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一体何をすれば?内定式後も続く「内定者フォロー」

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多くの企業が内定式を行う10月1日を直前に、採用担当のみなさまも非常に忙しくされている頃かと思います。
25年卒の新卒採用も、内定式が終わればひと段落…。というところですが、内定式が終わっても入社予定先の企業に対してまだまだ不安を感じる学生も少なくありません。今回のコラムでは、内定式後にも残り続ける学生の不安や疑問、そしてそうした不安を抱える学生に対して内定式終了後から入社直前までの期間でどのようなフォローをしていくべきかについて解説してまいります。
内々定を保有する25年卒学生を対象に実施した「マイナビ 2025年卒 内定者意識調査」によれば、入社予定先を決めた後、不安になったことのある学生は58.6%となりました。不安になった理由としては、「社会人としてやっていけるかどうか」や「自分がこの仕事に向いているかどうか」「この会社できちんと務まるかどうか」のように、社会人としての振る舞いや仕事の仕方などに関する不安が目立ちます。
マイナビ 2025年卒 内定者意識調査
マイナビ 2025年卒 内定者意識調査
内定式の実施は入社前の不安を取り除くための有効な手段のひとつでしょう。前年の24年卒学生を対象に行った「2024年卒大学生活動実態調査 (10月中旬)」によれば、「内定式に出席するまでに抱いていた不安・懸念・疑問で、出席して解消・軽減したもの」を回答してもらったところ、もっとも回答が多かったのは「他の内定者と仲良くなれるか」という項目で、59.8%でした。約6割の学生は、内定者同士の交流に対して感じていた不安が内定式出席によって解消・軽減した、と回答しています。
マイナビ2024年卒大学生活動実態調査(10月中旬)
一方で、その他の項目を見ると「入社後の配属や業務に関して知ることができるか」や「本当にこの会社でいいのか」、「福利厚生など社内制度に関して知ることができるか」といった項目は、解消・軽減できたという回答が比較的少ないことがわかります。
内定式に出席した後であっても、配属先や業務内容、社内制度について、そして「本当にこの会社でいいのか」という不安が解消されずに残っている学生が多いのです。
では、内定式後もなお残る学生の不安を解消するには、どのようなフォローが効果的なのでしょうか?今年6月にマイナビが新卒採用を実施する企業に対して実施した「2025年卒企業新卒採用活動調査」によれば、「前年(2024年卒)の内々定者に対して実施した内定者辞退対策で効果があったと感じたもの」について、もっとも多かった回答は「内定者懇親会(食事会等)」 (56.4%)でした。その他、「社員との座談会」(25.3%)、「内々定式」(23.9%)、「社内見学・工場見学」(22.3%)、「人事との面談」(20.6%)、「先輩との面談」(20.5%)なども比較的多くの企業が効果を感じているようです。
2025年卒マイナビ企業新卒採用活動調査
学生が内定式後も感じている「入社後の配属や業務に関して」、「本当にこの会社でいいのか」、「福利厚生など社内制度に関して」の不安と照らし合わせて考えてみると、入社後の配属や業務についての不安は、人事や先輩社員との面談・座談会で、福利厚生や社内制度についての不安は、人事との面談などで、それぞれ解消できる可能性があります。人事・先輩との面談や座談会に効果を感じたと回答した企業が多かった背景には、こうした学生の不安が解消できたからという理由も考えられます。
そして、こうした細部の不安を解消していくことが「本当にこの会社でいいのか」というより大きな不安を軽減していくことにつながっていくのではないでしょうか。
社会人としての振る舞いや仕事の仕方などに関する不安に対しては、人事や先輩社員が面談や座談会で相談にのる、という方法以外に、研修やワークのように実際に社会人生活や仕事に役立つ情報を学生に学んでもらうという方法も効果的かもしれません。
「マイナビ 2025年卒 内定者意識調査」によれば、「企業からの内定者向け研修など入社までに学びの機会を設けてほしい」(「絶対に」と「学生生活の妨げにならない程度に」の合計)と回答した学生は86.0%という結果となりました。希望する具体的な内容としても、「基本的なビジネスマナー」「仕事に必要な知識・資格の学習(Off-JT)」などが上位にあがっています。
マイナビ 2025年卒 内定者意識調査
マイナビ 2025年卒 内定者意識調査
一方、前年に実施した「2024年卒企業新卒内定状況調査」によれば、内定者研修を実施している企業は41.6%でした。希望する学生が8割を超える結果を踏まえると、差が大きい印象です。翌年の採用に向け、多くの企業がインターンシップや採用計画を進める中、並行して内定者研修を企画・運営することは容易なことではありませんが、内定者が入社後に生き生きと活躍できる土台作りとして、内定者研修の実施を検討できると良いでしょう。
マイナビ2024年卒企業新卒内定状況調査
実施している企業に注目してみてみると、研修の内容としては「社会人としての心構え」「基本的なビジネスマナー」などが多いことがわかります。こうした研修であれば、社会人になることへの不安や仕事の進め方への不安を抱いている学生に効果が期待できるかもしれません。実施する時期としても10月がもっとも多く、以降10月~翌年3月までに実施する企業が多いことから、これからの時期にこうした内定者研修を実施することも方法の1つです。
マイナビ2024年卒企業新卒内定状況調査
マイナビ2024年卒企業新卒内定状況調査
今回のコラムでは、内定式後にもなお学生が抱く内定先への不安と、企業が効果を感じている内定フォロー施策、内定者研修などについて触れてまいりました。学生の数だけ、その不安の種類も性質も異なってくるため、内定学生がどのような点に不安を感じているか、面談などを通して拾い上げ、適切なフォローをしていく必要があります。また、学生の不安の種類が、「本当にこの会社でいいのか」といった自身の判断に対するものなのか、「社会人としてうまくできるだろうか」という入社後に関するものなのかを見極めるのも重要です。前者であれば、面談等で不安材料をとにかく取り除いていくことが大切ですし、後者であれば研修等で仕事のイメージや自信をつけさせてあげることが大切になります。
内定式がひと段落した後に、学生の学業の妨げにならない範囲内で、今回ご紹介したようなフォロー施策を検討してみてはいかがでしょうか。
  • Organization 株式会社マイナビ 社長室 キャリアリサーチ統括部

    株式会社マイナビ 社長室 キャリアリサーチ統括部

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  • 人材採用・育成 更新日:2024/09/30
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