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今さら聞けない!「インターンシップ」とは?

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まずは基本となるインターンシップの定義とルールから押さえていきましょう。

インターンシップの定義を知るために、まずは日本経済団体連合会(経団連)と各大学で構成されている「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」で定めているその定義を引用します。

インターンシップとは、

「学生が、その仕事に就く能力が自らに備わっているかどうかを見極めることを目的に、就業体験(企業の実務を体験すること)を行う活動」


つまり、学生自身が自分の適性を発見する機会を企業が提供する場ということです。

続いて、企業側が守るべきルールとして、政府からの要請があります。2021年卒学生から適用されたもので、採用活動の早期化に伴う学業への影響を抑える目的があります。以下、2022年3月29日に公表された「2023年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請について」より引用します。

(1) 広報活動又は採用選考活動の開始日より前に行うインターンシップ等については、募集対象を卒業・修了年度に入る直前の学年に在籍する学生に限定しないこととし、広報活動や採用選考活動とは異なるものであることを明確にすること。
(2) 広報活動又は採用選考活動の開始日以後に、2023 年度卒業・修了予定者を含むインターンシップを実施する場合には、広報活動又は採用選考活動の趣旨を含むことも差し支えないが、その場合は、あらかじめ当該活動の趣旨を含むことを明示すること。
(3)就業体験を伴わないプログラムをインターンシップと称したり、情報発信することがないようにすること。
(4)学生の長期休暇を活用し、学事日程に十分に配慮すること。


選考活動解禁となる6月以前に開催するインターンシップは学年を指定せず、またそれが企業による採用活動ではないことを明確にする必要がある点に注意が必要です。
また、6月以降であっても、採用広報や選考の目的で実施する場合にはそれを明確に示す必要があります。

22年6月13日には経済産業省、文部科学省及び厚生労働省の三省は、「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」を改正し、現大学2年生(2025年卒)より、一定の要件を満たしたインターンシップで取得した学生情報を広報・採用選考活動に活用することが可能となることを発表しました。また、従来のキャリア形成支援に係る取り組みが4類型に分けて定義され、タイプ3・4のみがインターンシップと定義されました。

<学生のキャリア形成支援に係る産学協働の取り組みの4つの類型>
タイプ1  オープン・カンパニー
タイプ2  キャリア教育
タイプ3  汎用型能力・専門活用型インターンシップ
タイプ4  高度専門型インターンシップ(試行)

※参考:現大学2年生より、インターンシップのあり方が変わります!│経済産業省
インターンシップを採用活動と切り離さなくてはいけないのであれば、なぜ企業はインターンシップを開催するのでしょうか。

それは、学生にとってこの時期の就業体験が持つ意味と関連してきます。
学生はインターンシップを通じて自身の就職活動における軸や適性を見極めていきますが、実際はその機会を提供してくれた企業を意識する可能性も高いのです。
大学までの長い「学生」の期間を終えて社会に出ようという学生にとっては、何もかもが分からないことだらけです。不安もあります。その意味では、業界や仕事を知るきっかけとしてはもちろん、学生がインターンシップを通じて働くイメージが湧くことで、参加企業とのマッチングにつながっていくのです。
マイナビの調査結果から実態をひも解いていきましょう。まず開催数の面では、インターンシップは大学3年生の6月から始まり、夏休みを迎える8月にひとつのピークを迎え、その後は採用広報解禁間際の2月にもうひとつの大きなピークを迎えます。
またインターンシップに参加する学生数は年々増加傾向にあり、インターンシップに参加した企業のうち、半分程度の採用選考に参加する意思があるようです。
続いて、企業の業種・従業員規模・エリア別でインターンシップの開催実態を見てみましょう。
こうして見ると分かるように、従業員規模別のグラフのみ規模と開催数が比例しますが、それ以外は大きな違いがなく、多くの企業が開催していることが分かります。
コロナ禍以降、インターンシップのWEB化が急激に進んでいますが、実際にどちらが良いのかは気になりますよね。

※以下図表の表記はオンライン=WEB、オンライン以外=対面を意味します
23年卒の数字で見てみると、学生の参加数ではWEBが圧倒的です。一方で、満足度を測るひとつの指標として「インターンシップに参加した企業の採用選考を受けたいか」と学生に尋ねた項目を見ると、それほど大きな差はついていないようです。
開催形式自体が満足度に影響を与えることはなさそうですが、それぞれの特徴を踏まえたプログラムの設計は非常に重要なポイントとなります。WEB・対面それぞれの特徴を以下にまとめましたので、ぜひ自社に合った開催形式を探ってください。

<WEBの特徴>
  • 交通費や移動時間が節約されるため対面よりも気軽に参加できる
  • リラックスして参加できる
  • 録画の見返し、復習ができる
  • 社員の雰囲気は感じ取りにくいため、社風を伝える工夫や学生が気軽に質問できる仕掛けが必要

<対面の特徴>
  • 参加ハードルはWEBよりは高いが、その分、学生も緊張感や集中力を持続しやすい
  • 社員や参加学生の雰囲気などが伝わりやすい
  • 学生の期待値が高いので、対面で来るだけの価値をプログラムで提供することが大切

ワークやレクチャー、講習といった内容はWEBで、社風や社員の雰囲気を伝えたいコンテンツや現場の見学のような臨場感の欲しいコンテンツは対面で、と使い分けることもおすすめです。
次に、インターンシップを設計するに当たって外すことのできない「日数」について解説します。
「3」でも取り上げたように、インターンシップの実施数は夏期休暇のある8〜9月、採用広報解禁直前の1〜2月に集中しますが、学生の動きはどうでしょうか。
このように、学生が初めてインターンシップに参加した時期は夏期休暇期間に集中しています。
この時期のインターンシップは数が多いだけでなく、長期プログラムや、複数回に分けて行われるプログラムが多いのも特徴です。
また、学生は志望度の高い業界や企業のインターンシップには何度も参加して理解を深めていく傾向にありますので、夏期休暇が終わった後も秋冬の短期インターンシップを実施するのも良いでしょう。


以下に、実施日数のメリット・デメリットをまとめました。

<3日以下の短期インターンシップ>
メリット:効率的に多くの学生に接触できる。他業界志望層との接触も可能。
デメリット:競合が多く、差別化には工夫が必要。伝えられる情報に限界がある。

<1週間、1カ月など長期インターンシップ>
メリット:応募時点で興味度の高い学生の受け入れが可能。理解を深められる。
デメリット:受け入れ人数に限りがある。コスト・マンパワーがかかる。学生にとってはややハードルが上がる。

それぞれの特徴を生かしてプログラムを工夫することも重要です。
短期インターンシップはセミナー形式のものが多いため、あえてグループワークや座談会を入れて満足度を高めたり、長期インターンシップであればチームでの課題解決や社員からのフィードバックを厚めにするなど、満足度を高める仕掛けを積極的に入れていきましょう。
最後に、インターンシップ前後に行うべき「フォローアップ」について解説します。
ついついプログラムのことばかり考えてしまいがちですが、実際にはインターンシップの満足度に最も大きな影響を与えるのは「その前後のコミュニケーション」であることが分かっています。

参考:【第4回 学生が選ぶインターンシップアワード】学生の満足度を最も左右するのは…?
インターンシップの開催前には基礎知識となる資料を渡したり、開催後にはワークショップの完成度や学生の提出物に対するフィードバックをしっかり行うなど、手厚く行うといいでしょう。
いかがでしたか?ここまで解説してきたように、インターンシップは学生と企業のマッチングにおいて非常に重要な機会となっています。
加えて、コロナ禍でオンライン開催がぐっと増えたように、時期や社会情勢にも影響されてそのトレンドは変化し続けています。
2025年卒からインターンシップの定義が改正されることにより、企業側の対応も大きく変化することが予想されます。しっかりと情報をアップデートしながら、学生の満足度が高いインターンシップを実施していきましょう。
  • Organization HUMAN CAPITALサポネット編集部

    HUMAN CAPITALサポネット編集部

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  • 人材採用・育成 更新日:2022/12/19
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