76.6%の企業が25年卒の新卒採用は「厳しくなる」と予想/2025年卒企業新卒採用予定調査
採用予定数は文理ともに前年並み。
転職市場の活発化により、新卒採用の理由が
「将来の幹部候補・コア人材の採用」から「目下の人手不足解消」へ変化
25年卒の採用予定数は文理ともに「前年並み」が増加した(文系:55.6%/前年比3.0pt増、理系:56.9%/前年比4.6pt増)。これまで2年連続で採用数を「増やす」と回答する企業が増加していたが、25年卒は前年比減となった(文系:前年比4.4pt減、理系:前年比4.7pt減)。採用充足率が年々低くなるなか、採用予定目標数はこれ以上増やせない状態まで達していると予測される。

新卒採用実施の理由の変化を見ると、「将来の幹部候補・コア人材の確保」が3年連続で減少する一方で、「退職者の増加」や「前年に新卒を採用できなかったから」は増加している。
景気の回復に伴って転職市場が活発化し、転職者が増えたことによる欠員を新卒採用で補ったり、新卒採用活動を毎年は行っていないものの、前年の採用難で今年度も再度新卒採用を実施することになった企業が増えているとみられる。将来の幹部候補やコア人材としての新卒採用は減少する一方、目下の人手不足解消のために新卒採用を実施する企業が増えているようだ。

76.6%の企業が25年卒の新卒採用は「厳しくなる」と予想。
採用難の要因は少子化の影響で「新卒学生全体の数が減っていること」がトップ
採用環境の見通しについて、「厳しくなる」と回答した企業は76.6%(「非常に厳しくなる(22.8%)」+「厳しくなる(53.8%)」)だった。文理それぞれの見通しについても、「厳しくなる」と予想する企業が3年連続で増加しており(文系:68.5%/前年比19.4pt増、理系:69.2%/前年比18.8pt増)、採用に苦戦すると考える企業がさらに増えている様子がわかる。

「自社の新卒採用が厳しくなっている要因」について聞いたところ、「新卒学生全体の数が減っていること(70.8%)」がトップとなり、「新卒採用をする企業が増えていること(53.1%)」が続いた。少子化によって減少している新卒学生に、多くの企業がアプローチしあう図式になっていることが、採用に苦戦する要因だと捉えていることがわかった。

47.2%の企業が初任給の引き上げ予定あり
上場企業の約半数が「初任給をすでに引き上げており、さらに引き上げを行う予定」と回答
給与の引き上げについて聞いたところ、初任給の引き上げを行う予定の企業は合計で47.2%だった。詳細を見ると「現時点ですでに引き上げており、さらに引き上げを行う予定」が全体の34.5%、上場企業では49.3%で最多となった。上場企業の約半数が初任給のさらなる引き上げを予定していることが分かった。

また、基本給についても同様の傾向が見られ、引き上げを行う予定の企業は合計で48.8%となっている。前述のように、新卒採用実施の理由として退職者の増加をあげる企業も増えていることから、採用におけるアピールという理由だけでなく、待遇改善により現職社員の定着も目指していると考えられる。

【2024/05/30 数値修正】
P58「採用に直結する個別会社説明会・企業セミナー」、P71「面接開始」、P75「内々定出し」の
スケジュールのデータに誤りがありましたため修正しております。
お手数をおかけし申し訳ございませんが、最新データを参照いただきますようお願いいたします。
- 調査・データ 更新日:2024/03/04
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