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アルムナイの意味は?人材難のこれからを勝ち抜くアルムナイについて

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労働人口の減少が進む日本において、いかに優秀な人材を採用するかが人事界隈では話題になっています。そのひとつの考え方として注目を集めているのが「アルムナイ」です。アルムナイとはどのような考え方なのか。また、メリットなどについて解説していきます。

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アルムナイの意味とは

アルムナイ(alumni)の語源は、卒業生や同窓生を意味する「alumnus」の複数形であり、学校の卒業生であるOBやOGと同様に、企業の離職者や退職者の集まりとして人事領域で使われるようになりました。つまり、アルムナイ採用とは一度企業を離職した人材を再雇用する手法のことであり、新たな人的資源として積極的に導入する企業が増えつつあります。

マイナビが行った調査によると、企業のアルムナイ採用の実施率は平均65.9%(2019年)。アンケートに答えた半数以上の企業が導入しているという結果が出ています。組織の規模別にみると、従業員数60人未満の企業が47.9%、従業員数60~299人の企業が65.8%、そして従業員数300人以上の企業は80%と高水準を示しており、実施理由は「仕事内容への知見や理解度が高い」「実績があり即活躍が見込める」などの即戦力として期待する企業が多い傾向にあります。

「アルムナイ」が注目されている理由

日本社会の文化として、これまで当たり前だった終身雇用。定年まで働くことが一般的だったため、転職はリスキーなものだと考えられてきました。しかし、ここ数年で人材の流動化が進み、終身雇用制度は終焉を迎えています。一方で、労働人口は継続して減少傾向にある中で、人材不足に頭を悩ませる企業が多いことも事実。そこで、企業の離職者や退職者の再雇用に繋げる方策として、人事の方たちの間で近年注目を集めているのが「アルムナイ」です。外資系企業や海外では馴染みのあるキーワードですが、国内の多くの企業への認知はまだまだ低い状況にあります。

アルムナイが必要とされる背景

世界に視野を広げると、積極的な転職が推奨されている企業では、企業のOBやOGを繋ぐネットワークがしっかりと構築されています。そのため、企業のイベントなどへの参加など、アルムナイとの繋がりをもつことが容易にでき、外部パートナーとして契約や、再雇用するなど、人事において重要な採用手法になっています。

日本も、アメリカと同じように人材の流動化が進む中で、アルムナイの活用は企業の人材不足解消に繋がる画期的な方策といえます。高度経済成長期から続いてきた終身雇用の影響で、会社を辞める人は裏切り者だという考え方が残っているのも事実ですが、働き方の変化や副業の解禁などにより、今後ますますアルムナイの価値やニーズは高まるでしょう。

アルムナイを活用することのメリット

人事部門において優秀な人材に長く働き続けてもらうことは、重要なミッションのひとつです。それと同時に、新たな戦力を得ることも組織の若返りや活性化にとって必要不可欠。しかし、転職することへのハードルが下がり、フリーランスとしてスキルや経験を活かすという選択が身近になっている昨今、優秀な人材を確保するのは非常に困難です。こうしたリソース不足の解消にも有効なアルムナイ採用。その具体的なメリットをいくつかご紹介します。

メリット①:即戦力採用を実現できる

アルムナイ採用のメリットとして最も代表的なのは、入社当初から安定したパフォーマンスを発揮する“即戦力となる人材”を確保できることです。組織の文化や風土、事業内容を理解している状態なので、面識のない人材よりも当然のことながらすぐに仕事を任せることができます。また、すでに人となりが分かっている者同士なので、新たに人間関係を構築する必要がありません。

退職理由は人それぞれですが、出戻りを希望する方は比較的エンゲージメントも高い傾向があるため、他の社員に対しても良い影響を与える存在になる可能性は非常に高いといえます。さらに、社外の企業で仕事に就いていたアルムナイは、新たなスキルやノウハウを磨いているため、再雇用することで今までにないコラボレーションやイノベーションを与える存在としての活躍が期待できます。

メリット②:採用に関わるコストの削減

求人広告を出して応募を待つ従来の採用手法ではなく、企業側がアクションを仕掛けるダイレクトリクルーティングや、自社の社員に人材を紹介してもらうリファラル採用と同様に、アルムナイ採用も関係構築さえ怠らずに行っていれば、採用コストはかなり削減できます。

また、企業の理念やフィロソフィ、業務内容などを熟知している存在なので、これまで入社後の研修やオンボーディングなどに費やしていた人事側の時間と労力といった育成コストも解消。年々、採用単価が高まる企業が多い中で、健全なコスト管理を実現できるでしょう。

メリット③:採用ブランディング・インナーブランディングの向上

アルムナイ採用を成功させるポイントは、退職時の関係性やその後の接点づくりが肝となります。退職理由にもよりますが、辞めたい意志を伝えてから実際に退職するまでの期間をアルムナイにとって有意義な時間にすることで、「辞めてからもこの会社(人)と繋がっていたい」と思ってもらえる社員を増やすことができます。

このように、“辞めていく人間は敵である”というようなスタンスではなく、アルムナイとの友好関係を築くことで、優秀な人材のエンゲージメントも高まり、社員想いの会社としての評判や口コミなどに好影響を与えてくれるのです。その結果、採用ブランディングの向上に繋がり、新たに優秀な人材と出会うチャンスも広がるでしょう。

また、従業員に対して、企業の理念やブランド価値の共感接点を築き、浸透させていくことを目的としたインナーブランディングも、アルムナイ採用に有効な手段のひとつであり、組織内においても大きなメリットが得られる方策です。理念や価値への共感度が高まることで企業と従業員のベクトルが揃い、一体感のある風土が醸成されます。それによって、アルムナイが再入社を希望するケースが増えるだけではなく、既存従業員が改めて自社の魅力を実感する機会となり、従業員エンゲージメントや業績の向上に繋がるでしょう。

メリット④:顧客にもパートナーにも成り得る

良好な関係を築けているアルムナイは、企業が新たに展開する新サービスや商品に関する情報の拡散、さらには組織活動の価値向上にも繋がるマーケティング戦略にも貢献してくれるでしょう。また、企業と個人の関係価値を最大化するアルムナイ・リレーションにより、人材の再雇用のみならず、顧客やアンバサダー、業務委託などによるセールスパートナーとしての関係性を築くこともできます。ちなみに、アルムナイが顧客を紹介してくれるケースも決して珍しくありません。

メリット⑤:社外の有益な情報を得られる

企業にとって、他社で働いた経験のあるアルムナイは、客観的な視点で組織内における改善点を指摘してくれる貴重な存在です。また、社外の最新情報やトレンドなどの有益な情報を提供してくれます。自社だけでは凝り固まった考え方になりがちで変革が難しい場面においても、多角的な提案で全く新しい商品やサービスの開発、社内体制の見直しなどに貢献してくれるでしょう。社内と社外、それぞれの良いところや悪いところを把握するアルムナイとの接点があるからこそ、思いもよらないイノベーティブな価値創造を実現するチャンスが得られるのです。

アルムナイを活用することのデメリット

アルムナイの導入にはメリットが多くある一方で、主に2つのデメリットが挙げられます。

コミュニケーションコストの増加

アルムナイ採用を成功させるうえで関係構築は重要ですが、そのためにはどうしてもコミュニケーションコストがかかってしまいます。定期的な接点をつくるために、交流会などのイベントや既存社員とのコラボレーションの場づくりをはじめ、アルムナイ専用のチャットルームを作成するなど、リレーションを維持するための工数は今まで以上に増えるでしょう。

受け入れる側の理解や配慮が必要

一度会社を退職したOB・OGを受け入れることは、退職後に変わった環境や制度に対するアルムナイ本人の理解が必要であると共に、既存社員にとって納得のいくキャリアやポジションを与えなければ軋轢が生じてしまいます。また、退職しても誰もが戻って来られるという安易な考えが横行してしまう可能性も否めません。アルムナイ制度の受け入れる前の理解や体制づくり、再雇用のための条件を明確にするなどの対策は必須といえます。

アルムナイ制度を導入するうえでのポイント

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アルムナイとの継続的な接点づくりや制度を導入するうえでの注意点や導入ポイントについてご紹介します。

アルムナイ制度の注意点

アルムナイ制度には、運用する際の注意点もいくつかあります。1つ目は、アルムナイとの関係維持にかかる時間コストやコミュニケーションコストです。人事担当がやり取りすべてを担うと手間もかかるので、対応人数の確保や役割を明確にする必要があるでしょう。

2つ目は、既存社員の中に反感を抱く方が現れるかもしれないということです。例え円満退社であったとしても、一度辞めた人間を歓迎しないケースは決して珍しくありません。そのため、既存社員が納得する給与や待遇などへの配慮やアルムナイへの理解を深めてもらう面談や研修などを実施も検討するとよいでしょう。

3つ目は、情報管理における注意事項です。まだ採用が確定していない状態のアルムナイとやり取りを行う際は、情報漏洩のリスクがあるので会社の内部事情まで安易に伝えるのは危険です。

導入時に整備したほうが良いこと

企業独自の人材データベースを構築できるサービスを活用してタレントプールの仕組みを構築するなども、ひとつの方策といえるでしょう。タレントプールのような自社のデータベースが構築されていることで今後のリクルーティングにも好影響を与えてくれるでしょう。例えば、アルムナイだけではなく、就活セミナーや説明会などで接点をもった方や、過去に内定を出したものの事情により辞退された方など、データを種別ごとに分けて構築することで、採用ターゲットにマッチした人材へのアプローチがスムーズになります。

アルムナイ制度を導入しやすい組織形態

アルムナイ制度との相性が良い組織形態は、ジョブ型(職務型)雇用といえるでしょう。ジョブ型雇用とは、職務内容に応じたスキルをもつ人材を採用・評価する雇用制度であり、以前の日本で多かった会社に合う人材を採用して職務を与えるメンバーシップ型雇用とは異なる制度です。

ジョブ型雇用の特徴として、職務や事業のミッションへの共感性が強い人材が多いため、退職後も想いや関心分野などの共通点が多くつながりを持ちやすい傾向にあります。また、ジョブ型は成果主義であるため、企業と個人の新しい関係を創りやすいともいえます。

退職者を味方につけることで企業価値を高める

中途入社のみならず、新卒入社した社員が早期に転職活動を行う、いわゆる第二新卒も増えている昨今、離職率の悪化に悩む人事担当者は少なくありません。特に、辞めて欲しくない優秀な人材ほど、新たな事業やビジネスを求めてチャレンジするために、転職するケースも増えているのが現状です。

一方で、こうした終身雇用の時代ではありえなかった動き方こそが、現代社会のリアルな状況だと理解することが大事なのではないでしょうか。辞めて行く社員を裏切り者と敵視するのではなく、重要な仲間に成り得る存在と改めることで、アルムナイとして接点を持ち続けることが可能になります。優秀な人材を失うことに恐れるのではなく、貴重な人材資源として捉え直し、アルムナイとして再雇用やアンバサダーなどの良好な関係を維持する方向にシフトしてみてはいかがでしょうか。

出典:株式会社マイナビ「中途採用状況調査2020年版

  • 人材採用・育成 更新日:2023/02/21
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