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採用担当1名から輪を広げ、一挙4名の採用を実現!+研修で組織強化にも成功

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規模や地域、業種にかかわらず、多くの企業が苦戦を強いられている現在の新卒採用市場。今回お話を伺った社会福祉法人庄原さくら学園さんも、そんな法人の一つでした。

本拠地があるのは、広島県の中心、広島市から車で1時間半ほど離れた庄原市。人口3万人ほどで、その半数が高齢者です。

この地域性に加え、たった1名で採用を行っている(しかも他業務と兼務)という事情もあり、過去3年間の新卒採用実績はゼロ人。エントリーがあっても、説明会や会社見学になかなか来てもらえない状況が続いたと言います。しかし、マイナビのアウトソーシングサービスを使い始めた2025年卒採用では、なんと一挙に4名の採用に成功。さらに、研修サービスも導入して組織の強靱(きょうじん)化も図っているのだそう。

採用成功の秘訣(ひけつ)、そしてこれからの展望について伺いました。
  • 社名:社会福祉法人 庄原さくら学園
  • 本部所在地:広島県庄原市
  • 事業内容:福祉型障がい児入所施設、障がい児通所支援事業所、障がい者支援施設、グループホームなどの障がい者福祉事業
  • 設立:1963年
  • 従業員数:180名(2024年3月1日現在)

課題

  • 知名度不足、地元人材不足による採用難
  • 組織内の横のつながりが弱い

成功ポイント

  • アウトソーシングサービスによる学生の確実なグリップで4名の採用に成功
  • 研修サービスも導入し、役割別の研修を実施して組織が強くなった

ご利用いただいたサービス

新卒採用ゼロ人……苦難の3年間から一挙4名の採用に成功!

— 今日はよろしくお願いします。今回はマイナビのサービスをご利用いただき新卒採用を行われたということですが、これまでも新卒採用は実施されてきたのでしょうか?


前﨑さん: はい。どの業界もそうですが、障がい者福祉業界もやはり人手不足です。その状況を打破しようと4年前から新卒採用に挑戦し始めましたが、就職イベントでは1名も採用できない年が3年も続いていました。

— そこでマイナビのサービスをご利用いただいたということですね。直接のきっかけはどのようなものだったのでしょうか。


前﨑さん: 4年前から始めた新卒採用では一貫してマイナビを利用していたのですが、先ほどお話ししたようにその効果がなかなか出ずにいました。

そのとき、マイナビの営業担当さんから「前﨑さんは採用以外にもさまざまな兼務をされていてお忙しいでしょうから、アウトソーシングを利用してみませんか? きっと採用課題の解決に役立ちますよ」と提案してもらったのです。
それまでのお付き合いからも熱意と誠実さが伝わっていたので、「この人が言うなら」と信じて利用を始めてみました。

— 結果はいかがでしたか?


前﨑さん: これまではエントリーがあったとしてもその学生と連絡が取れない、取れたとしても説明会や見学会に来てもらえるのは1〜2名で採用には結局つながらないということが多かったんです。しかし今年度の採用ではなんと10名以上が見学に来て、最終的に6名に内定を出すことができました。2名が辞退して、内定受諾は4名です。

これは当法人にとってはもちろん、庄原市の企業全体で見ても奇跡的な成果と言えると思います。本当に感謝していますね。

アウトソーシングサービスによる「学生のグリップ」が効果を発揮

— 採用に想定以上の効果が出たとのこと、うれしく思います。成功の秘訣(ひけつ)は何だったと思いますか?


前﨑さん: これまで、私が一人で採用業務を担当していた頃も、エントリーそのものはいくつかありました。しかし、私から電話やメールをしても、いまいち良い反応を得られず、その後の説明会や施設見学会につながらなかったのです。

しかし、アウトソーシングサービスを利用し、エントリーしてくれた学生に説明会参加を促すフォローの電話をしてもらうようになってからは、次のステップに進んでくれる学生が明らかに増えました。

アウトソーシングサービスから学生への連絡の方法や内容はお任せしていたのですが、やはりタイミングや内容など、プロのノウハウがあるのでしょうね。学生自身がエントリーしたサイトであるマイナビからのプッシュという点も、信頼につながったのだと思います。

— 説明会や見学会はどのような内容だったのでしょうか。


前﨑さん: 現場職員との交流機会を多く持てるようにしながら、実際に働き始めた後の様子を想像しやすいものになるよう、心掛けました。

当法人で募集している「生活支援員」は、障がいのある方の生活を現場で支える職種です。介護福祉士や社会福祉士のような有資格職ではないので、職種の知名度はそれらと比較するとやや劣ります。

しかし当法人に応募してくれている時点で、その分野に興味があることはほぼ間違いありません。あとは現場を見て自分に合っているかどうか、そして一緒に働く人がどんな人なのかを知ることがその後の定着率にも直結すると思ったので、そのようにしました。

— その結果として採用が成功されたんですね。現場の連携や職場の雰囲気が決め手ですか?


前﨑さん: そうだと思います。採用活動の輪を広げ、見学時に現場の魅力を伝えてくれた職員たちの協力も大きく、結果につながったと思います。協力してくれた職員に心から感謝していますし、採用活動の重要性が広く認知されるよう、一緒に頑張っていきたいと思います。

しかし、当法人としては組織間の連携に課題を感じていたんです。それがアウトソーシングサービスと併せて、マイナビにお願いした研修サービスで解決したい課題でした。

孤立しやすい管理職の「横のつながり」をつくり、組織を強靱(きょうじん)に

— 研修サービスについても、ぜひ詳しくお聞かせください。


前﨑さん: 当法人は8つの施設を持ち、全体で約180名の職員がいます。しかし、それぞれの施設は個別に運営されており、横のつながりが希薄でした。特に各施設の指揮を執る施設長は他に相談する相手もおらず、孤独を感じているという問題もあったんです。

新卒採用で人材を確保することに加え、それぞれの施設が連携して互いに持っている課題を共有、解決することができる体制を確立できれば、組織を強化することができると考え、そのために研修サービスを依頼しました。

実施したのは階層別研修です。施設長をはじめとした管理職に向けた研修では、人材育成やマネジメントの基礎とロールプレイを。各施設の主任クラスの職員に向けた研修では、現場で求められるリーダーシップを学ぶための接遇やコミュニケーションの研修を実施しました。

ポイントは、みんなで一緒に集まって受ける「集合型」である点です。それによって他の施設にいる同職位のメンバーと横のつながりができ、孤独感の解消につなげることができました。

— これまではあまり研修はやってこなかったのでしょうか?


前﨑さん: いいえ。e-ラーニング形式の講座を実施していたのですが、忙しい中で受講する時間を取れないメンバーも多く、それぞれの進捗(しんちょく)にばらつきがあったんです。

つまり、仕事に対する意識や知識にもばらつきがあったということなので、そこの目線を合わせることが長い目で見た組織運営には必要不可欠だと考え、実施しました。

実際、受講した職員からは好評で、同職位のメンバー同士で共通言語ができたことにより、課題の共有や解決に向けたディスカッションのレベルが格段に向上したとの声が上がっています。

— では最後に、今後の展望をお聞かせください。


前﨑さん: まず採用については、これからもマイナビと連携しながら持続的に新卒人材を採用できるといいな、と思っています。

加えて、今は管理職と主任クラスだけに実施している研修を、職位ごとの階層型研修として拡充し、全メンバーが定期的に研修を受講するような体制づくりも行いたいですね。

特に新しい職員の定着施策はこれまで完全に現場任せ(OJT)だったので、少しでも現場の負担を軽くすること、そして横のつながり強化のためにも研修体制は充実させていきたいですね。

もちろん費用が必要にはなりますが、人材のプロの客観的な目線で課題整理してもらって初めて見えてくる解決策もあり、上手に外の力を借りることも大切だと今回実感しました。当法人と同じように、地方で採用難や離職に苦しんでいる企業・法人の方々の参考になればうれしいですね。

— 今日はありがとうございました!


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