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カルチャーフィットとは?面接時に見極めるための質問例

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近年、応募者が自社の社風や文化に適合しているかをどうか図るために「カルチャーフィット」を重視して採用活動を行う企業が増えています。

では、カルチャーフィットはどのような状態で、スキルフィットとは何が異なるのでしょうか。また、なぜ注目されているのでしょうか。

本記事では、カルチャーフィットについて、採用時のポイントや、面接における質問例と併せてお伝えしていきます。

カルチャーフィットとは

カルチャーフィットとは、Culture(文化)と、Fit(適合する)を合わせた造語で、自社の社風や独自の文化に、従業員がうまく適合している状態を指します。

具体的には、以下のような状態が当てはまります。

  • 従業員が商品やサービスに共感している
  • 企業理念・ビジョンと従業員の価値観が一致している
  • 従業員がチームに馴染んでいる

主に人事分野において使用される言葉で、特に採用においては「応募者がカルチャーフィットしているかどうか」という点が、応募者のスキルや経験と同じように重要な選考基準となっています。

スキルフィットとの違い

カルチャーフィットと似ている言葉に「スキルフィット」があります。カルチャーフィットは、企業文化とのマッチ度を判断する指標であるのに対して、スキルフィットは「業務をこなすうえで必要なスキル・経験を有しているか」を判断するための指標です。「職務能力」を判断する指標とも言えるでしょう。

人材を採用する際、スキルフィットをチェックすることは欠かせません。しかし、十分なスキルを持っていても、カルチャーフィットしていなければ、思ったように能力を発揮できず定着に繋がらない可能性があります。

入社後のオンボーディングの観点からも、選考時にスキルフィットだけでなく、カルチャーフィットを重視する企業が近年増えています。

カルチャーフィットが注目されている背景

生産年齢人口の減少により、新卒一括採用の雇用慣行から、中途採用の増加へとシフトしつつあります。

日本経済新聞社の「採用計画調査(最終集計)」によると、2023年度の採用計画において、中途採用の比率は37.6%で過去最高となりました。2016年度から7年間のうちに中途採用の割合は2倍に増加しているのです。

このように、新卒一括採用・終身雇用が当たり前ではなくなりつつあるなか、従業員にいかに自社で長く働いてもらうかが課題となっています。

従業員のワークエンゲージメントを上げて、長く働き続けてもらうためにも、自社の文化を浸透させるカルチャーフィットに取り組む企業が増えていると考えられています。

株式会社マイナビの「ライフキャリア実態調査2022年版」によると、カルチャーフィットを促す取り組みを実施している企業は約4割にも上りました。

以下の図の通り、企業規模が大きいほど実施率が高くなっていることから、従業員の数が多いほどカルチャーの浸透が難しく、企業規模で施策を行う必要性がうかがえます。

【カルチャーフィットを促す取り組みの実施率(従業員数別)】

カルチャーフィットはなぜ重要?

人材が自社にカルチャーフィットしていれば、以下のようなメリットがあります。

早期離職防止・定着率アップにつながる

株式会社マイナビの「転職動向調査2023年版(2022年実績)」によると、2022年に転職を経験した人のうち、転職活動を始めた理由のトップは「給与」でしたが、2番目に多かったのが「職場の人間関係(9.3%)」でした。

企業のカルチャー(企業風土や文化)をつくる土台には、職場内のコミュニケーションや、チームで仕事に取り組む姿勢といった「人間関係」が大きく関係しています。つまり、カルチャーフィットしていないと職場の人間関係に馴染めず、早期離職につながるリスクが高まるといえます。

カルチャーフィットしていれば、チームメンバーと同じ方向に向かって取り組むことができ、「この会社でやっていけそうだ」という自信に繋がります。早期離職を防ぎ、定着を促すためにもカルチャーフィットは重要です。

コミュニケーションの円滑化により業務効率化につながる

組織内で共通している価値観や、従業員が業務へ取り組む姿勢などは、企業風土として現れます。企業風土に馴染めないと、チームメイトと価値観における齟齬が多くなり、情報の共有不足や、認識の齟齬などによるコミュニケーションロス(コミュニケーション不足によるミスやトラブル)を招く原因にもなります。

また、職場の雰囲気に馴染めていない場合、業務における問題点や改善策を思いついたとしても提案することを避けがちになり、業務改善が進まない原因にもなります。

カルチャーフィットを見極める質問例

「スキルフィット」は、オンボーディングや実務を通した育成により習得することも可能ですが、その人がもつ仕事に対する価値観や他社との関わり方といった、カルチャーフィットに関わる点は後から修正することが難しいとされているため、採用時の段階で見極めることが大切です。

面接においてカルチャーフィットを見極めるための質問例を、企業の特性ごとにまとめました。

【従業員同士の協働を重視する企業の場合】

  • 前職では、周囲の人からどのような強み・弱みがあると言われていましたか。
  • 周囲とコミュニケーションをとるうえで重視していることを教えてください。
  • 人間関係を維持するために行っていることはありますか。
  • チームメンバーとの意見の対立を経験したことがありますか。その際、どのように解決しましたか。

【挑戦を重視する企業の場合】

  • これまでに仕事のなかでリスクをとったことがありますか。
  • 困難と思われるプロジェクトに携わったことがありますか。
  • これまでの仕事で最も大きなミスはなんでしたか。
  • 前職ではどのようなことにストレスを感じましたか。 そのストレスにどのように対処しましたか。

【主体性を重視する企業の場合】

  • 生産性を高めるために工夫していることはありますか。
  • チームで協働する際、あなたはどのような役割(リーダーか、フォロワーか)ですか。
  • 普段の仕事において、どのような目的意識を持って取り組んでいますか。
  • 業務においてPDCAを回した経験があれば教えてください。

まとめ

近年は、中途採用の増加や、売り手市場化など、採用を取り巻く状況が大きく変化しています。スキルや経験といった「スキルフィット」を重視することは欠かせませんが、入社後に長く自社で活躍してもらうためには「カルチャーフィット」も重視していく必要があるでしょう。

カルチャーフィットを重視した採用を行うことで、定着率アップや、コミュニケーションの円滑化による業務効率化にも繋がります。

今回お伝えしたポイントや質問例を踏まえて、まずは自社のカルチャーを定義することから始めてみてはいかがでしょうか。

  • Organization HUMAN CAPITALサポネット編集部

    HUMAN CAPITALサポネット編集部

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  • 人材採用・育成 更新日:2024/04/24
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