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広報ツールの新定番に?採用シーンでのショート動画活用法

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採用広報のツールは、伝統的に使われてきたパンフレットやポスターからウェブサイト、VODコンテンツ、オンライン説明会など多岐にわたります。
それらをいかにして組み合わせ、学生の思考・行動パターンに合わせた効率的な広報を行うか、というのは採用担当者の腕の見せどころの一つです。

戦略立案のためには、もちろん新しい採用広報ツールの情報もキャッチアップしなくてはなりません。
そこで今回は、新たな採用広報ツールとして注目を集めつつある「ショート動画」について、その活用法、制作のポイントについて話を聞きました。

― 今日はよろしくお願いします。今回のテーマは短尺の動画である「ショート動画」ですが、まずは採用広報ツールにおける「動画」がどのような変遷を遂げてきたのかをお聞かせください。


松岡: はい。動画自体は長らく使われてきた採用広報ツールです。企業説明会で会社紹介動画を投影するなど、10年以上前から使われてきました。

今と違うのは、ある程度興味を持った人が集まるクローズドな場で、自社をより知ってもらう、より好きになってもらうために使っていたという点でしょうか。
今はもっとオープンな場で、興味喚起のためのツールとして動画が使われています。

― 採用活動がオンライン化して、学生に動画を見てもらうのが簡単になったという流れも関係ありそうですね。


松岡: そうだと思います。採用のオンライン化が進んでいるのと併せて、今の学生はYouTubeやTikTokなどで気軽に、いつでも動画に触れているという環境の変化もあります。

― カスタマージャーニーマップ(※)における、動画の投入タイミングが早くなっているということですね。


※カスタマージャーニーマップ:一般には、顧客が商品を購入するまでの動きを時系列でモデル化してマーケティング戦略を考えるための図を指す。ここでは「顧客」を「学生(就活生)」に、「購入」を「選考参加」に置き換えて考えている。

松岡: そうです。一般的に、就活生のカスタマージャーニーマップでは前期が「発見・興味喚起フェーズ」、中期が「情報収集フェーズ」、そして後期が「比較・検討フェーズ」と分かれています。


また、学生が1社当たりに使える時間という点で見ると、後期になればなるほど志望企業を絞っていますので、その時間は長くなります。

既存の採用動画は、就活後期に当たるタイミングで投入しますので、目的が「企業研究」や「意識醸成」で、長尺でも問題ありません。
しかし同じ考え方でショート動画を作ると、その時点での学生が望んでいるのとは違うものを作ってしまうことになることに注意が必要です。

― 発見・興味喚起フェーズに必要な内容、許容される動画尺を意識する必要があるということですね。


松岡: そうです。「発見・興味喚起フェーズ」では志望先がまだ絞れていないため、1社1社に使える時間は短い。その点でも短く要点を押さえた「ショート動画」が学生の求めているものと合致しているのだと思います。

― 過去と比較して動画制作のハードルが下がったことも、カスタマージャーニーマップの前半で動画を投入できるようになった理由の一つのように思いますが、いかがでしょうか。


松岡: そうですね。少し前まで、動画制作というのは「プロの領域」でした。採用サイトに動画を載せようと思ったら、動画制作チームを編成して、予算も別に取って、数日かけて撮影し、編集、修正、納品と1カ月以上のスケジュールを見込むのが普通でした。

これまではカスタマージャーニーマップの後半で動画を投入するのが普通だったという話をしましたが、検討・制作プロセスに係る工数の観点から、そうせざるを得なかったという事情もあったと思います。
また、長尺で作ったものの途中で離脱されてしまう、そもそも見てもらえないという恐れもあることから、就活後期の志望度が高い学生に対して映像を届けることで、彼らのさらなる志望意欲向上のために活用する方が、前半に投入をするより効果的であるという意識もありました。

ですが、今ではスマホひとつあれば撮影、編集、そして動画サイトへのアップロードまでできる時代ですから、早く・安く動画を作れるようになりました。
より志望度の低い、「発見・興味喚起フェーズ」の学生向けにも動画が作りやすくなっています。

― やろうと思えば、採用担当者が個人で撮影・編集ができる時代ですね。


松岡: そうだと思います。スマホカメラの進化は目覚ましいものがありますし、スマホ向けのスタビライザー(※手ブレを吸収する装置)も安価ですから、映像の質という面ではプロの作ったものに近づいています。

つまり、「学生の動画接触態度の変化」「採用広報における動画の役割変化」、そして「動画制作環境の変化」がそろったことで、今、ショート動画が採用広報ツールとして大きく注目されているのだと思います。

― 採用担当者が「作れる環境になった」ことと、「作れるようになる」ことの間には大きな溝がまだまだあるように思うのですが、その点はいかがでしょうか?


松岡: はい。まだまだ新しい採用広報ツールですのでノウハウの蓄積がなく、実際に制作するには苦労もあると思います。ここでは、採用担当者自身がショート動画を制作するに当たって気を付けるべきこともご紹介したいと思います。

― ぜひお願いします!まず、動画の「内容」についてはどう考えればいいでしょうか?


松岡: もちろん目的によって変わってくるという前提はありますが、大切なのは「動画でしか見せられないもの」を意識することでしょう。

例えば、社員の業務であれば写真とテキストでも伝えられるかもしれません。でも、職場紹介であれば、カメラを持ってオフィスを歩き回って撮影した方がリアルに伝わります。
また、「この工場で作っているもの」についてはテキストで伝えられても、実際に工作機械が動くことで生まれる迫力は、動画でないと伝えられません。

このように、「動画ならではの価値を生み出せる対象」を探していくことがまずは大切だと思います。

― 「目的によって変わる」というお話もありました。最近の学生の傾向として「楽しく働きたい」という志向も見受けられますが、例えばこういった学生を対象にすると、どういった ショート動画が考えられるでしょうか?


松岡: もちろん、社員が「楽しそう」に仕事をしている様子を動画にするのが一番かと思いますが、一方で、「うそっぽい」ものが非常に見抜かれやすいという点に注意していただきたいと思います。
先ほどから申し上げているとおり、今の学生は長尺・短尺問わずに動画を日常的に見ていますし、豊富に受け取るコンテンツの中から自分に役立つものを取捨選択しています。コンテンツを見る目が非常にシビアになっているんです。

「この社員、セリフを読まされているな」とか、「演技しているな」といったことは、すぐに見抜かれてしまいます。
「見せたい会社の姿を作り上げる」ことではなく、「自社のリアルな様子をいかに魅力的に伝えられるコンテンツにするか」ということに心を砕くべきでしょう。
結果としてイメージとのかい離によるミスマッチや、入社後の早期離職を防ぐことにもつながると思います。

― スマホであっても、カメラを向けられれば緊張してしまうのが普通ですよね。リアルな様子を撮影するというのは、意外と難しいことではないかと思うのですが……。


松岡: そうですね。過去に私が制作を担当した案件でも、やはり「働いている人のリアルな姿や『素』の部分」をいかに見せるかということが課題になったことがありました。その際、クライアントの性質を含め、各種条件を鑑みて取った手段は、「NGシーンだけを集めた動画を作る」ことでした。

まずは普通のインタビュー動画を撮影します。これはこれで、採用サイトへの掲載などの形で活用します。さらに、その撮影の際に出てきたNGシーンだけを集めて編集してみたら、社員一人ひとりの「素の表情」が映し出された、狙いどおりの映像になりました。
あくまで一例ですが、考え方として参考にしていただけるとうれしいですね。
学生を取り巻く動画文化の変化、そこから生まれた「ショート動画」という新しい形式が採用広報における興味喚起フェーズと相性が良いことが取材からよく分かりました。

マイナビでは「マイナビ2024」より、掲載企業限定企画として1分間の企業PR動画を集めたショートムービーギャラリー(https://job.mynavi.jp/conts/2024/tok/shortmovie/)をリリースしました。学生の企業探しの発見軸として文字以外の情報を伝えられる新サービスで、構成は「入社理由インタビュー」「1分でわかる会社紹介」、「オフィス見学・工場見学ツアー」などのフォーマットから選び、プロのカメラマンが撮影に伺う……という手軽さも魅力です。ご興味のある方はぜひお問い合わせください。
  • Organization HUMAN CAPITALサポネット編集部

    HUMAN CAPITALサポネット編集部

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  • 人材採用・育成 更新日:2022/10/05
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