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【パワポ芸人・トヨマネ直伝】すぐに試せる! 魅力的な説明会用のスライドの作り方│PowerPointテンプレート・パーツ集付き

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多くの企業や大学で「対面」でのコミュニケーションが徐々に回復しつつある今日このごろ。そんな中でも、すっかり定番として定着したのが「WEB説明会」です。学生にとっても企業にとっても移動の手間がなく、より多くの機会を得られる方法として活用されています。

一方で、今まで以上に説明会用のスライドをしっかりと作り込まなければならないという新たな悩みの種も生まれています。過去の学生座談会からも分かるように、登壇者の雰囲気や身振り手振りなどの「非言語情報」がそぎ落とされてしまうWEB説明会では資料の見栄えが学生の評価を大きく左右しています。
そこで今回は「パワポ芸人」の異名を持ち、Twitterで10.9万人のフォロワーを持つトヨマネさん(@toyomane)に「説明会映え」のするスライドの作り方を伝授していただきました。

― トヨマネさん、今日はよろしくお願いします。今日は採用担当者の方が抱えがちなお悩みにお答えいただきたいと思います。
まずその前に、そもそも「説明会で映える」、つまり見やすくて魅力的に見えるパワポというのはどのようなものかを伺えますでしょうか?


トヨマネさん: はい、まずはその対極として「社内で稟議(りんぎ)を通すためだけのパワポ」というものを考えてみましょう。この場合、必要な要素は何だと思いますか?

― 事実がしっかりと、分かりやすく、整理されていることでしょうか。


トヨマネさん: はい、そのとおりです。説明会で使うパワポも基本的にはこれと変わりません。伝えたいことをはっきりと、分かりやすく、整理して表現していくことが大切です。極論すれば、文字だけのパワポでもいいんです。

― 本当ですか? 採用担当者としては、色や画像で印象的に分かりやすく、文字は少なく…… というところを目指していると思います。


トヨマネさん: 実は、「文字が多い」と「見やすい」は両立できるんです。そこに誤解をお持ちの方が多いですね。例えば雑誌は文字が多いですけれど、それが理由で「見にくい」「分かりにくい」とはならないですよね。

数分程度のごく限られた時間で自社のことをざっくり紹介する、というようなシチュエーションではなく、ある程度の時間を使って学生向けにプレゼンできる場合は文字が多くてもいいんです。

また逆に、「色や画像で印象的に」は逆効果になることも多いですね。ここからは実例を見ていただいた方が分かりやすいですね。

― ということで、今回は実際に採用担当者からよく聞かれるお悩みをもとに作成した「イマイチ」なパワポ資料をご用意しましたので、こちらを直していただきながらノウハウを伺えればと思います。まずはこちらのスライドです。

トヨマネさん: これは「入社後の研修予定を時系列で解説しつつ、それぞれの項目について補足もしている」というスライドですね。
時系列というところから発想されたのでしょうか、道の画像も入っていますね。

― はい。これは「必要な情報は全て入ってる」ように見えますが、一見して情報が頭に入ってこないように思います。どのようにしたらいいでしょうか?


トヨマネさん: はい、まずは情報を構造化していきましょう。
分かりやすく言うと、いくつかの「かたまり」に分けるということです。現状のスライドでも「■」の記号で区切っているのですが、直感的にそれに気付けないというのがひとつの問題ですね。

例えば……
トヨマネさん: このように、左に「時系列」のボックス、右にその詳細を解説したボックスを並べてみるのはひとつの手です。
先ほど行頭に「■」があった部分は「タイトル」と捉えることができますので、それを分離しています。それと、道の写真は背景として使ってみました。

― これは……書いてある情報量は全く変わっていないのに、かなり頭に入りやすくなりましたね。


トヨマネさん: はい。情報を「かたまり」に分けているので、自然と情報が整理されて頭に入ってくると思います。
または、こういうやり方もありますよ。
トヨマネさん: 最初のスライドと同じようにテキストの羅列ですが、「タイトル」をネイビーの太字にし、フォントサイズも大きくしました。
基本的な考え方として「同じことを言っている箇所はフォントサイズや色をそろえる」ことを意識するといいと思います。
上の例ではタイトルに当たるテキストとそれ以外で、それぞれフォントサイズと色をそろえています。

また、タイトルごとに行間が空いていますのでボックスで整理したのと同じように情報が「かたまり」に分けられて理解しやすいはずです。

最後に、ちょっとした小技ですが、写真は断ち切り(画面のギリギリまで画像を入れること)にすると、ちょっとプロっぽい見た目になると思います。

― 文字と写真しか使っていないという点では最初のスライドと同じなのに、ぐっと見やすくなりましたね。


トヨマネさん: はい。これが「構造化」ということです。このスライドの場合、「入社からの経過時間」ごとに「研修内容」が説明されています。
ボックスを用いたり、フォントサイズを変えたり、文字色を変えたりといった小さなテクニックを使って、この2つの関係性をはっきりさせることを意識するといいでしょう。

― では続いてのお悩みです。異動や転属で採用担当が代わり、そのたびに「つぎはぎ」で資料を作っているので統一感に欠けるというお悩みを伺いました。今回も、そのサンプルとして「続きものなのに統一感のないスライド」をご用意しています。こちらです。

トヨマネさん: なるほど……。おそらく、「自己紹介」のスライドにある毎日奈美さんが現在の担当者で、それ以降のページは代々引き継がれたものということなのでしょうね。確かに、スライドごとにテイストが全然違って、統一感に欠けるものになっていると思います。

先ほどお見せしたようにスライドを1枚ずつ直していってもいいのですが、それよりもここは毎日奈美さんに頑張っていただいて、「テンプレート」を作ってしまうことをお勧めしたいと思います。

― 「型」のようなものですね。


トヨマネさん: そうです。重要なのは「ヘッダー」「フォント」「キーカラー」の3つです。

「ヘッダー」はスライドの上に固定されたエリアを作ることで、これにより統一感が出やすくなります。後ほど、修正したものを見ていただくと分かりやすいと思います。

「フォント」は基本的にひとつに決めてしまうのがいいでしょう。ウィンドウズに標準搭載されているフォントの中で私のお勧めは「游ゴシック」と「メイリオ」ですね。どちらも文字の太さのバリエーションがそろっていてメリハリがつけやすく、読みやすいフォントです。これらのどちらかで全て統一していいと思います。

― 最後は「キーカラー」ですが、ここに迷いを感じている採用担当者は多いと思います。歴代の担当者の好みだったり、強調の意図があったりして過剰な多色使いになってしまうこともあるのではないでしょうか。


トヨマネさん: はい、よくある間違いのひとつですね。多色使いをすれば分かりやすくなるかと言えば、それはNOです。私の場合、資料を作るときには4色しか使わないことがほとんどですね。

― 4色のうち3色がグレー系なんですね。この場合「青」がキーカラーということになりますか?


トヨマネさん: はい、そうですね。私は個人的に青が好きなので青を使っていますが、「真っ赤」や「真っ黄色」のような派手すぎる色でなければ、極論どんな色でも構いません。コーポレートカラーがあれば、それを使うのもいいでしょう。

では、早速「ヘッダー」「フォント」「キーカラー」の3つを抑えて修正した資料をご覧いただきたいと思います。
トヨマネさん: どうでしょうか。スライドの最上部にヘッダーとして「タイトルと境界線」を入れることをルール化し、フォントは「游ゴシック」に統一しています。キーカラーは「青」で、特に他と区別したいポイントのために「黄色」をアクセントカラーとして採用しました。

― まさに「同じ人が作った」感のある資料になりましたね。1枚ずつ、コツやポイントがあればぜひ教えてください。


トヨマネさん: はい、ではまず1枚目から。

― 残念ながら読者の方には伝わっていませんが、トヨマネさんが資料を修正するスピードがあまりに速くて驚いています。作業効率をアップさせるために、お勧めのショートカットキーなどはありますか?


トヨマネさん: Ctrl+C(コピー)やCtrl+V(ペースト)のような基本的なショートカットキーを除けば、Shiftキーとマウスの組み合わせは本当によく使いますね。私はこれを「お行儀よくするキー」と呼んでいます。

― では最後に、最近の学生から聞かれる意見をもとにお伺いします。学生からは、WEB説明会の大きなメリットのひとつとして「スクリーンショットが撮れること」という意見がありました。後で復習するためだそうです。この前提のもとに、工夫すべき点などアドバイスはありますか?


トヨマネさん: 説明会だけでなく、文章や動画などでも用いられる「PREP法」と呼ばれている構成手法があります。「要点(Point)」で「Reason(理由)」と「Example(例)」を挟むやり方です。
このメリットは、最初に「今日はこんなことを話します」と予告し、その理由と例を提示した後、「今日お話ししたことは、つまりこういうことでした」と要点を振り返って終えることで、伝えたいことを相手にインプットしやすいという点です。

これをうまく使って、最後の「P」で文字量を多めに、しっかりとまとめてあげると学生はそこだけスクショして後で見返せばいいので、利便性が高いのではないでしょうか。

― 今日はありがとうございました!

WEB説明会では、これまで担当者の身振り手振り、話し方など「言葉以外」の魅力で伝えていた情報がほとんど伝わりません。
そのため、よく使われていた「一言スライド」よりも、今回ご紹介したような「構造化されて必要な情報がしっかり載ったスライド」が求められています。

その時重要なのは、担当者の頭の中で「伝えるべきこと」を構造的に捉えておくことではないでしょうか。
トヨマネさんのレクチャーでも何度か触れられた「構造化」という言葉ですが、まずはスライドを作る担当者の頭の中で情報を構造化して整理し、それを今回のレクチャーで学んだノウハウで出力する。そんな意識でスライド作りに臨むと良い結果が得られるのだと思います。
  • Person 豊間根 青地

    豊間根 青地 シリョサク株式会社 代表

    東京大学工学部卒業。サントリー在籍時から独自の切り口で物事を捉えたスライドをTwitterに投稿し始め、現在ではフォロワー数11万人以上の絶大な支持を得る。モットーは「くだらないけど、ためになる」。
    現在はビジュアルコミュニケーションをサポートする会社を立ち上げ、講演活動や企業へのアドバイスなど精力的に活動している。
    Twitterアカウント:@toyomane

  • 人材採用・育成 更新日:2022/09/18
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