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説明会参加率95%超! 地方B to B企業が実践する「おもてなし」採用活動

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コロナ禍をきっかけに就職活動のWEB化はますます進み、特に会社説明会は交通費負担や時間の制約が小さくなることから急速にWEB化していきました。

そんな中、対面での会社説明会にこだわって開催を続け、しかも予約からの説明会参加率が95%を超えているという企業があります。
千葉県に拠点を置く食品容器の専門商社、株式会社川和です。

なぜ、そのような驚異の参加率を実現できるのでしょうか。
お話を伺ってみると、どうやらその秘けつは「おもてなしの心」にあるようです。

― 今日はよろしくお願いいたします。説明会の参加率の話も気になりますが、まずは御社の概要と採用活動方針について伺いたいと思います。


小山さん: はい、よろしくお願いします。弊社は1949年、経木や折り箱の製造販売店として創業しました。現在は千葉県に拠点を置いた食品容器の商社として全国に展開しています。

B to B企業ですが、取引先がスーパーなどの小売店中心であることから、消費者の声を直接聞く機会が多いという特徴があります。そのため、地元の商店の発展や人々の豊かな暮らしに貢献したい、という思いのあるUターン学生を中心に採用しています。
加えて、私たちは主業である食品容器以外にも、社内での勉強会や実地試験の成果を共有する形で、店舗の節電による固定費の削減などのアドバイスもさせていただいています。

これが結果としてお客さまから高い信頼を勝ち得て、長いお付き合いを実現しているんです。
そのために必要なのが、「素直さ、誠実さ、真しさ」の「3つのS」だと考えています。この精神に共感してもらえる学生なら、きっと活躍してもらえると期待していますね。

― 御社は対面での説明会を中心に開催されていると伺いました。この理由はなんでしょうか。


小山さん: まず、学生のリアクションを見ながらブラッシュアップしていきたいという思いがあります。私たちのどんな話に興味があるのか、何を聞きたいのか。オンラインではそぎ落とされてしまう、そんな情報を得たいんです。

また同時に、弊社の社員の雰囲気や社風も学生に感じてほしいと思っています。これもオンラインでは伝わらない部分ですね。説明会の合間にさっと交わす社員同士の会話の雰囲気や、学生を迎える私たちの姿勢を見てほしいんです。

― 確かに、学生が対面の説明会に求めるものも今おっしゃったような非言語情報であるようです。


小山さん: そうですよね。あと、私たちの説明会で特徴的なのが、必ず代表が登壇するということです。1時間ほどかけて、仕事のこと、人生のこと……台本がないので話すことは毎回違うのですが、学生に向けて直接語り掛けています。

終身雇用制度が崩れてきたとはいえ、やはり新卒で入社する最初の会社として、一人ひとりの一生を左右するかもしれない、その覚悟を持って迎えるということを話すんです。

直接語り掛ける効果は高く、アンケートでは毎回必ず代表のスピーチに関する言及が最も多くなっています。入社動機に「代表の話に感動したから」と書いてくれる社員もいますし、代表の話が良かったという口コミを聞いて説明会に来てくれる学生もいるほどです。

― つまり、会社の方針や社風に共感してほしいということだと思いますが、他にプログラムで工夫されている点はありますか?

小山さん: そのとおりです。中小企業ですので、代表の方針に共感してもらえる学生を採用したいという思いは強くあります。
また、先ほどもお話しした「3つのS」という弊社の基本精神が現場でどのように実践されているのかを理解してもらうために、社員を交えた車座での座談会も実施していますね。

とにかく、せっかく対面の説明会に時間もお金もかけて来てくださっている学生に対して、こちらも誠意を持って精いっぱい伝えていきたいと考えています。

― 少し話が変わりますが、対面ですと学生側も御社を見ているという側面があると思います。その点で気を付けていることはありますか?


小山さん: ある大学のキャリアセンターで伺ったアドバイスなのですが、学生が対面の説明会で会社に幻滅してしまうのが、社員の「服装がだらしない」という点なんだそうです。細かいところですが、やはり現場で得られる感覚を大切にしているということの表れだと思います。なので、私たちもその点は気を付けていますね。

― 読者の方も気になっている、説明会の参加率について伺いたいと思います。率直に、その秘けつは何だと思いますか?


小山さん: やっぱり「おもてなしの心」ですね。似た言葉に「ホスピタリティ」がありますが、それは「その時・その場」でのことです。一方で「おもてなし」は、相手と対面していないときにも相手のことを思うことだと思うんです。

― というと、具体的にどのような「おもてなし」をされているのでしょうか。

小山さん: どの企業でも説明会のリマインドメールは送ると思いますが、弊社の場合は1カ月前から始まって、3週間前、1週間前、3日前、2日前、前日……とかなりの頻度で送っています。

そのとき、日が迫ってからのメールでは「明後日の千葉県は雨のようです。雨具を忘れずに、足元に気を付けてお越しください」のような一言を添えるようにしています。

また、個別にも遠方からの方であれば「乗り換えや弊社までの道が分からなくなったらいつでも連絡してくださいね」とか「遠いのにありがとうございます、お会いできるのが楽しみです」とか、一人ひとりに向けても何か書くようにしていますね。

― それはすごい…… 学生も印象に残るのではないでしょうか。


小山さん: ありがたいことに、そのようです。学生は非常に多くの会社説明会に参加していますから、弊社のことをちゃんと覚えていただきたいという思いもあります。

それに、会場で私に声を掛けてくれる学生さんもいます。その時、相手の名前とお住まいを覚えていれば「ああ、○○さん。今日は□□からわざわざありがとうございます!」と声をかけられます。

― まるで高級旅館のような対応ですね。

小山さん: この「おもてなしの心」は、私たちの仕事でもとても大切なんです。最初にお話ししたように、取引先は小売店でも消費者と非常に近いところで仕事をしていますから、どうしたら喜んでいただけるか、真しに考えることが良い仕事につながります。

― 他に、学生との関係づくりで気を付けていることはありますか?


小山さん: まず説明会の前段階の話になりますが、どうしたら学生の目に留まるかということを考えています。
大切にしているのはマイナビ様の営業さんから頂いたアドバイスですね。マイナビ上の企業ページを細かくアップデートすると学生の目に留まりやすいとアドバイスをもらいましたので、それを実践しています。

あとは、弊社に近い企業規模の会社がマイナビの企業ページにどんなことを書いているのかもチェックしています。どうしたら学生の目に留まり、心に残るのか、どんなことを書いたら興味を持ってもらえるか…… そんなことを考えながら地道にやっています。

― マイナビ以外の導線から来る学生との関係づくりはどうですか?

小山さん: マイナビ以外の導線で大切にしているのは、大学のキャリアセンター様ですね。弊社代表の説明会での話が学生にも好評なので、一定の関係性を築くことができていると思います。

具体的には、弊社説明会の案内を個別に学内SNSから学生に伝えてもらったり、先ほども少しお話しした服装などについてのアドバイスをもらいます。
やっぱり学生に一番近い立場の方々ですから、説明会への直接的な誘導はもちろん、アドバイスにも力があると感じています。

― 今日はありがとうございました!

冒頭、求める学生像として「素直さ、真しさ、誠実さ」を挙げられていた小山さんですが、ご本人がそれを実践しているからこそ、順調な採用活動ができているのだと実感できるインタビューでした。

以前にインタビューした、Game Changer合同会社の前川さんも「採用担当者の印象が会社全体の印象に強く影響する」と言っていたとおり、「こういう学生が欲しい」という理想を採用担当者自身が体現するのは、実は大切なことなのかもしれません。
  • Organization HUMAN CAPITALサポネット編集部

    HUMAN CAPITALサポネット編集部

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  • 人材採用・育成 更新日:2021/11/24
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