24年卒の就活生を知る!どのような社会問題に興味を持ち、それらの問題に対してどう考えているのか
今回のコラムでは、今年の新卒採用のターゲットである24年卒の就活生についてより深く知るために「マイナビ 2024年卒 大学生のライフスタイル調査(以下、24年卒ライフスタイル調査)」のデータを元に、どのような将来像を描いているかや、どういったことに興味を持っているか、について紹介させていただきます。将来、会社を背負って立つ人材を採用するためにも、就活生たちの生の声にぜひ耳を傾けていただければと思います。
この設問は15年卒から調査を開始したのですが、当時「男性の育児休業取得」は新鮮な話題で注目度が高く「育児休業を取って子育てしたい」女子 69.2%に対し、男子 40.5%は「意外と高い」ということで話題となりました。しかしその後、実際の男性の育児休業取得率がすぐには高くならなかったため、男子の「育児休業希望」割合も下がり、一時は男女差が33.7ptまで開きます。ところがそこから年々「男性の育児休業」に対する世間一般の意識が変化していき、24年卒では「育児休業を取って子育てしたい」女子 63.2%に対し、男子 61.3%で、男女差は1.9ptとほぼなくなりました。つまり、24年卒の就活生にとって「育児休業」は「男女関係なく子育てをするなら当然取るもの」という感覚になったと言えます。
興味のある社会問題 (複数回答)
○男女別・TOP10 *男女共通してTOP10入り △男女どちらかのみTOP10入り
24年卒 | 24年卒 | |||||||
男 子 | 女 子 | |||||||
1位 | 地球温暖化 * | 28.5% | 1位 | 少子化・働く女性支援 * | 41.1% | |||
2位 | 高齢化社会・介護問題 * | 25.7% | 2位 | LGBTQ+ △ | 32.1% | |||
3位 | 格差社会 * | 25.2% | 3位 | 食品ロス・フードロス △ | 32.0% | |||
4位 | デジタル化・DX △ | 23.9% | 4位 | 同性婚・パートナーシップ制度 △ | 30.9% | |||
5位 | 年金問題 △ | 23.3% | 5位 | ジェンダー平等・社会的性差 △ | 29.8% | |||
6位 | 安全保障 △ | 22.8% | 6位 | 高齢化社会・介護問題 * | 27.8% | |||
7位 | 少子化・働く女性支援 * | 22.7% | 7位 | 格差社会 * | 26.3% | |||
8位 | 国際政治・民主化運動 △ | 22.4% | 8位 | いじめ・教育問題 * | 25.5% | |||
9位 | 世界平和・国際紛争解決 △ | 22.1% | 9位 | 貧困・食糧危機 △ | 24.6% | |||
10位 | いじめ・教育問題 * | 21.1% | 10位 | 地球温暖化 * | 24.4% |
結果を見ると、男子と女子で興味の対象となる社会問題に大きな違いがあることが分かります。女子のTOP10のうち2位~5位と9位が男子のTOP10にはランクインしていません。これらの社会問題の男子の順位は「LGBTQ+(27位・12.6%)」、「食品ロス・フードロス(12位・20.8%)、「同性婚・パートナーシップ制度(29位・10.7%)」、「ジェンダー平等・社会的性差(23位・13.7%)」、「貧困・食糧危機(17位・18.5%)」となっています。5つのうち3つが20位以下と下位に位置しており、この3つは特に男女差が大きいと言えます。
なお、逆に男子のTOP10にあって女子のTOP10にない5つの社会問題について、女子の順位を挙げると、「デジタル化・DV(22位・14.0%)」、「年金問題(12位・19.9%)」、「安全保障(26位・11.2%)」、「国際政治・民主化運動(21位・14.1%)」、「世界平和・国際紛争解決(11位・21.8%)」となっており、こちらも5つのうち3つが20位以下でした。
なお、逆に男子のTOP10にあって女子のTOP10にない5つの社会問題について、女子の順位を挙げると、「デジタル化・DV(22位・14.0%)」、「年金問題(12位・19.9%)」、「安全保障(26位・11.2%)」、「国際政治・民主化運動(21位・14.1%)」、「世界平和・国際紛争解決(11位・21.8%)」となっており、こちらも5つのうち3つが20位以下でした。
「少子化・働く女性支援(女子1位・男子7位)」について語る
- 今の世の中では、子育てや子どもに関するあたりが強くなっていると思います。そのような世の中では子どもを産んで育てたいと思う人も減ってくると思います。以前にもまして行政の介入が必要になってくると思います。(文系女子)
- 少子化を女性の社会進出の影響だけで考えてはいけないと思う。現在は、男性が家庭を支えて女性は家庭を守るという形では成り立たなくなってきているため、働く女性への支援はもちろん、働く男性への支援も進めなければならないと思う。(文系女子)
- 少子化が続くと、日本の人口が減って、日本の生産性が落ちてしまう。子育てとキャリアアップを両立させる仕組みづくりが必要だ。(理系女子)
- 少子化問題で最近今年の出生率がかなり低いことをニュースによって知った。歯止めはかからないと思うが、少子化を緩やかにすることは可能だと考えるので、政府は今の政策を見直し、少子化を緩やかにするための政策を速やかに考えるべき。(文系男子)
「地球温暖化(男子1位・女子10位)」について語る
- 現在世界中で深刻な環境問題が起こっている。その中でも地球温暖化の深刻化が叫ばれている。この問題を解決するためにはまずは、全ての人がこの問題の深刻さについて学び、議論する必要がある。(文系男子)
- 地球温暖化問題について興味がある。現在世界では、ガソリン車から電気自動車ないしは水素自動車に移行しようとしている。自動車産業が盛んな日本は今後どのように対応していくのか気になる。(理系男子)
- 規制が緩くなったために、地球温暖化が進むことについて恐れています。先進国、発展途上国ともに協力して対策していかなければならない問題だと思います。(文系女子)
- 今後、人間が日常生活を送る中で大きく影響するものだ。加えて、この問題は世界全体で取り組まなければならないものであるが、国々の立場によって意見が異なるため解決が困難だと考える。(理系女子)
「LGBTQ+(女子2位・男子27位)」について語る
- 最近自分の周りにもLGBTQ+に該当する人が多い為、関心があり本で勉強した。日本社会がもっとLGBTQ+に対して偏見を持たず、個々の心を尊重できる雰囲気になることが理想だ。(文系女子)
- 最近自分のありのままの姿をさらけ出しやすい世の中になってきているが、まだ嫌悪感を示す人もいる。誰もが相手の本当の姿を理解することが重要だと思う。(文系女子)
- 私がこれについて詳しく知ったきっかけは、TIkTokで実際にLGBTQ+に該当する同世代の人達が撮影した動画を見たことです。身近にも該当する子はいたし私自身は全く違和感を抱いていなかったけど、コメント欄で賛否両論飛び交っていたことが衝撃でした。異性と「普通の恋愛」をしないと少子化が進んでしまう等という意見も見たことがありますが、恋愛する相手なんて自由であることが今の普通だと思います。LGBTQ+が当たり前になって、社会問題とも言われない日が早く来たらいいなと思います。(理系女子)
- LGBTQ+コミュニティや障害者などのマイノリティがしっかりと社会参画できるような社会の実現は日本が遅れていると思うし、早く成し遂げるべき課題だと思う。(文系男子)
「高齢化社会・介護問題(男子2位・女子6位)」について語る
- 家で介護することが難しい一方で、介護施設に入ることも難しいようです。そのような状況を家族が倒れて初めて知ることが多いようで、もう少し事前に情報があれば良いのにと思います。(文系女子)
- 現在、高齢化に伴い社会保障費が年々上がり続け、費用抑制のために薬局の収入源である調剤報酬に大きなダメージがあるといったことなどがあり、高齢化に伴う影響が就活にも影響を与えています。(理系女子)
- 年々人口が減少しているにつれて若者が少なくなっているとともにコロナウイルスの影響もあり出会いなどが活発には以前のように起こらない中で平均寿命は高くなってきている。高齢者が増えることで若者への負担が大きくなる。(文系男子)
- 年金を受給できる年齢や総額が変化し、長く働かなければ生活できないという世の中になっていっている。そのため、政府や自治体の制度・保証に頼らなくても生きていける体力が必要であり、就活においても給与を意識せざるを得ない。(理系男子)
「食品ロス・フードロス(女子3位・男子12位)」について語る
- 先進国の深刻な問題だと思う。特に、飲食店の食べ残しは顕著だと感じる。お金を払ったのだから残そうが勝手だという意見も散見するが、世界の貧困の様相や、食べ残しの不衛生さを自身で学んだ。そのため、小さなことではあるが、個々人の意識が変わることが大事だと思うので、自分は食べ残しは決してしないようにし、一緒に食事に行く友人にもそれを呼びかけるようにしている。(文系女子)
- 現在、フードバンク会社さんから食料提供を頂き食糧配布会を開催し学生を中心とした生活困窮者に配布する学生団体を運営しています。実地の際にとるアンケートによると学生(特に外国人留学生)の多くが食に対する不安を感じている現状があり、改善すべき問題だと活動を通じて実感しています。(文系女子)
- フードロスは各家庭からもだが、企業からも出ている。だが、食品の廃棄部分や、賞味期限切れで廃棄させるものなど、ものによってはバイオエネルギーにしたり等再利用できるが、それに至るまでのコスト等が思いのほかかかることなど、フードロスを減らすことは難しいことであると感じる。だが、向き合うべき課題であることには変わりないと思う。(理系女子)
- 世界の食糧を均等に配分することができれば、飢餓は起きないと言われています。それにもかかわらず、現在の世界では、多くものフードロスの問題が起きています。少しでも改善に貢献したいと考えています。(理系男子)
ここまで24年卒の就活生の将来像や問題意識について見てきました。マイナビ 2024年卒 大学生のライフスタイル調査ではこのほかにも、学生生活やSNS利用の実態、アルバイト・サークル経験など、さまざまな調査結果を紹介しています。就活生を知る一環として、ぜひご一読いただければと思います。
- 人材採用・育成 更新日:2023/03/01
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