労働基準法とは? 人事・採用担当者が注意すべきポイントも解説
労働者を採用する際には、必ず明示しなければならない事項があります。必ず明示しなければならないことは、以下のとおりです。
- 契約期間
- 期間の定めがある契約を更新する場合の要件
- 就業場所、従事する業務
- 始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて就業させる場合における就業転換
- 賃金の決定、計算及び支払方法、賃金の締切及び支払の時期
- 昇給
- 退職(解雇の事由を含む)
6の昇給に関する項目を除き、原則書面を交付して明示しなければなりません。また、定めた場合に明示しなければならないことは以下のとおりです。
- 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払いの方法並びに退職手当の支払いの時期
- 臨時に支払われる賃金(退職手当を除く)、賞与等並びに最低賃金額
- 労働者に負担させるべき食費、作業用品など
- 安全及び衛生
- .職業訓練
- 災害補償及び業務外の傷病扶助
- 表彰及び制裁
- 休職
※参考:労働基準法の基礎知識│厚生労働省
賃金とは、賃金、給料、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払う全てのものをいいます。労働基準法第24条では、賃金支払いの5原則が定められています。以下は、賃金支払いの5原則です。たとえ労働者の同意があったとしても、最低賃金額を下回ることは禁止されています。最低賃金額は、都道府県ごとに決められています。
- 通貨払い
- 直接払い
- 全額払い
- 毎月1回以上払い
- 一定期日払い
※参考:労働基準法の基礎知識│厚生労働省
労働基準法第32条、第40条では、法定労働時間の上限は、原則として1日に8時間、1週間に40時間までと定められています。法定労働時間は労働基準法で定められている労働時間で、所定労働時間は労働契約上、労働義務を負う時間を意味します。
労働基準法第35条によると、少なくとも毎週1日、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければならないと示されています。休日とは、労働契約上、労働の義務がないものとされた日のことを指します。
※参考:労働基準法の基礎知識│厚生労働省
労働基準法第34条には、6時間を超えて8時間以下の場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上休憩しなければならない、と示されています。労働者が休憩をとっている間に、来客や電話の対応をするように指示している場合は、労働時間と見なされる可能性があるため、注意が必要です。
※参考:労働基準法の基礎知識│厚生労働省
労働基準法第37条には、時間外・休日・深夜労働を行わせた場合に割増賃金を支払わなければならないと示されています。法定内残業は所定労働時間を超えた法定労働時間以内の残業、法定外残業は法定労働時間を超える残業のことです。2021年4月には、残業に関わる「36協定」の届出の様式が新しくなっています。
※参考:労働基準法の基礎知識│厚生労働省
労働基準法第39条では、雇い入れ日から6カ月間継続して勤務し、全所定労働日の8割以上出勤した労働者に年次有給休暇が与えられる、と示されています。なお、パート社員の場合は、比例付与の対象となっています。比例付与とは、労働時間と労働日数が増えるにしたがい、比例して有給休暇の日数も増える仕組みのことです。
なお、1週間の労働時間が30時間以上の労働者と、労働時間に関係なく週5日働いている労働者は、正社員と同じ有給休暇日数の対象となるため、注意が必要です。また、年次有給休暇が10日以上付与される労働者に対しては、年5日の年次有給休暇を取得させる義務があります。
※参考:労働基準法の基礎知識│厚生労働省
労働基準法第20条には、やむを得ず労働者を解雇する場合は、30日以上前に予告するか、解雇予告手当を支払う必要があると明記されています。労働基準法第19条には、業務上の傷病や産前産後による休業期間とその後30日間は、原則として解雇できないとも示されています。
※参考:労働基準法の基礎知識│厚生労働省
- 人材採用・育成 更新日:2023/04/06
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