【イベントレポート】ひとり人事が0から始めたInstagram運用
Human Capital サポネットでは人事・採用の担当者同士で交流し、悩みを解消したり採用業務に関する知見を深めたりすることができるコミュニティを運営しています。コミュニティでは意見交換が活発におこなわれ、セミナーや交流会、質問会などを開催しています。
今回の開催では、会員様である株式会社川和の小山氏に「ひとり人事が0から始めたInstagram運用」をテーマにご登壇いただきました。
Instagram運用の経緯と選んだ理由
この回では、小山氏の体験談より、SNSのなかからInstagramを運用しようと思った経緯をはじめ、コンテンツを作成する際に心がけたポイントや運営していくなかで発生した印象的な成功体験が共有されました。
積極的に情報を発信する時代にInstagramを選んだ理由
座談会は、小山氏の「2、3年ほど前から、自社がSNSを活用できていないことに対して漠然とした焦りを感じていた」という出だしで始まりました。
小山氏:いわゆるZ世代(1990年代後半から2010年代前半に生まれた世代)と呼ばれている人たちがSNSを活発に使用しています。コロナ禍によって友人との接し方にも変化が生まれており、マイナビ2023・2024を利用して学生からのエントリーを募る方法だけでなく、積極的に情報を発信していく時代になっていると思います。
そうした課題感を解消するために、SNSの活用、とくにInstagramを通じた採用広報の実施を決意した過程について、小山氏は事前に社内アンケートを行い、その結果に基づいた合理的な判断であったとのことを明かしてくれました。株式会社川和では、3年以内に入社した社員全員に各種アンケートを実施しており、そこから「企業のSNSを見るうえでは、会社の情報をまとめてある画像がたくさんあるほど嬉しい」という声が多いことがわかったと言います。
小山氏はアンケートの結果を受けて、
「Instagramであれば、社内イベントやそれに接する社員の表情など、在職者しかうかがいしれない情報を蓄積することで、いわゆる「会社の雰囲気」を伝えることができる。ただし、必ずしもそれ以外のSNSが企業の運用に適していないというわけではなく、社内のリソースや、企業の特性によっても適したSNSは異なる。ターゲットに近い社員の声がヒントになり生まれたボトムアップ型の施策であった」と語っています。
投稿するコンテンツの情報について、
- 綺麗すぎる情報よりも、リアルな情報にこだわる
- 受け手に意図していない伝わり方をしないよう表現にも気を配る
という運営方針のもと、
「自社独自の強みとなるものを投稿するためにコンテンツの選定基準を設けている」と述べました。
具体例として、株式会社川和では、「全社員対象の海外視察」「小山氏が実施する新入社員研修」「クリスマスケーキを毎年全員にワンホールで配布」などを実施しており、これらを自社独自の強みとして、SNSで発信しているとのこと。
また、人事の方が気になる運営リソースについては、「社内で協力してもらうことが重要なポイント」とし、社内の各所とかかわりをもつことが多い人事の特徴を生かし、他の社員に作成を頼みやすい場づくりをしておくことをコンテンツ作成のポイントとして挙げていました。
小山氏:実際に人事として活動していると、同業者相手だと近すぎて、なかなか人事や採用の方などと横のつながりを作りづらいと感じます。SNSの時代であるため、積極的に情報を発信し、フォローし、メッセージを送りあって、横のつながりを作っていくことが大事だと感じています。
小山氏の日々のルーティンとして、気になる大学や企業の投稿が上がるたびに「いいね」をしたり、リアクションをしたり、DM(ダイレクトメッセージ)でコンタクトを試みたりしていることを紹介しています。また、こうしたルーティンを続けていくことで「相手からリアクションや返信をいただけることもあり、そこからフォローが始まることもある」と述べ、「積極的につながりを作って、企業間でコミュニティができることはお互いにメリットのあることだと思う」と座談会を締めくくりました。
さいごに
現代は採用の形も幅広く、小山氏も述べたようにSNSを通じた自社の情報発信をする時代になってきていることも確かです。
その一方で、自社独自の強みを発信しやすい時代ともいえます。小山氏のように人事担当者がひとりであっても、危機感をもち、自社の強みを分析し、投稿を続けた先で人のつながりを得られることもあります。
自社の投稿だけでなく、他社の投稿にも興味をもち、コンタクトを取る過程は、かつての対面でのコミュニケーションの流れと変わりなく、コミュニケーションの場所が拡張されたことを示しているでしょう。採用といった人事の場でも同じで、社内のリソースにとらわれることなく、ひとりが一歩踏み出すことで外とのつながりを作ることができる、そうした現代の在り方を示すモデルが、今回の小山氏のお話なのではないでしょうか。
- 人材採用・育成 更新日:2023/05/30
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