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学生座談会│「良い面接官」と「悪い面接官」の違いってなんだと思いますか?【面接官向け対策TIPS集付き】

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採用活動の中盤以降は、学生の見極めが採用担当者の主な仕事となります。企業説明会やWEBサイト、インターンシップなどを通じて自社に興味を持って選考に参加してくれた学生を見極め、最終的に採用する人材を絞っていく期間です。

一方で、この時期は学生にとっても企業の「見極め」の時期であることを忘れてはいけません。学生も選考を通じて、本当に自分が入社すべき会社なのかどうか、冷静な目で見極めています。

特に面接は企業と学生が「人と人」として最も深い接点を持つ場。面接官が気付いていないようなささいな点も見極めの材料としてしっかりと受け止めています。まさに学生は「面接官の面接官」というわけです。

そこで今回は、5人の学生に集まってもらい、匿名を条件に「印象の良い面接官・悪い面接官」の話を赤裸々に語ってもらいました。

<座談会参加者>

Aさん:私立大学 政経系学部 4年生 / IT系企業に内定
Bさん:私立大学 理工系学部 4年生 / ソフトウエア企業に内定
Cさん:私立大学 理工学部 4年生 / 広告系企業に内定
Dさん:私立大学 商学系学部 4年生 / SIer系企業に内定
Eさん:国立大学 大学院 修士1年生 / 飲料系企業に内定

― 皆さん、今日はお集まりいただいてありがとうございます。記事では匿名になりますので、思うところを遠慮なくお話しいただければと思います。最初の質問です。面接自体の印象に最も強く影響する要素は何だと思いますか?


Eさん: 「自分の話を聞いてくださっているかどうか」ですね。対面の面接であれば全員の顔が見えて、相手が自分の話にどんな感情を抱いているかが分かりますので、話しながら内容を調整したり、次の面接でも同じことを話して良さそうだなと判断していました。

Cさん: そうですよね。逆に、WEB面接だと画面に並んだ面接官のうち1人はメモに集中していて表情が見えなかったりして……あれは緊張しますね。どう思っているのかな? と気になって実力が発揮できない気がします。

Bさん: WEB面接のツールの設定にもよるのですが、話している人だけが見えていて、あとの方々は見えてないということが時々ありますよね。「見えていないけれど、そこにはいる」ことが分かっているのも、やはり緊張します。
何も話さなくてもいいので、画面をオンにして相づちを打ちながらメモを取ってもらえると安心します。
あと、メモで言えば対面だと「お、この言葉をメモしたな」ということが分かりますので、話しがいがあります。

―Eさんがおっしゃっていた、面接官のリアクションが見えるということですね。どこでメモを取られたかが分かると、それがひとつのリアクションとして受け取れると。


Bさん: そういうことです。WEBだといつメモをとっているのかが分からないので、情報がひとつ減ってしまう気がします。

Cさん: 逆にずっとメモを取っていて、一度もこちらを(カメラを)見ないのも気になるかもしれません。

Dさん: 分かります。そういう学生側の気持ちを知ってか、WEB面接の最初に「メモを取りながら話しますので、目が合わないこともあると思いますがご了承ください」と言ってくださった企業にはとても好感を覚えました。

― メモを取る様子が見える、表情が見える、といったところから面接官が自分の話をきちんと聞いているのかどうかを気にされていることがよく分かりました。最後にDさんがおっしゃった、「目が合わない」というお話も気になります。WEB面接だと「目を合わせて話す」というのは難しいですよね。


Dさん: これは今日参加している皆さんにも聞きたいのですが、面接中に「カメラを見るか」「画面を見るか」、いまだに正解が見えていないんです。
カメラを見ると、面接官側の画面では「私が目を合わせて話している」ように見えるはずですが、実際の私には面接官の表情が見えていません。逆に、面接官の表情を見るために画面を見ると、面接官からは「目線を外して話している」ように見えているはずです。これって、どっちが正解なんでしょうね。
Aさん: 面接官側が気を遣って、カメラと画面の高さを合わせてくれているのが分かることがあって、そういうときは安心感があります。私自身はあまり気にしませんが、そういう形で配慮してくださってることがうれしいですね。

Eさん: 私は自己PR以外はずっと画面を見ていました。やはり、面接でパフォーマンスを発揮するには、相手の表情をきちんと見ることが大切だと思います。

― 面接官側がずっと画面を見ていて「目が合わない」と嫌ですか?


Bさん: 寂しい感じはしますよね。WEBなので仕方ないですが。Aさんのように気を遣っているのが分かる場面があったら、それはプラスに働くと思います。

― いま、WEB面接でカメラの問題について話しましたが、対面・WEBを問わず印象が下がってしまった面接官のエピソードはありますか?


Cさん: 対面でずっと貧乏ゆすりをしている面接官がいて、すごく嫌でした。怖かったです。

Aさん: WEBでも似たようなことがありますよね。私の場合、頬づえをついている面接官がいて、なんだか偉そうに見えますし、威圧感がありました。

Eさん: あと遅刻ですね……。WEBだと対面よりも遅刻される方が多いような気がします。
「あ〜 ごめん、ごめん。ちょっと遅くなっちゃった〜」と言いながら入室して、慌ただしく面接した後、「じゃあ終わりで〜す」と慌ただしく退出されるということがありまして……。
一応、面接はちゃんと受けますが、「時間管理もできないほど忙しいのかな」とか「就活生のことを軽く見てるんだろうな」という印象を抱きました。

Dさん: WEB面接の遅刻って、想像以上に多いですよね。私の場合、遅れてきた上に相手が寝癖のままパジャマで現れたことがあって…… 印象が悪いとか以前に驚きが大きくて(笑)。

一同: (笑)

―それは想像を絶するエピソードですね(笑)。確かにWEB面接で「カジュアルすぎる」という面接官は少なくないように思います。


Bさん: そうですよね。就活生側は、部屋の中で白い壁の前に移動して、服も失礼のないように整えて、光の当たり具合も調整して…… と努力しているのに、面接官側が気を抜いていると残念です。

たまに光が当たっている時以外は、逆光で全く表情が読めない面接官に当たったことがあって、すごくやりにくかったのを覚えています。
あとは服装も、いくら自宅からつないでいるとはいっても、会社名を背負っているのにカジュアルすぎるな、と思ってしまうことも少なくありません。

― 服装やカメラ写りの話は、耳の痛い企業担当者も多いと思います。あくまで対等な立場として、お互いに礼儀と敬意を持って話したいですよね。


Bさん: そうですね。僕は面接官が学生に取る態度は、その会社で上司が部下に取る態度とほぼ同じだと考えていますので、服装やカメラ写り以上に「ちゃんとコミュニケーションがとれるかどうか」も重要なポイントだと思っています。

Dさん: 分かります。面接でよくある「ガクチカ」みたいな頻出質問だけでなく、私自身がどう考え、どう感じたのかを聞いてもらえると「ひとりの人間」としてコミュニケーションを取ろうとしてくださっている感じがして好印象です。

Cさん: 逆に、初見でエントリーシートを見ながらその場で質問を考えているのが分かると幻滅します。初対面同士なのですから、コミュニケーションを取るにはある程度の準備が必要なはずです。それをしないというのは、やっぱり興味がないんだろうなと。

Aさん: コミュニケーションという点では、面接官からの質問に「○○さんはどう思われますか?」と聞く「逆質問」もよくしました。
これにきちんと答えていただけて、さらにその方自身の考えも伺えたので、すごく印象が良かったですね。

Eさん: 逆質問にちゃんと答えていただけると好印象というのは、まさにそうですね。
逆に、全然答えていただけなかったこともありました。質問の意図が見えにくかったので、「例えばどういうことですか?」と伺ったら、「今は私がEさんに質問している時間なので」と断固拒否されてしまったことがあって、良くも悪くも会社の雰囲気が分かった瞬間でしたね。絶対に入社しないと決めました……。
Cさん: どんな場合でも、あくまでも対等にコミュニケーションを取りながら面接を進めていきたいですよね。
僕は、第一志望ではない業界を受けた時にそれを見抜かれたことがあって。それを指摘されたときは緊張しましたが、「自分のことを見てくれている」という印象にもつながりました。その言葉がきっかけで、その後の面接の時間でじっくり話して、実は今その業界で内定を頂いて入社するつもりです。
こうやって、1人の人間としてコミュニケーションが取れると本当にうれしいですね。

― 面接官が「選ぶ側」で、学生が「選ばれる側」という意識はまだまだ根強く残っていて、残念な思いをされた方もいるようですね。逆にきちんとコミュニケーションが取れると好印象になるというのも、企業の採用担当者にとっては参考になったと思います。
続いて、ちょっとした気遣いが好印象につながったというエピソードはありますか?


Aさん: WEBのグループ面接で、最初に「今日は○分の面接ですので、お一人当たり○分の時間があります」と最初に予告してくださった面接は、とても好印象でした。
何分くらいで、どのくらいの話をしたらよいのか戦略が練れますし、力を発揮できます。

― 最初の方にDさんから「メモを取りながらなので目が合わないと思いますが」とWEB面接前に予告してくれて好印象だったという話がありましたが、それに通じますね。


Eさん: そうですね。面接の前に「今日、弊社から面接に参加するのは○○と○○と〇〇で、最初に○○が話して、次に○○から質問があります」というように、段取りを説明いただけると準備ができてありがたいですし、きちんとした会社なんだなと安心します。
ある種のアイスブレイクのような効果があるんじゃないでしょうか。

Dさん: 面接前に何を話すかというのは、学生側にとっては印象を左右する重要なことかもしれません。私も、エントリーシートの内容から「このスポーツをやってたんだね」とか、「私(面接官)も昔やってて、ポジションは○○だったんだよ」なんていう話をしていただけたおかげでリラックスして面接に臨めたということがありました。

Bさん: 僕も、面接の中でアルバイトの話を振っていただいてリラックスできた経験があります。スーツの販売をしていたのですが、面接官から「私にスーツを見立てるのならどんなもの?」と聞いていただいて。そこからは「面接」から「接客」にスイッチを切り替えてスラスラ話せましたので、肝心の面接も思う存分、力を発揮できました。
Eさん: あとは対面の面接で、自社商品の飲料を一緒に飲みながら話したのも良かったです。気持ちがほぐれるのはもちろん、資金的に余裕のある会社なんだな……という安心感もありました(笑)。

一同: (笑)

― 今日はたくさんの面白い話、ためになる話をありがとうございました!

面接のノウハウを解説する記事や本でも、よく「相手を尊重して対等に話しましょう」という言葉は出てきますが、心のどこかに自分自身が「選ぶ側」という意識があると、それは思った以上に学生に見抜かれていることが分かる座談会でした。

カメラの話、メモの取り方、アイスブレイク、さまざまなエピソードがありましたが、全てに共通するのがこの「対等な関係を築けるかどうか」ということを見極めたい学生の思いからだと思います。
ただし、表面上だけ綺麗に見繕おうとすると、それさえも見抜かれてしまいますで注意が必要です。面接だけでなく、説明会など学生とコミュニケーションを図る場では「フラットに対応する」ということを心掛けることから始めると良いのではないでしょうか。
  • Organization HUMAN CAPITALサポネット編集部

    HUMAN CAPITALサポネット編集部

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