ゴールデンウィーク中に新卒採用活動をする企業はどれくらい?学生対応はどうする?
しかし、例年のことですが、ゴールデンウィークは採用広報開始から約2カ月後、選考活動開始まであと約1カ月という、なんとも落ち着かないタイミング。
ゴールデンウィーク中にも採用活動をすべきなのかどうか、なかなか決断ができない採用担当者の方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回はマイナビが実施した企業アンケートをもとに、ゴールデンウィーク中の採用活動について業種、従業員規模などカテゴリーに分けた結果をご紹介します!
ゴールデンウィークとはいえ、採用活動の真っ最中。その中で、エントリーの受付やセミナーの予約受付など、企業側からの積極的な働き掛けがないものを除いた、選考をはじめとした採用活動をする予定の企業は、どの程度あるのでしょうか。
まずは気になる全体の傾向を見てみましょう。
全294社が答えたアンケートで、「する予定」と答えたのはわずか14%。約8割が「しない予定」と回答しています。
10連休だった2019年(2020年卒)に同じくマイナビで実施したアンケートでは、同様の質問に対する回答が68.4%でしたので、「しない予定」が10ポイント近い伸びとなりました。
理由として、「働き方改革」が浸透し、会社として土日に稼働しづらくなったという点が挙げられるでしょう。また学生も仕事とプライベートにメリハリを付ける働き方が当たり前であると考えるようになっています。そのため、ゴールデンウィーク中に採用活動を行うことで、「世間が休んでいる間にも働いている(働かなくてはならない)会社」というイメージを学生に持たれてしまうことは、採用戦略上、大きなマイナスとなり得る可能性が高く、避けているという可能性もあります。
こちらは23年卒の学生に「重視する福利厚生・各種制度」は何かを尋ねたアンケートの結果です。
「土日祝日以外の休暇制度」が1位、かつ他の項目と比較しても高いポイントを得ていることからも、学生が仕事とプライベートのメリハリを付けた働き方を望んでいることが分かります。
次に、業種別のアンケート結果を見ていきましょう。
傾向として「小売」「サービス・インフラ」「官公庁・公社・団体」は他と比べてゴールデンウィーク中に採用活動「する予定」の回答が多くなっています。(※)
※:業種別「金融」は有効回答数が4と、他業種と比較して極端に少なかったため、ここでは考慮に入れておりません。
共通する特徴として、一般消費者に近いBtoC寄りの業種であるという点があります。
また、メッセージの作り方によっては「社会を支えている」という企業の使命を伝えることもでき、仕事に対するやりがい、意義を感じ取ってもらうこともできます。
しかし、いずれにせよ先ほども解説したように、仕事とプライベートのメリハリを付けた働き方を重視する学生は多いため、ゴールデンウィーク中に採用活動を行う場合は自社の休暇制度についてきちんと説明をして、安心感を持ってもらうことは重要です。
このように、「1−2日」が圧倒多数という結果になりました。
では、この短期日程でどのような採用活動を行うのでしょうか。
「説明会」と「面接などの選考活動」で半数以上が占められる結果となりました。
説明会は、先にも解説したとおりゴールデンウィークが休暇にならない業界を中心に、学生の休みに合わせて参加しやすい日程で実施しているようです。
また、採用活動の早期化に伴って選考活動をすでに開始している企業も多くなっています。
注目すべきは、「学生からの問い合わせ対応」も他の2つに劣らず高い割合を示していることでしょう。
就職活動真っただ中ということもあり、学生は非常に多くの企業を同時に検討・選考参加しています。
その中で、選考や説明会の日程変更や内容の問い合わせなど、ちょっとした疑問を企業側に尋ねることも多く、その対応の質とスピードが企業への評価につながってしまうこともあります。
そのため、仮に採用担当者は出勤していなくとも、アウトソーシングサービスを利用して問い合わせ対応だけはゴールデンウィーク中も続けるという選択も検討すべきかもしれません。ゴールデンウィーク明けにたまった学生対応に追われてしまう、という事態も避けられます。
最後に「ゴールデンウィーク中の採用活動を行わない」という場合に準備しておきたいことをお伝えします。
ゴールデンウィークのような長期休暇では、自社に興味を持っている学生との連絡がその期間途切れることとなります。
その間に他の企業の情報に触れたり、ゴールデンウィーク前の説明会の内容や印象を忘れてしまったりということがあり得ます。
そのため、ゴールデンウィーク直前にメールで次の説明会のスケジュールを連絡しておく、ゴールデンウィーク中に自宅や帰省先に届くように紙DMを送付しておくなどをすると、興味や志望度維持の効果が期待できるでしょう。
アンケートの自由記入欄では、「ゴールデンウィーク中に学生の反応は通常と異なりますか?」との問いに対し、多くが「(問い合わせや連絡が)少なくなる」と回答していました。
とはいえ、9日分ともなればそれなりの量になることは想像できます。そこで、ゴールデンウィーク明けにまとめて問い合わせ対応をする場合のフローは考えておくといいでしょう。
「選考関係」「説明会関係」「その他」と分ける、日程の迫った説明会に関するものなど緊急性の高いものから返信をするなど、ルールを決めておくと混乱がありません。
リテンション(引き留め)施策に近いものですが、ゴールデンウィーク後の予定を先に伝えてスケジュールに入れておいてもらえるような連絡も有効です。
その場合、「すでに接触のあった学生」「すでに選考に進んでいる学生」のほか、「これから説明会などに参加する可能性のある見込み学生」など、ターゲットの種別に分けたメッセージを用意しましょう。
「5月8日(月)13時から第二次エントリーを開始します!同日にWEB説明会も実施しますので、ぜひ下記のリンクからご予約ください」
のように、予約までゴールデンウィーク前に済ませられるような内容になっていると、より効果的です。
ここまで見てきたように、そもそもゴールデンウィーク中の採用活動をストップしている企業、あえて積極的に行う企業、問い合わせ対応だけは続けていく企業など、その対応はさまざまです。
その背景には、メリハリのある働き方を重視する就職観や、就職活動の早期化によって多忙な学生への配慮など、さまざまな形で学生への配慮が見られます。今回実施したアンケートでも、「学生からの反応は決して多いわけではないが、普段、学業や部活動が忙しく、ゴールデンウィークなどの長期休暇にしか活動できない学生のためにも採用活動を実施している」という声もありました。
採用担当者の皆さまも、長い採用活動の中休みとして十分に休息を取っていただきながら、自社のターゲット学生が持つ特性を考慮した施策の実施をぜひ行ってみてください!
- 人材採用・育成 更新日:2023/04/07
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