【パワポ芸人・トヨマネ直伝】「仕事紹介」がわかりやすく伝わるスライドの作り方
社会人経験のない学生にどうしたら仕事について理解してもらい、働くイメージを持ってもらえるのだろうかと頭を悩ませている方も多いはずです。
そこで今回は、以前説明会スライドの魅力的な作り方を実践的に教えてくださった豊間根青地(通称・パワポ芸人・トヨマネ)さんが再登場! 仕事紹介ページを分かりやすく、魅力的に作るポイントを「解説編」と、実際の説明会スライドを添削する「実践編」に分けて教えていただきました。
そこで今回は、以前説明会スライドの魅力的な作り方を実践的に教えてくださった豊間根青地(通称・パワポ芸人・トヨマネ)さんが再登場! 仕事紹介ページを分かりやすく、魅力的に作るポイントを「解説編」と、実際の説明会スライドを添削する「実践編」に分けて教えていただきました。
トヨマネさん: はい、よろしくお願いします! 仕事の紹介は、確かに難しいですよね。事実を並べるだけでなく、その魅力ややりがいを理解してもらおうとするとさらに難しさを感じる方も多いでしょう。
まず私がおすすめしているのは「壁に向かってしゃべってみる」という方法です。
トヨマネさん: 仕事の紹介は、ともすれば情報の羅列に終始してしまいがちです。実際にスライドを制作される採用担当の方は、社内でもとりわけ事業や職種について深くご存じなので、「何をどう説明すれば学生にとって魅力的か」という点が逆に見えづらくなってしまう側面もあるかもしれません。
そこで、目の前に学生さんがいると思って壁に向かってしゃべってみるんです。何度か試してみるうちに、「何をどの順番で」話すのが分かりやすく魅力的なのかが見えてくると思います。
トヨマネさん: そうです。ただ重要なのは、事実の羅列が悪いわけではないということです。分かりにくくなってしまう原因は、ストーリーを描いていないからです。例を出しましょう。例えばスライド構成を考えるに当たって、この箇条書きリストは悪い例です。
単に「言いたいこと」が羅列されているだけで、一つひとつの情報が独立してしまっています。構成に慣れている人ならこれでもいいのですが、そうでないと「単に必要な情報を網羅しただけのつまらない資料」になってしまいます。
でも、これを「壁に向かってしゃべってみる」を実践して同じように箇条書きにしてみると、こうなります。
どうでしょう。情報の量は変わっていないのに、順を追って理解しやすい構造になっていると思いませんか?
トヨマネさん: そうですよね。ポイントは3つです。
シンプルな口語調にすることで語るべきメッセージの本質が見えてきますし、文章にすることで「何を伝えたいのか」が分かってきます。また、つなげて読んでも意味が通じるようストーリーにすると、スライドの順番も自然と決められますね。
トヨマネさん: はい、いいと思います。「初めてこの会社の説明会に参加したとして、この内容だと分かりやすいかな? 仕事の魅力は十分に伝わるかな?」と確認しながら聞いてもらえるとよりいいでしょう。
まず私がおすすめしているのは「壁に向かってしゃべってみる」という方法です。
― 壁に向かってしゃべってみる……どういう効果があるのでしょうか?
トヨマネさん: 仕事の紹介は、ともすれば情報の羅列に終始してしまいがちです。実際にスライドを制作される採用担当の方は、社内でもとりわけ事業や職種について深くご存じなので、「何をどう説明すれば学生にとって魅力的か」という点が逆に見えづらくなってしまう側面もあるかもしれません。
そこで、目の前に学生さんがいると思って壁に向かってしゃべってみるんです。何度か試してみるうちに、「何をどの順番で」話すのが分かりやすく魅力的なのかが見えてくると思います。
― なるほど。スライドだけに向き合っていると、ついつい事実の羅列になってしまいがちなところですが、相手を想像しながら話してみるということですね。
トヨマネさん: そうです。ただ重要なのは、事実の羅列が悪いわけではないということです。分かりにくくなってしまう原因は、ストーリーを描いていないからです。例を出しましょう。例えばスライド構成を考えるに当たって、この箇条書きリストは悪い例です。
- SEの1日のスケジュール
- SEの仕事内容
- 部署構成について
- SEの仕事の関連図
- SEのキャリアプラン
- 勤務地
単に「言いたいこと」が羅列されているだけで、一つひとつの情報が独立してしまっています。構成に慣れている人ならこれでもいいのですが、そうでないと「単に必要な情報を網羅しただけのつまらない資料」になってしまいます。
でも、これを「壁に向かってしゃべってみる」を実践して同じように箇条書きにしてみると、こうなります。
- うちの会社ってこういう組織構造になっています
- サービス開発部門はこういう部署で、多くのSEが所属しています
- SEって具体的にはこういうことをする仕事です
- SEってこんな感じのスケジュールで働きます
- SEってこういう人たちと関わります
- SEの人のキャリアはだいたいこんな感じになります
どうでしょう。情報の量は変わっていないのに、順を追って理解しやすい構造になっていると思いませんか?
― 確かに。大きな話から小さな話へと自然につながっていて、分かりやすいですね。
トヨマネさん: そうですよね。ポイントは3つです。
- 口語調で
- 単体で意味の分かる文章を
- ストーリーのようにつなげていく
シンプルな口語調にすることで語るべきメッセージの本質が見えてきますし、文章にすることで「何を伝えたいのか」が分かってきます。また、つなげて読んでも意味が通じるようストーリーにすると、スライドの順番も自然と決められますね。
— なるほど。例えば、壁ではなく学生に近い新卒社員などに聞いてもらってもいいのでしょうか?
トヨマネさん: はい、いいと思います。「初めてこの会社の説明会に参加したとして、この内容だと分かりやすいかな? 仕事の魅力は十分に伝わるかな?」と確認しながら聞いてもらえるとよりいいでしょう。
— 新卒社員に聞くというのは、説明会の時期や学生の属性(理系・文系・専門職志望・総合職志望など)に応じた理解を確認する意味でも有効になりそうですね。
トヨマネさん: そうですね。「目線を合わせる」というのは、仕事の紹介に限らず、学生向けの説明会では常に重要なポイントです。
まだ社会人としての経験がゼロの学生さんに向けて、ビジネスモデルの詳しい説明をしても理解してもらえないかもしれません。業界独自の専門用語も同様です。それらによって興味を持ってもらえるとは限りませんし、逆に理解ができなくて離れていってしまうかもしれません。
説明会の時期や学生さんの属性に合わせて、必要な情報を必要なだけ提供できるように心掛けるのは大変重要です。
その際、基本として気を付けていただきたいポイントが3つあります。
- 一言で示す(抽象)
- イメージで示す(具体)
- 他社のまねをしてみる(参考)
まず、どんな仕事なのかを一言で説明することから始めると理解がしやすくなります。事業全体がどうなっていて、採用予定のポジションがどこに当たるのか、ということをざっくり説明するといいですね。
「ざっくり」が大事です。細かく説明するよりも、理解してもらいやすいはずです。
次に、イメージで示します。先輩社員のインタビューなどを掲載するといいでしょう。仕事の魅力や得られた経験、スキルなどを生の言葉で語ってもらうことで、先に示した抽象的な仕事内容が具体的に理解できます。大まかな1日のスケジュールを呈示するのもいいですね。
そして最後に、どのような内容にすれば良いか迷ったら「(会社名) 仕事紹介」などで検索すると、採用に力を入れている企業がWEBに掲載している仕事紹介コンテンツを閲覧できます。ざっくりと一言で説明する際にどう整理しているのか、インタビューでは何を聞いているのかなど、参考になる情報が得られるでしょう。
次は、サンプルの仕事紹介スライドの添削と、サポネット読者の方が実際に使っているスライドをトヨマネさん流に手直ししていただきながら、ポイントを深掘りしていきます!では、実践編を始めます。
トヨマネさん: うーん、確かにイケてないですね(笑)。「株式会社SPNシステムデザイン」が、新卒採用でSEを募集しているという状況なのは理解できました。そして、これを「ストーリー」にしてみると、
と、こうなります。
話があっちこっちへと飛んで、支離滅裂な感じがしますよね。これがまさに「必要な情報を羅列しただけ」の仕事紹介です。
私なら、次のように整理します。
部署構成から始まり、配属予定部署の詳細、仕事内容、先輩社員の声、社内外との連携が重要であるというポイント、最後に研修プログラムについて触れました。情報が「大きなもの」から「小さなもの」へとつながっているのが分かりますか? これが、「ストーリーを描くように箇条書きにする」という方法のメリットなんです。
- SEの1日のスケジュールはこうなっています
- そして、仕事内容はこうです
- ところで、会社全体の組織構成はこうなっていて
- 外部とのつながりはクライアントと協力会社があります
- 定年までのキャリアプランはこうです
- 転勤もあり得ます
と、こうなります。
話があっちこっちへと飛んで、支離滅裂な感じがしますよね。これがまさに「必要な情報を羅列しただけ」の仕事紹介です。
私なら、次のように整理します。
- 弊社は3つの部署で構成され、新卒採用があるSE部門はサービス開発部門に所属します
- そのサービス開発部門には80名を超えるSEが在籍していて、大きく3つのサービスを開発・提供しています
- 実際の業務では、システム開発に関わる一連の業務を担当するため、プログラミング知識だけでなくさまざまなビジネススキルが身に付きます
- 実際に皆さんの先輩となる社員は仕事についてこう語っています
- 彼も語っているように、SEは社内外のさまざまな組織・部署と連携して仕事をしています
- さまざまな社内研修プログラムも用意していますので、安心してステップアップできますよ
部署構成から始まり、配属予定部署の詳細、仕事内容、先輩社員の声、社内外との連携が重要であるというポイント、最後に研修プログラムについて触れました。情報が「大きなもの」から「小さなもの」へとつながっているのが分かりますか? これが、「ストーリーを描くように箇条書きにする」という方法のメリットなんです。
— はい、確かに。ぐっと分かりやすくなりましたね。その過程で情報自体も大きく整理していただいたようなので、続いて1枚ずつのスライドを拝見していただきたいと思います。
トヨマネさん: まず、今回は「学生が初めて参加する会社説明会」を想定して、開発ツールの名前など細かな部分は省きました。情報系の学生に向けた説明会などでは、追加してもいいかもしれません。
その代わり、「大きく3つの仕事がありますよ」ということが分かりやすいように構成してあります。説明する対象と目線を合わせて、情報の取捨選択をすると良いでしょう。
その代わり、「大きく3つの仕事がありますよ」ということが分かりやすいように構成してあります。説明する対象と目線を合わせて、情報の取捨選択をすると良いでしょう。
— 大きな変化ですね! 重要な情報のはずなのに、前のスライドでは不要な情報(管理部門・営業部)と並列で、しかもかなり小さな字で説明されていたものを分かりやすく整理していただきました。また、時期や学生の属性によって情報を出し分ける、というのも有効な方法だなと思います。
トヨマネさん: ポイントは、「要するに」スライドを作るということです。相手は、こちらの話を意外なほど聞いていません。学生さんのためを思って細かく説明してあげても、ほとんどは聞き流されてしまいます。
なので、ここぞというポイント、ここだけ覚えてほしいというポイントを絞って「要するに」と言えるような優先度の高い情報を的確に伝えられるように工夫しています。
Aさん: なるほど。元のスライドでは1ページ目に「求める人物像」と「価値提供モデル」を一緒に載せていましたが、「要するに、私たちが求めている人材像はこういうものです」と分かりやすい1枚が加わりましたね。
トヨマネさん: そういうことです。ほかにも、組織図が細かすぎましたので単純化したり、どなただか分からない方の写真が大きく使われていたりしたのを削除しています。「要するに、いろいろな部署が連携しているのね」「要するに、求める人材像はこうなのね」という、ざっくりした理解を得るためです。
ほかのページも同様の整理を行いましたので、ぜひ参考になさってください。
Aさん: ありがとうございました!
なので、ここぞというポイント、ここだけ覚えてほしいというポイントを絞って「要するに」と言えるような優先度の高い情報を的確に伝えられるように工夫しています。
Aさん: なるほど。元のスライドでは1ページ目に「求める人物像」と「価値提供モデル」を一緒に載せていましたが、「要するに、私たちが求めている人材像はこういうものです」と分かりやすい1枚が加わりましたね。
トヨマネさん: そういうことです。ほかにも、組織図が細かすぎましたので単純化したり、どなただか分からない方の写真が大きく使われていたりしたのを削除しています。「要するに、いろいろな部署が連携しているのね」「要するに、求める人材像はこうなのね」という、ざっくりした理解を得るためです。
ほかのページも同様の整理を行いましたので、ぜひ参考になさってください。
Aさん: ありがとうございました!
トヨマネさん: 1ページ目で「要するに、ずばりこういう仕事です」と言い切ってしまい、その後は元のスライドにもあった「比較して説明する」ことが分かりやすいように構成しています。
ポイントは「同じ構図で色違い」を作り、色が付いている方を「こうなってほしいという理想の姿」にしていることです。
ぱっと見の直感で、「この会社はこんな接客ができる人材を求めているんだな」と理解しやすくなったと思います。
Bさん: なるほど!本当ですね。同じことを同じ方法で伝えているのに、ぐっと分かりやすくなりました。
ただ、全てのページが「比較」で伝えられるわけではないので…… ほかのページも同じように分かりやすくするにはどうしたらいいのでしょうか?
トヨマネさん: WEBで検索すると、参考にできる企業説明会スライドがたくさん見られるサイトが見つかります。
たくさんの事例を見て、「分かりやすいな」と思ったものを自分の中で「型」としてストックしておくんです。
多ければ多いほど、さまざまな情報、目的に沿ったスライドを作りやすくなりますよ。
Bさん: ありがとうございました! 検索してみます。
ポイントは「同じ構図で色違い」を作り、色が付いている方を「こうなってほしいという理想の姿」にしていることです。
ぱっと見の直感で、「この会社はこんな接客ができる人材を求めているんだな」と理解しやすくなったと思います。
Bさん: なるほど!本当ですね。同じことを同じ方法で伝えているのに、ぐっと分かりやすくなりました。
ただ、全てのページが「比較」で伝えられるわけではないので…… ほかのページも同じように分かりやすくするにはどうしたらいいのでしょうか?
トヨマネさん: WEBで検索すると、参考にできる企業説明会スライドがたくさん見られるサイトが見つかります。
たくさんの事例を見て、「分かりやすいな」と思ったものを自分の中で「型」としてストックしておくんです。
多ければ多いほど、さまざまな情報、目的に沿ったスライドを作りやすくなりますよ。
Bさん: ありがとうございました! 検索してみます。
- 人材採用・育成 更新日:2022/12/22
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