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新卒採用担当者向け│まずはここから! 会社説明会設計のはじめかた

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新卒採用業務とは、言い換えれば「自社が期待する能力や可能性を持つ学生を集めて選考を行い、最適な人材を獲得すること」です。
そのため、基本的には採用過程が進むごとに自社との接点を持つ学生は減っていき、最後まで残った学生が「内定者」となります。

つまり、採用過程の初期で「より多く」かつ「より自社が望む能力や可能性を持った」学生を集めることが大変重要です。
そのための定番ツールが「会社説明会」。学生が企業を認知し、興味を持ち、その先の選考に参加するかどうかを決定する最初の場と言えるでしょう。

今回の記事では、その「会社説明会」の意義から設計までの基本をお伝えしていきます。

まず、会社説明会とは何のために開催されるものなのでしょうか。その目的のひとつは「より多くの学生に自社の選考に参加してもらうため」であることは間違いありませんが、もうひとつ重要な視点があります。
それは、「自社を正しく理解し、採用後の早期離職やミスマッチを防ぐ場を提供する」ということです。

多くの場合、会社説明会はマイナビなどの就職情報サイトでエントリーをした学生が最初に企業と出合う場となります。
その場で自社の魅力をきちんと伝えて選考参加者を増やすことはもちろん大切ですが、採用母集団を大きくしたいばかりに自社の魅力を誇張したりすると、最終的には内定辞退や早期離職など、企業側・学生側双方にとって望まない結果を生んでしまいますので、注意しましょう。

なお、今回は個別企業説明会にフォーカスした内容となっておりますが、多くの企業が参加する「合同会社説明会」も、学生との大きな接点となります。
その最新の状況や、集客・コミュニケーションのポイントについては、こちらで紹介しておりますので、ぜひご参照ください。

参考:合同会社説明会の集客・コミュニケーションのコツ5選

企業側にとってはもちろん、学生側にとっても会社説明会は重要なイベントです。一生で一社しか出合わない「新卒入社」する企業を探す最初のきっかけとなるからです。

そのため、多くの学生は何社もの会社説明会に参加し、その後の選考に進む企業を見極めます。加えて、短期決戦化している近年の採用市場では「参加するべき説明会」を選ぶ目も厳しくなっています。


上図は「参加した会社説明会を選んだきっかけ」を開催形式別(対面・WEB)に尋ねたアンケートの結果です。

もちろん「その企業に興味があったから」「興味のある業界だったから」が上位にありますが、注目すべきは「日程が合っていた」「開催場所が良かった」など、参加する「効率」に関わる項目も同じく上位に位置していることです。

これは先ほどもお伝えしたように、「短期決戦化」している採用市場において時間効率を高めたいという学生側の希望が反映されていると見ていいでしょう。「選考に直結している」も同様に、説明会から選考へとスムーズに移行できる効率の良さが評価されているのかもしれません。

つまり「できるだけ多くの選択肢を知り、その上で自分の希望に近い企業を効率よく見つけたい」という学生側の意識に応えることが重要となります。

時間効率を高めるという視点から、基本的には「WEB」での開催が学生の志向にも合っていることは、多くの方がお分かりかと思います。

しかし、会社説明会をWEBで開催すれば、それで学生の満足度が上がるかといえば、そういうわけでもないのが難しいところです。


WEBでの会社説明会に参加した学生の声をまとめた上図をご覧ください。「交通費や移動時間の節約ができる」と、やはり効率を高められる点は高く評価されていますが、一方で「参加している学生の雰囲気がつかめない」「緊張感がない」など、対面では感じられる「場の雰囲気」のような非言語情報が抜け落ちてしまうことをデメリットとして挙げています。

つまり、WEBでの会社説明会は「効率」や「自宅から参加できるリラックス感」など特有のメリットはありながらも、対面でないと与えることのできないものもまた、確実に存在しているということです。

一方で、地方企業にとってはこれまでかなえることが難しかった「全国の学生へのアピール」が低コストで行える機会でもあります。このメリットは対面では決して享受できないものです。

そのため、基本的にはWEBと対面の両方で実施しましょう。その上で「社風」や「具体的な仕事内容」「社員の雰囲気」などWEBでは伝わりにくい強みを最大限に打ち出したいという企業では、「WEBでの会社説明会で広く学生に認知してもらい、その後の日程で対面式の説明会を別途開催する」といったすみ分けを検討するのがよいでしょう。
これから初めてWEB説明会を検討する、という方は、以下の記事も参考にしていただければと思います。

参考:【新卒採用担当者向け】初めてのWEB説明会-プログラムから開催の流れまで徹底解説!

次に、説明会の実施時期について見てみましょう。結論からお伝えすると、「4月上旬まで」が最も効果的です。


理由はシンプルで、「4月以降は学生が面接を優先するから」です。
3月の採用広報解禁から1ヵ月余りで選考にまで進む近年の短期決戦型採用では、このスピード感が求められます。

年度末でもある3月は忙しく、会社説明会の実施が現実的ではない……と考えていらっしゃる方も、早め早めに準備を進めることをお勧めします。

会社説明会で話す内容は、もちろん自由です。しかし、データをひも解くと「学生が聞きたいと思っている内容」と「企業が話したい(実際に話した)内容」の間には乖離があることが分かっています。


黒い縦棒が「学生が実際に会社説明会で聞いたことのある内容」、青が「学生が会社説明会で聞きたかった内容」です。

こうしてみると、「製品・商品について」や「詳しい業界動向」「企業理念」など、学生自身が事前にリサーチ可能な内容は「企業側は話したがるが、学生は求めていない情報」で、一方「社風」や「若手社員の話」「入社後のキャリアモデル」など、事前に確認しにくい非言語情報が「学生は求めているが、企業が話していない情報」であることが分かります。


こちらの図からも分かるように、今の学生は「調べられることは調べてから」会社説明会に参加しています。なので「調べても分からないこと」や「社風や社員の雰囲気など文字では伝わりにくいこと」を中心に話すように心掛けると、満足度の高い内容となるでしょう。

会社説明会の所要時間は「1〜1.5時間程度」が適切と答えた学生が多いというデータがあります。


ただし、開催形式によって回答に差があることにも注目しましょう。
対面よりもWEBでのライブ配信(生配信)では「1時間」と答えた学生が多くなり、さらにWEBの録画型(オンデマンド)では「30分」と答えた学生が多くなります。

また、録画型では倍速再生やチャプター選択など、より効率的に見られる方法を希望する声も多くありました。
配信プラットフォームにより機能に差があるため、事前によく検討しましょう。

会社説明会の予約告知は、開催日からどのくらい前に設定するのが良いのでしょうか。データによると、学生が参加しやすい間隔としては、対面/WEBともに「1週間以上2週間未満」が最多となっています。


3月にエントリーが始まり、その1〜2週間後には個別企業セミナーを開催するというのはかなり忙しなく感じる方も多いかと思いますが、先ほども触れたように企業・学生ともに3月以降のスケジュールの短期集中化が進んでいる中、長く間隔を空けることによる学生のキャンセルや当日不参加を防ぐ意味でも、予約開始から説明会開催までは、2週間程度までに収めることを意識すると良いでしょう。
また、特にWEBでの開催に顕著ですが、予約から開催日までは「3日以内」という回答も少なくないことが、現代の効率を求める学生の就職活動観を表しています。

最後に、会社説明会のコンテンツを考える上で重要な「5W1H」について説明します。
とはいえ、会社説明会の場合は「WHY」が「自社を理解し、選考に参加してもらいたいから」と決まっていますので、考えるべきなのは「4W1H」です。
採用担当者が考える自社の魅力は多くあるはずですが、その全てを説明会だけで伝えることはできません。取捨選択が必要です。
そのときヒントになるのが、会社説明会は「企業と学生が最初に出会う場」であるというポイントでしょう。まずは興味を持ってもらい、選考参加の意欲を高めてもらうことを目指し、「メインメッセージ」を軸として情報を絞るのがお勧めです。
「5.話すべきことは?」の項目も振り返ってみましょう。

「WHAT」が決まれば、それを最も魅力的に伝えることのできる「WHO」が決まります。


入社2~3年目の若手社員の登壇を望む学生が多いというデータもありますが、入社後すぐの仕事内容、詳しいキャリアステップや企業理念など、伝えたい情報によって伝えるべき人も変わってくるため、「WHAT」にひもづいたスピーカー選定を意識しましょう。
一口に会社説明会といっても、開催形式はさまざまです。パネルディスカッション、職場見学、グループワークなど各社とも工夫を凝らしています。


「WHAT」と「WHO」の後に考えるべきことが、「HOW」です。
例えば「若手社員の1日をリアルに紹介する」という内容で説明会を開催する場合でも、「体験談を聞き取るインタビュー形式」や「若手社員数名によるパネルディスカッション」「学生からの質問を中心に構成する質問会」など、さまざまな方法が考えられます。

アサインできる社員の数、自社の強みを活かせる方法を考えて決定しましょう。
「予約から実施までの期間は?」でも解説したとおり、予約開始から1〜2週間以内には開催しましょう。また、エントリーと同時に会社説明会の予約ができるよう準備されていると、なお良いです。
文理別、地域別など、ターゲット学生が参加しやすい時期・時間帯などを意識すると、応募が集まりやすいでしょう。
一般的には社内の会議室などが会社説明会の会場として想定されますが、自社の立地が公共交通機関などからアクセスがしにくい場合は、外部会場の利用も検討しましょう。また、地方に支社がある企業ではどの地域で開催するかという点も検討が必要です。
もちろん、WEBでの開催も視野に入るでしょう。マンパワーやコスト、そして自社が行おうとしている会社説明会の内容がもっとも効率的に伝えられる場所を選択しましょう。

説明会予約がたくさん集まっても、実際に説明会へ参加するのは60~70%ともいわれます。予約定員の設定や準備する資料数なども、歩留まりを考えながら行うと良いでしょう。
またこのような歩留まりは企業によって異なり、業種や開催時期に大きく影響されるため、「予約から参加への遷移率」「参加から選考への遷移率」を開催する説明会ごとにデータを蓄積すると、その傾向を翌年の採用活動に生かせるためお勧めです。

また予約した学生を説明会参加、そしてその後の選考までグリップするためのチェックリストをご用意しましたので、ぜひご活用ください。

今回の記事では、初めて個別の会社説明会を行う方に向けて、その意義や学生の受け止め方などを踏まえた基本をお伝えしました。

「企業が話したいこと」と「学生が聞きたいこと」のグラフに大きな差があったことからも分かるように、本来は学生が企業と出合う場であるはずの会社説明会が、「企業側の独りよがり」になってしまうという場面もあるようです。

今回の記事が「学生のためになる」、そして「自社にとって有望な学生と出会える」説明会を実施する助けになりますと幸いです。

そして、実際に説明会の実施に当たっては、下記の記事も参考になりますので、併せてご覧ください。

参考:企業を魅力付けする説明会とは?│新卒採用入門
  • Organization HUMAN CAPITALサポネット編集部

    HUMAN CAPITALサポネット編集部

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  • 人材採用・育成 更新日:2022/11/28
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