経営と人材をつなげるビジネスメディア

MENU CLOSE
1 ty_saiyo_t01_best-time-to-recruit_221012 column_saiyo c_shitenc_senryakuc_senkouc_senkougyoumu

企業の採用活動に最適な時期は? 統計データから見る中途採用のポイント

/news/news_file/file/t-20221012160230_top.png 1

中途採用には、求職者が増える時期、減る時期があり、採用側にも求人広告が増える時期と減る時期があります。
このサイクルを知り活用することで、より効率的な人材採用を行うことができます。当記事では、統計データから、繁忙期と閑散期を割り出し、採用のポイントを解説します。

新規求人数と新規求職者とは

ニュースなどで、「有効求人倍率」、「新規求人倍率」などの言葉を耳にすることも多いと思います。これらの数値は厚生労働省の所管するハローワークが集計する統計データで、毎月公表されています。ここでは、これらの統計資料の意味を解説します。

新規求職者数と有効求職者数

新規求職者数とは、その月にハローワークで新規に申請された求職者の数です。有効求職者数は、現在、ハローワークに申請されている有効な求職者の総数です。

新規求人数と有効求人数

新規求人数とは、その月にハローワークで新規に申請された求人(仕事)の数です。有効求人数は、現在。ハローワークに申請されている有効な求人数の総数です。

有効の期間に関して

ここでの「有効」とは、ハローワークが定める有効期限です。有効求人数も有効求職者数も、共に2カ月間(申込み月の翌々月末日まで)としています。

有効求人倍率

有効求人倍率は、有効求人数を有効求職者数で割った倍率です。景気動向の判断に用いられます。

新規求人倍率

新規求人倍率は、新規求人数を新規求職者数で割った倍率です。直近の景気動向の判断に用いられます。
これらの統計はハローワークに申請された数値で、ハローワーク以外の求人媒体や転職サービスへの登録や求人掲載は数字にカウントされません。そして、新卒採用の動向も含まれません。
また、新規求人数や新規求職者数の増減は、年間を通してみると一定の傾向が見られます。次章以降、新規求職者、新規求人、新規有効求人倍率の年間の動向に関して紹介します。

新規求職者の年間動向

新卒採用と異なり、求職希望者(新規求職者)は、通年で発生します。求職希望者(新規求職者)の人数は、求職希望者の都合にあわせて、時期による増減の傾向があります。

新規求職者数(除くパート)

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2018年 305,705 291,929 311,333 338,330 284,347 252,530 253,342 258,974 230,982 277,486 240,255 213,943
2019年 297,218 277,951 283,016 322,842 262,954 243,064 263,795 233,967 244,013 253,981 223,893 219,170
2020年 290,383 257,475 276,086 305,577 235,595 280,462 257,522 225,852 237,286 256,601 212,287 209,285
2021年 262,946 257,350 293,484 318,087 219,265 238,828 232,725 230,718 235,279 246,637 228,263 209,749

上記は、厚生労働省が令和4年3月4日に公開した一般職業紹介状況(職業安定業務統計)の新規求職者数(除くパート)です。
1月から求職者は増加し始めて4月にピークを迎え、5月に大きく減ったあと、10月に増加し、12月が最も低くなります。

4月に新規求職者がピークを迎える理由

日本の企業の多くは、3月に期末を迎え、4月から新年度がスタートします。部署の異動や転勤・昇給・昇格などの変化の時期であり、環境の変化により、転職を志す労働者が増えることが想定されます。また、定年退職者の退職時期でもあります。

10月に新規求職者が微増する理由

10月に発生する微増も、半期のスタートにあたり、組織改編や異動などの環境変化の時期にあたります。

12月に新規求職者が減少する理由

12月に新規転職者の谷が来ます。そして、1月に新規求職者は急増します。
12月は師走の名の通り、業務が多忙の上、忘年会などの行事も増え、年末年始の休日で稼働日数が減ります。
また、ボーナスなどの支給を受けたあとに、転職をするならば、年末年始のお休みに整理して、1月以降、転職活動を開始する求職者の意向が伺えます。

新規求人数の年間動向

新規求人(中途採用募集)は通年を通して、企業の必要に応じて実施されます。この、新規求人の数も、時期による増減の傾向が見られます。

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2018年 615,272 599,996 592,856 576,562 579,273 583,829 578,433 591,706 566,799 633,767 579,818 532,727
2019年 633,270 611,793 562,093 574,600 559,008 556,428 590,218 554,712 553,841 603,599 537,988 532,926
2020年 520,836 519,480 495,921 404,859 391,604 458,923 423,292 403,875 467,728 477,621 424,178 450,162
2021年 478,968 456,112 497,844 466,065 424,232 498,735 474,767 451,498 508,773 526,173 482,435 507,659

上記は、厚生労働省が令和4年3月4日に公開した一般職業紹介状況(職業安定業務統計)の 新規求人数(除くパート)です。
10月と1月に増加し、12月、5月に減少する傾向があります。また、年単位の変化では、新型コロナウイルス感染症の影響が出始めた2020年1月以降、新規求人数の減少が見られます。

10月に求人数が増加する理由

日本では4月から新年度が始まる企業が多く、10月は下期の始まりになり、組織改変の時期です。4月から実行していた計画を見直し、不足している人材を新たに確保して、下期をスタートさせる時期にあたります。

1月に新規求人数が増加する理由

12月決算の企業の場合は、期末にあたり、予算を組み新たな計画をスタートする時期に当たります。3月決算の企業の場合は、次年度の計画を立案し必要な人材の手配に動く時期になります。

また、4月には新卒社員の入社を控えており、この時期から中途採用社員を採用し、4月に合わせて、研修や事務作業を行うことで効率を高めることを狙う企業もあります。

5月に新規求人数が減少する理由

3月決算の企業では、組織改編が終わり、5月は新体制がスタートしたばかりの時期です。組織を変更する理由がない状態です。また、求職者数も低調な時期に当たります。

新規求人倍率の年間動向

新規求人数(中途採用募集)を新規求職者の数で割った数字が、新規有効求人倍率です。
新規有効求人倍率が2.0の場合、1人の求職者に対して、2つの仕事が用意されている状態です。
数字が大きいほど、求職者にとって選択肢が増える一方、求人側(企業)は、人材の獲得がしにくいことになります。

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2018年 2.01 2.06 1.90 1.70 2.04 2.31 2.28 2.28 2.45 2.28 2.41 2.49
2019年 2.13 2.20 1.99 1.78 2.13 2.29 2.24 2.37 2.27 2.38 2.40 2.43
2020年 1.79 2.02 1.8 1.32 1.66 1.64 1.64 1.79 1.97 1.86 2.00 2.15
2021年 1.82 1.77 1.7 1.47 1.93 2.09 2.04 1.96 2.16 2.13 2.11 2.42

新規有効求人倍率は4月に大きく低下します。以降上昇を続け、12月にピークを迎えた後、4月まで下降を続ける傾向が見られます。また、年単位の動向では、新型コロナウイルス感染症の影響が出始めた2020年1月以降、有効求人倍率は低い数値となっていますが、2021年12月には回復傾向が見られます。

4月に有効求人倍率が減少する理由

4月は、求職者数が大幅に増加する時期です。一方で、求人数は、新体制がスタートする上に、新卒社員も入社する時期に当たり、追加で求人を行う需要が少ない傾向にあります。求人側(企業)にとって獲得競争がゆるく、有利な時期です。

12月に有効求人倍率が増加する理由

12月は、求職者数が大幅に減少する時期です。一方で、求人数は、それほど減らないため、求人側(企業)にとって獲得競争が厳しく、不利な時期と言えます。

閑散期に中途採用を行うためのポイント

4月、5月は新規求人数が少なく、ライバルが少ない分、求人側(企業側)に有利な時期と言えます。また、4月は有効求人倍率が最も低い時期です。
新体制がスタートしたばかりで組織改編をしにくい時期です。また、新入社員への対応も発生する時期でもあります。しかし、獲得競争が激しくなる中、必要になったときに、すぐに適切な人材を確保することは難しいでしょう。ライバルが少なく、ネームバリューのある大手企業の採用活動が鈍いこの時期に、人材を選抜しておくのも効果的な手段です。

繁忙期に中途採用を行うためのポイント

10月、1月は、新規求人数が増える傾向にあります。これはライバルが多いことを意味し、激しい獲得競争が予想されます。
書類選考や面談のスピードを早めて、短期決戦で、他社よりも早く人材を確保することが大切です。時間をかけると、見込んでいた人材が他社に流れてします可能性があります。
少子高齢化による労働人口減少により、人材獲得競争は激化しています。優秀な人材を確保するためには、新規求人の閑散期、繁忙期に関わらず、ポイントを抑えながら採用施策を実行しましょう。

  • 人材採用・育成 更新日:2022/10/18
  • いま注目のテーマ

RECOMMENDED

  • ログイン

    ログインすると、採用に便利な資料をご覧いただけます。

    ログイン
  • 新規会員登録

    会員登録がまだの方はこちら。

    新規会員登録

関連記事