2018年卒 マイナビ大学生就職意識調査
■就職観の1位は前年同様「楽しく働きたい」、
2位「個人の生活と仕事を両立させたい」が5年連続の増加
学生の就職観を全体で見ると1位は前年同様「楽しく働きたい」(29.7%、対前年0.2pt減)で、この十数年変わらずトップで、全体で見るとほぼ前年並みだが、理系(男子/女子)は減少している。2位の「個人の生活と仕事を両立させたい」(26.2%、対前年1.7pt増)は、13年卒調査から数えて5年連続で増加傾向にあり、特に理系女子では「楽しく働きたい」を抜いて1位になった。「ワークライフバランス」という言葉の浸透に伴い、仕事と私生活の両立が就職観としてより重視されるようになってきていると考えられる。3位の「人のためになる仕事をしたい」(16.1%、対前年1.6pt減)は前年より減少した。
■大手企業志向は前年よりさらに上昇、理系男子では全体の6割が大手企業志向と回答
大手企業志向(「絶対に大手企業がいい」+「自分のやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい」の合計)については、前年を4.4pt上回る52.8%と、10年卒以来8年ぶりに半数を超えた。また、理系男子は前年比7.5pt増の60.0%と大きく増加した。18年卒は就職活動スケジュールが17年卒と同じであることで先輩の経験談を活用しやすいことや、ここ数年の人手不足の現状 -学生にとって売り手市場- を受けて、より規模の大きな企業を目指して活動を始めたようだ。この大手企業志向は、文理男女で分けた場合にも同様で、全体・文理男女の4分類ともに、2年連続の増加となった。国公立・私立/文系・理系の分類を、さらに男女/地域で分類したところ、ほとんどの分類で大手企業志向の上昇が見られ、特に関東の「国公立理系(男女とも)」「私立理系(男子)」は、前年より10pt以上の上昇があった。
■企業選択のポイントは
「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」が上位ながら微減、
「安定している会社」が前年よりさらに増加
企業選択のポイントでは、「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社(38.1%、対前年0.3pt減)」「働きがいのある会社(15.1%、対前年比0.9pt減)」がそれぞれ5年連続で減少し、「安定している会社(30.7%、対前年比2.0pt増)」「給料の良い会社(15.1%、対前年比2.3pt増)」がそれぞれ2年連続で増加した。「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」は、最も選ばれる項目でありながらも、01年卒調査以降、最も低い割合を更新し、「安定している会社」は、01年卒調査以来最も高い割合を更新した。文理男女の4区分に分けると、文系男子では「安定している会社」が「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」を初めて上回り、最も選ばれている。また、文理ともに男子の「自分のやりたい仕事(職種)がある企業」の割合は、過去最低となった。
■志望職種は「営業企画・営業部門」が8年連続の1位 文系女子では3年連続の増加
志望職種については、「営業企画・営業部門(27.0%)」が前年比1.1pt減ながら、全体で8年連続の1位である。「営業企画・営業部門」の志望増加を文系の男女別に見ると、文系男子は前年より減少しているのに対して、文系女子は3年連続の増加傾向にあるものの、全体の割合で見ると、文系女子の営業職志望割合はおよそ3割、文系男子はおよそ5割と差がある。理系は男女ともに「研究・開発部門」が本年も前年同様最も高い。また、この割合は前年まで3年連続で減少していたが、本年増加に転じた。前述の大手企業志向の上昇と合わせて、学生の就職意識に変化が表れているといえる。
- 調査・データ 更新日:2017/04/24
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