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学生が集まらないのは募集要項に原因があるのかも? 専任担当者に聞いた、魅力的な募集要項の作り方

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就職活動を行う学生のほとんどがマイナビなどの就職情報サイト(以下、ナビサイト)を利用し、企業探しを行っています。

つまり、企業側から見れば学生との最初の接点となるのは大半がナビサイト。特に「募集要項」については自社の情報と魅力を発信するための大切な場として、毎年工夫を凝らして情報を掲載されていると思います。
しかし、日々ナビサイトで募集要項の掲載文書を制作し、審査する立場から見ると、「もったいない!」と感じる場面も少なくないのだとか…。

今回はマイナビで募集要項の制作をお手伝いしている城野通子と、募集要項の掲載審査を行っている佐藤貴之に「人が集まる募集要項」の作り方を聞きました!

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― 今日はよろしくお願いします。まず、募集要項を作る際に大前提として備えておくべきもの、心構えはどのようなものでしょうか。


佐藤:まずは法律にのっとった情報になっていることが大切です。募集要項の表示には多くの法令が関わってくるため、細かくルールが定められています。 詳しくはこちらの記事で触れていますので細かい内容は省きますが、気を付けていないと意外と見落としてしまうような点は多いですね。

特に注意していただきたいのが、給与などの基本情報と福利厚生。大きく変わっていないから、と前年踏襲で進めてしまうと、関連法令の改正によって違法な求人内容になってしまう場合があります。

中でも、見落とされがちなのは最低賃金割れです。毎年10月に最低賃金が更新されますが、今年の更新で全国の加重平均が時給1,000円を超えました。最も低い岩手県でも893円となっており、これは2014年当時の東京よりも高い金額です。

労働時間と給与を確認し、拠点を置く都道府県の最低賃金を下回っていないかはよく確認していただきたいですね。

また、自社内で規定変更があっても、小さなことだと見落としてしまうということもあり得ます。
例えば福利厚生のうち何かが廃止された、というようなものです。

職業安定法では、募集要項の記載と実態が異なっている場合、求職者と最初の接点を持つ前に通知する義務があると定められています。
新卒採用で言えば、最初の面接やリクルーターによる接触よりも前に、学生に知らせる必要があるということです。

お忙しいとは思いますが、その手間をかけるより、毎年公開前にしっかり時間を取って原稿内容の見直しをしていただく方が、結果的には効率が良いと思います。

― ほか、気をつけておくべきことは何でしょうか。


城野:ナビサイトには自社のアピールポイントを入力できる欄がいくつかありますが、そこで誇大な表現を使わないように気を付けていただきたいですね。

多くの学生に注目してほしいのはどの会社も同じですが、学生側は募集要項にある内容を「真実」だと受け取ります。企業側からすればちょっと誇大表現をしただけであっても、説明会や面接でそれが「誇張された真実」であることが分かれば学生は落胆し、信頼を失う結果となるでしょう。

ポイントは、「学生にも伝わる言葉」で「正直に」書くことです。

例えば「営業職」と書かずに、「フィールドプランナー」のような曖昧な言葉を使ったとします。企業側からすればただの言い換えですし、社会人ならこれが営業職のことを指しているのは何となく分かりますが、学生には伝わりません。

― 学生からすれば「だまされた」と感じてしまいそうです。


城野:そのとおりです。まずは「営業職」であることをきちんと提示した上で、自社の営業職がどのようなものなのか、どんなやりがいや面白みがあるのか、といった内容を別の欄で紹介するようにした方がいいですね。

また、「和気あいあいとした」「風通しがいい」といった好感度の高い表現も、多くの企業さまが同じ表現を使われるので、あまり魅力に感じてもらえないことがあります。社員同士のどういう行動が和気あいあいなのか、こういう取り組みをしているから風通しがいいといった、具体的な内容を添えて、貴社ならではの特長を表現していただくと良いと思います。

― 採用担当者の方がご自身で書くのは難しそうにも思えます。


城野:そうかもしれません。そういう場合は弊社のような外部の人間にご依頼いただいてもいいですし、そうでなければ社内で若手社員に見てもらうなどして、「学生に伝わるか」「誇大な表現になっていないか」を確認しましょう。

― ナビサイトの募集要項には、さまざまな欄があります。マイナビでいえば「会社紹介記事」「プロフィール」「事業内容」など、ぱっと見では似た内容に見える項目もあります。どこに何を書けばいいのか……とお悩みになる方もいそうです。


佐藤:確かにすみ分けが難しい項目かもしれませんが、学生に伝えたいポイントをきっちりと分けることで、「会社紹介記事」にも「プロフィール」にも同じようなことが書いてある、という状況は防げると考えます。
学生は多くの企業の募集要項を見比べてエントリーする企業を決めますので、一つひとつを詳細に見るとは限りません。

ですので、似た内容を繰り返すのではなく、それぞれの項目で形式やメインの話題を変えることが有効だと思います。例えば「プロフィール」には会社の基本情報や来歴などの客観的事実を、「会社紹介記事」では代表者からのメッセージや先輩社員のインタビューなどで魅力を押し出す、といった要領です。

城野:いま、学生の企業エントリー数は、一人当たり20~30社ほどと言われています。
そのわずかな社数の中に自社を入れてもらうためには、まず募集要項の第一印象で心をつかまなくてはいけません。

アピールしたいことを整理し、どこに何を載せるべきか、最初に学生の目に触れるのはどこか、よく検討して有効に活用してください。

― 第一印象という言葉がありましたが、その点では写真も大切になってきますよね。


城野:そうなんです。どのナビサイトも写真を豊富に掲載できる作りになっていると思います。マイナビも同じです。
文字だけの募集要項を作っていらっしゃる企業さまもいらっしゃいますが、とてももったいないですね。

一部の大企業を除いて学生は基本的に自社のことを知らないという前提に立てば、文字よりもまずは写真で雰囲気を知ってもらい、興味をつかむことが大切になってきます。

写真は1秒見ただけで印象に残りますからね。その印象次第で原稿に目を移す確率が変わると言っても過言ではありません。

― 確かに。


城野:なので、ここで自社の魅力を最大限に表現していただきたいですね。社内の様子を載せるなら「PCに向かって淡々と仕事をしている様子」よりも、「複数人でコミュニケーションを取っている様子」や「リラックスした談笑シーン」といった躍動感のある写真の方が、社員や社内の雰囲気はよく伝わります。

また、色味を明るく、笑顔で、グリーン(観葉植物など)を入れた柔らかな雰囲気を目指してください。
ただ、すでにお伝えしているように、「誇張」はしないことが大前提です。好印象を得るために作り込んでも、学生が面接や説明会などで自社を訪れればそれが誇張であったことはバレてしまいます。結果、採用にプラスに働くことはありません。

― ここまで伺ってきたように、募集要項にはさまざまな載せるべき情報、載せることのできる情報がありますが、逆に「あえて書かない」という選択をする場合もあるのでしょうか。


佐藤:法令や業界団体等などの指針で定められた明示必須項目を除けば、制度などの開示は基本的に任意です。
ただ「ある制度を書かない」というのは、自社の魅力を出し切れていないとも言えますので、率直にもったいないと感じます。

城野:私も佐藤と同意見です。
「書かない」ことで応募してくる学生の傾向を絞りたい、例えば「福利厚生を書かないことで、業種や職種に高い興味と理解を示す学生だけを集めたい」という考えのある企業さまがいることは否定しませんが、果たしてそれが適切な母集団形成に有効な手段か、と問われれば「No」と答えます。

先ほどもお伝えしたように、今の学生はエントリー数を絞る傾向にあります。そして、企業を検索する際には「○○がない」という絞り込み方はせず、自分の希望する条件で検索し、募集要項を見てエントリーする企業を絞り込んでいきます。

なので、自社が出せる情報は全て提示し、少しでも検索に引っかかるようにし、興味のある学生を集められるように工夫した方がいいでしょう。その上で、企業側が学生の資質を見極めていけばいいのです。

当然のことのようですが、募集要項に書かれた内容を学生は「真実」として受け取ります。なので、虚偽の内容を記載しないことはもちろん、真実を隠してしまうような誇張表現も避けて、正直に、そして正確に書くことが大切なようです。

その上で間口を広く取ることも併せて必要になってきます。ご自身が就活生だった頃と今との状況の違いをよく認識し、「今の学生」に響く内容で多くのエントリーを集められるよう工夫をしていきましょう。

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  • Organization HUMAN CAPITALサポネット編集部

    HUMAN CAPITALサポネット編集部

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  • 人材採用・育成 更新日:2023/12/12
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