最新データから読み解く!「Z世代」の価値観と介護業界の採用動向【介護職採用シリーズ_vol.1】
アンケート調査で「育児休業を取って積極的に子育てをしたい」と答えた学生の割合も変化しています。20年卒では女性66.0%、男性43.6%と開きがありましたが、24年卒では男女ともに約6割(女性63.2%、男性61.3%)となり、男女間の開きがほとんどなくなっています。
また、男性に積極的に子育てしたいと考える理由を聞くと、「育児期間中は育児に専念したいから」(32.9%)、「育児休業を取るのは当然の権利だと思うから」(31.5%)が僅差で並びました。これらの結果からは、男子学生の間に「父親の育児参加は当然」という意識が広がっていること、プライベートを重視する傾向が強まっていることがうかがえます。
※出典:マイナビ2024年卒 大学生のライフスタイル調査(2022年11~12月実施)
新卒採用を予定している介護法人では、ここまで解説してきた採用動向やZ世代の価値観を踏まえて、採用活動を見直す必要があります。
介護業界では5月以降にようやく求人募集をスタートする法人も少なくありませんが、その頃にはすでに大多数の学生が内々定を得ているのが現実です(前出の「就活の早期化・長期化が進んでいる」の項を参照)。就職活動が早期化している動きに合わせて、可能な限り採用スケジュールを早めましょう。
介護業界でも学生のニーズが高まっているインターンシップについても、早めに受け入れられるように体制を整えていくと、さらによいでしょう。ニーズの高まりとともにインターンシップを実施する法人も増加傾向にあるため、実施さえすれば多数の応募が集まるとは限りません。しかし、だからこそ早い段階でインターンシップをスタートして、集客や採用につなげるノウハウを蓄積していくことが重要です。
見学会や説明会などで自法人を紹介する際には、長く安定的に働ける職場だと感じてもらえるようなアピールをすることが大切です。たとえば入社後1年、3年、5年、10年、20年といった短期から長期までの具体的なキャリアステップの事例、従業員の休暇取得実績などを示すとよいでしょう。
また、面接では当面の間、定番の質問である「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」をアピールしづらい学生が増えると予想されます。というのも、コロナ禍では「ガクチカ」としてよく選ばれるテーマだったサークル活動やアルバイト、留学などを経験しにくかったためです。
したがって法人側には、「ガクチカ」以外の要素から応募者の人柄や能力を見極める工夫が求められます。たとえば、大学時代の経験に限定せず、これまでの人生を振り返って特に努力したことを聞く、学業面で特に力を入れたことや課題を乗り越えたエピソードを深掘りするといった工夫が考えられます。
なかには、見極めの精度を高めるために応募者に適性テストを受けてもらい、その結果と書類や面接でのアピール内容とに大きくかけ離れた部分がないかを確認している法人もあります。
- 人材採用・育成 更新日:2024/01/31
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