2018年卒の内定者の声と内定辞退率から2019年卒の新卒採用について考える
2018年卒の学生に聞いたマイナビの内定率調査(2017年8月実施)では、学生一人あたりの内々定保有社数は、2017年卒で2.1社、18年卒で2.2社と、売り手市場を反映し、学生に有利な状況が続いていました。一人の学生が2つ内々定をもらうという事ですから単純な計算でも辞退率は5割になります。2019年卒の新卒採用に関してもこの状況は極端に変わることはないでしょう。
改めて数字で見ると、採用する企業にとっては非常に厳しい状況です。しかしながら、新卒採用が本格化すると、目先のエントリー数や、面接の通過数、最終的な採用数など様々なKPIを抱え、振り返りの時間がなかなか取れないと思います。特に今年から採用をご担当する方などにおいては、上記の数値も全体感として是非ご認識ください。マイナビのHRリサーチで取得しているアンケートにおいてはこのようなデータが多くございますので採用活動の参考にして頂ければと思います。
ご説明した内定辞退の状況を踏まえ、2018年卒の学生に調査した、参考にしていただきたいデータをご紹介します。2017年の6月に内々定を保有していた学生へ向けた意識調査のデータです。
「社会人としてやっていけるかどうか」について
学生は社会人経験がある訳ではありません。自分自身が社会に適応できるかどうか不安になるのも当然と言えます。「この会社なら自分は社会人としてやっていける、自分でも成長できる」と学生自身に「自己肯定感」を与えるような話し方や、その伝え方を意識して接する事は皆さんが思っているよりも重要ではないでしょうか。
「この会社できちんと務まるかどうか」について
社会人経験の無い学生達は一緒に働く人々や、長期雇用を前提としたライフプランを思い描けるかを重視する傾向にあります。そういった意味でも、年齢が近い社員とのコミュニケーション機会を積極的に設けたり、新卒からキャリアアップして活躍している社員や、結婚・出産を経て会社に復帰した社員を紹介したりする事で、安心感を与える事は非常に大切なのではないでしょうか。
これらは、先に述べた内定辞退の割合が高い理由と直接的な因果関係を証明するデータではありません。しかしながら、学生を一人の社会人として成長させる意気込みや、会社で実績を積んでいく複数のモデルケースや教育体制をしっかりと示していく事は、大きな安心感や後押しに繋がり、最終的に入社に迷いがある学生の働く「決め手」にもなるはずです。すでに十分考慮済みという状況でも、より意識しながら言動や接し方をチェックし常に改善を試みる事は、内々定の辞退を防ぐ為の対策に繋がるのではないでしょうか。
内々定者に対する意識調査の中で聞いた、「心に残った人事担当のコメント」をご紹介しますのでご参考やヒントにして頂ければ幸いです。
現在は、新卒採用、中途採用含め、在籍者や退職者による様々な情報がネットに溢れ易い環境です。特にネガティブな情報ほど表に出やすいのではないでしょうか。もちろん事実として是正すべき点は企業として対応をしていく必要があります。しかしながら難しいのは人間関係や、職場環境、待遇面など、人の受け止め方や、その人の状況で左右され、発信される情報もあるという事です。
そういったネットでの評判というものについて、事前に把握しておく事で学生に本当に伝えるべき事、しっかり説明をすべき内容を考える事も必要です。基本的にはネットでの評判はコントロールが効かないので、その点も踏まえた上で押さえておきたい点を整理してみます。
- 人材採用・育成 更新日:2018/01/31
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