飲食サービス業界

2.80

17

販売類似職業従事者

小売業界

2.76

18

社会福祉専門職業従事者

介護業界

2.75

19

自動車運転従事者
(例:(バス・タクシー・トラック運転手など)

運輸業界
物流業界

2.60

20

医師,歯科医師,獣医師,薬剤師

医療業界

2.22

21

営業職業従事者

※業界横断
(製造、IT、商社、金融など)

2.20

22

製品製造・加工処理従事者(金属製品)

製造業界

2.13

23

保健師,助産師,看護師

医療業界

2.06

※厚生労働省|一般職業紹介状況(職業安定業務統計)~令和7年2月(第21表ー7 有効求人倍率(パート含む常用))をもとに作成
※ハローワーク以外の求人媒体を利用した数は含まれません。
※パートタイムを含む常用労働者のデータです。
※求人数1,000件以下の職業はランキングから除外しています。

【業界別】人手不足の原因と対策

前章で紹介したランキングの中でも、特に人手不足が深刻とされる以下の業界について、それぞれの主な原因と具体的な対策をみていきましょう。

  • 警備業界
  • 建設業界
  • 医療業界
  • 介護業界
  • サービス業界(飲食・観光・宿泊など)
  • 運輸・物流業界

警備業界

警備業界では、高齢化が進行している一方で、若年層の就職希望者が少ないという構造的な課題を抱えています。さらに、夜間勤務や長時間労働といった勤務形態が、求職者に敬遠されがちであること、そして賃金水準が比較的低い点も、人手不足を招く要因といわれています。

警備業界における人手不足への対策

上記の課題に対しては、以下のような対策が考えられます。

建設業界

建設業界では、熟練した技能者の高齢化が進む一方で、若年層の定着率が低く、業界全体の人材基盤が弱まっている点が大きな課題となっています。また、3K(きつい・汚い・危険)といったイメージが根強く、長時間労働や地方への出張といった勤務環境も、若者離れの一因といわれています。

建設業界における人手不足への対策

上記の課題に対しては、以下のような対策が考えられます。

(※)ICT建機:GPSやセンサーを使って建設機械を自動制御し、作業を効率化する機械。

医療業界

医療業界では、高齢化による医療ニーズの急増に加え、医師や看護師など専門職の長時間労働や精神的ストレスが常態化しており、離職率の高さが人手不足を深刻化させています。

さらに、都市部と地方との間で人材に偏りがあり、地域によっては医療提供体制が維持困難な状況に陥っている点も大きな課題となっています。

医療業界における人手不足への対策

上記の課題に対しては、以下のような対策が考えられます。

従業員エンゲージメントを向上させる「正しい施策」とは?~組織心理学の研究者×500社超のコンサル経験を持つプロが対談~を読むことで、エンゲージメント向上のための具体的な施策を把握できます。

介護業界

高齢化の進行により、介護業界の人手不足もますます深刻化しています。介護職は肉体的・精神的な負担が大きく、離職率も高い傾向にあります。さらに、他業界と比べて賃金水準が低いことが、人材確保の障壁となっているようです。

介護業界における人手不足への対策

上記の課題に対しては、以下のような対策が考えられます。

サービス業界(飲食・観光・宿泊など)

飲食業や観光業、宿泊業などのサービス業界は、コロナ禍をきっかけに多くの人材が他業種へと流出した結果、現在でも人手不足が続いています。さらに、不規則な勤務体系や低賃金、感染症対策に伴う業務増加なども、働くうえでの負担を増やしていることが指摘されています。

サービス業界における人手不足への対策

上記の課題に対しては、以下のような対策が考えられます。

運輸・物流業界

運輸・物流業界でも、ドライバーの高齢化が進む一方で、新規参入者が減少しており、人材不足が大きな課題です。2024年4月から適用された労働時間の上限規制、いわゆる「物流2024年問題」も、人手不足に拍車をかけています。さらに、長距離運転や過重労働といった過酷な勤務条件も問題視されています。

運輸・物流業界における人手不足への対策

上記の課題に対しては、以下のような対策が考えられます。

人手不足の業界における採用成功事例

人材不足が顕著な業界でも、採用に成功している企業の事例を紹介します。

【介護・医療業界】転職フェアを活用して、採用とコスト削減に成功

神奈川県湘南エリアで福祉サービスを展開する株式会社ニッショウは、人材不足が深刻な介護業界において、マイナビ転職フェアを活用し、未経験者含む4名の採用に成功しました。

オンライン選考では得られない“対面での相互理解”を重視し、転職フェアへの出展を通じて、求職者の志望度向上を実現しました。現場社員との連携や丁寧な情報発信による効果もあり、費用対効果の高い採用を実現しました。

関連記事:求職者との対話を通じて、強い志望動機を形成。転職フェアに2度参加し、計4名の採用に成功

【サービス業界(飲食)】ターゲットに合った求人媒体の活用で大量採用に成功

飲食業界で161店舗(2024年現在)を展開する株式会社INGSは、人手不足が課題となるなか、マイナビ転職を中心とした採用活動により年間15名の運営スタッフ採用に成功しました。

スカウトメールを活用した能動的なアプローチでは、「サービス職経験者」などに絞って配信し、「内定まで1週間」など心に響く件名で返信率を高める工夫を行いました。

また、求人原稿や採用ホームページへの導線づくりも工夫し、応募へつながる流れを構築するとともに、マイナビ転職の営業担当者の伴走支援により、魅力の言語化や採用設計も精度を高め、着実な成果に結びつけました。

関連記事:マイナビ転職で年間15 名の「飲食店の運営スタッフ」採用に成功!採用のために取り組んでいることとは?

【建設業界】直接対面できる転職フェアへ出展し、若手求職者の採用に成功

島根・鳥取など山陰地方で住宅事業を展開する中央建設株式会社は、労働人口の少ない地域における若手人材の確保を目的に、中途採用への本格的な取り組みを開始しました。

具体的な取り組みとして、マイナビ転職フェアに出展し、35歳以下の優秀な求職者と数多く出会い、理想的な営業人材の採用に成功しました。転職フェア会場では社長も参加し、役割分担と丁寧な対応で信頼感を醸成しました。

その後の選考ではインターンシップを導入し、求職者の不安を払拭しながら志望度を高めました。応募者の強みを引き出す面談や情報共有を徹底し、企業理解を促進。結果として未経験者でも活躍できる人材を迎え入れることに成功しました。

関連記事:求職者の企業理解を深めるために選考フローをあえて長期化。マイナビ転職フェアで出会った若手人材の志望度を徐々に高め、初参加で採用に成功

【物流業界】アルムナイの活用で採用成功

第一貨物株式会社は、全国に物流ネットワークを展開する総合物流企業です。ドライバーを中心とする人材確保が課題となるなか、再入社者(アルムナイ)の活用に注目し、採用戦略を強化しました。

マイナビのアルムナイ支援サービス「YELLoop」を導入し、SNS機能を活かして再入社の接点を広げ、即戦力人材の確保を図りました。実際に、再雇用される社員の多くが「社風の良さ」や「職場環境の働きやすさ」に惹かれて戻ることが分かっており、人間関係の良好さが定着の鍵となっています。

今後はドライバー職だけでなく事務系職種にも採用の幅を広げ、さらに社内報や制度変更の発信を通じて、魅力ある職場であることを伝えていく方針です。

関連記事:大手物流企業のアルムナイ活用事例 〜即戦力採用に向けて取り組む「本音」で交流できるコミュニティづくり〜

人手不足への対策を進めよう

2024年現在、特に人手不足が深刻なのは、警備、建設、医療、介護、サービス(飲食・観光・宿泊など)、運輸・物流といった業界です。これらの業界で人材が確保できない状態が続けば、社会全体のサービス品質の低下や、生活インフラの維持にも大きな影響を及ぼす可能性があります。

一方で、これらの業界は、少子高齢化やライフスタイルの変化にともなって、今後さらに需要が高まることが予想される分野でもあり、「成長産業」としてのポテンシャルも秘めています。

そのため、賃金や待遇の見直し、働きやすさの向上、テクノロジーの導入など、現場の改善とあわせて、採用活動そのものの見直しも重要です。今回紹介した対策や成功事例を参考に、自社に合った採用手法を検討・実践してみてはいかがでしょうか。

  • Organization HUMAN CAPITALサポネット編集部

    HUMAN CAPITALサポネット編集部

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  • 人材採用・育成 更新日:2025/06/27
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