経営と人材をつなげるビジネスメディア

MENU CLOSE
1

初めての新卒採用で予定人数を上回る内定受諾を獲得!
地元学生をターゲットとした合同説明会が決め手

/news/news_file/file/thumbnail_s-column-197.png 2
学生(就活生)の人数は増えていないにもかかわらず、企業の採用意向は高まりを見せているため、いまの新卒採用市場は過去に例を見ないほどの「売り手市場」となっています。

新卒採用を長く続けてきたベテラン企業でも採用には苦労するような現状ですが、大阪府に拠点を置く企業、株式会社新世紀サービスは同社として初めての新卒採用で、採用予定人数を超える6名の学生から内定受諾を獲得したといいます。

当初は地方企業としての知名度の低さに課題を感じていたという同社は、どのように新卒採用を成功させたのでしょうか。お話を伺いました。
  • 社名:株式会社新世紀サービス
  • 本社:大阪府堺市
  • 事業内容:小売り・EC
  • 設立:1997年
  • 従業員数:25名(2023年9月30日現在)
  • 初めての新卒採用でのノウハウ不足
  • 知名度不足
  • 地域密着型イベントへの出展で地元学生の採用に成功
  • マイナビ営業担当による情報提供

― 今日はよろしくお願いします。まず、御社が新卒採用を始められた経緯を教えてください。


福富さん:はい。弊社はサカイ引越センターの子会社として、同社を利用してお引っ越しをしていただくお客さま向けに、営業スタッフを通じて商品のご提案と販売を行っている企業です。
大物家電や家具など、弊社を通じてご購入いただくと<引っ越し荷物と一緒に新居へとお運びすることができますので、大変ご好評をいただいております。

そのような事業内容なので、少数の中途入社を除けば、これまで弊社では私や高岡もそうであるように、サカイ引越センターからの出向や異動という形で人員を確保してきました。

ですが、今後はサカイ引越センターをご利用になるお客さま以外にも、ECを通じた商品販売を積極的に行っていこうと考えており、新たに弊社で独自の採用をしようと決めたのが、直接的な経緯です。

― 御社に合った人材を一から育てていく、ということでしょうか。


福富さん:そうです。サカイ引越センターとは密接な協業関係にありますが、あちらは引っ越し屋さん、こちらはいわば商社のような企業なので、学生の志向がまったく異なると思いました。

そこで、最初から弊社を目指していただけるような学生に入社してもらい、新規サービスも含めて一緒につくり上げていくことのできる人材に育てたいと考えたのです。

― 新卒採用をするに当たってマイナビをお選びいただいた理由は何でしょうか?


福富さん:学生集客力と圧倒的な知名度が理由です。弊社のような地方の小さな企業が新卒を採用するには、自社だけの努力では難しいと考えて、マイナビに協力してもらうことにしました。

結果、5名の採用予定人数に対して6名に内定受諾をしてもらうことができ、大成功でしたね。

― 初めての新卒採用を始められて、まずぶつかった壁はどのようなものだったのでしょうか?


福富さん:知名度ですね。親会社のサカイ引越センターは有名ですが、弊社のことを知っている学生というのはほとんどいませんでした。

なので、採用活動の初期はマイナビ上に情報を掲出しても応募がほとんどなく、かなり焦った時期もありました。
状況が変わったのは合同説明会に出展してからです。

― どのような点が合同説明会での成功につながったと思いますか?

福富さん:まず、大型の合同説明会では有名企業に埋もれてしまうと考えて、南大阪エリア限定のイベントに出展したのが良かったと思います。

弊社は堺市にしか拠点がないので、転勤がありません。マイナビの営業を通じていまの学生は勤務地を非常に気にされるということを聞いていましたので、その点はしっかりとアピールしました。

また、企業規模に対して福利厚生が充実している点もアピールポイントになると伺い、こちらもしっかりと説明しましたね。
サカイ引越センターと同じ福利厚生を利用できますので、保養施設や配偶者の誕生日にお祝い金をお渡しする制度など、かなり充実しています。

― なるほど。いまの学生に響きそうな内容ですね。


福富さん:はい。ただ、合同説明会が成功した理由は福利厚生の充実だけでなく、課長の高岡にもあると思います。
「しゃべり」がとにかく上手なので、興味を持ってくれた学生に後から連絡をすると、「あ、あの面白い方がいる会社ですね」と覚えてくれている方も多かったですね (笑)。
高岡さん:私はサカイ引越センターに入社して30年になりますが、キャリアの中で10年前に中日本エリアの人材採用をやっていたことがあったんです。
その頃は息子が高校生で、いまは高校の先生をやっています。彼が大学3年生の頃に親の視点から就活というものを考える機会があり、それが活きているのかもしれません。

例えば、合同説明会でブースに座ってくださった学生には、相手の目線よりも必ず下から名刺をお渡しする、学生の視点に立ってあくまでも対等な立場として丁寧にお話させていただく、分かりやすく、ざっくばらんに楽しくお話を聞いていただく。こんなことを意識しました。

結果として楽しんでいただき、弊社のことを知っていただくきっかけになったなら何よりです。

― 高岡さんが心をつかみ、福富さんが説明すべきことをしっかりと伝える。このタッグが成功の秘訣(ひけつ)のようですね。


福富さん:そうですね。弊社の強みの1つに社風の良さ、働きやすさがあると思っているのですが、そういった雰囲気のようなものは高岡から学生へと伝わったと思っています。

他にも、高岡の経験と考えからブースデザインは柔らかく印象のいいもの、そしてあえてサカイ引越センターのイメージを引きずらないものにしました。それも、弊社の雰囲気を感じていただけるいい演出になったと思っています。

― 合同説明会で興味を持ってくれた学生への次のアクションはどのようにしましたか?


福富さん:次は、弊社のオフィス内で行われる個別会社説明会への案内です。来てくださった学生には同時にオフィスツアーもしてもらうことで、弊社が本当に働きやすく柔らかな良い雰囲気であることを知ってもらえるように心掛けました。

高岡さん:そしてその後、選考に参加する意思を表明してくれた学生にはすぐに電話やメールで連絡を取り、日程も相手の都合を優先して決めていくことを心掛けましたね。こういう細かなところで学生からの印象は変わると思っていますし、実際に良い反応を頂くことができました。

— 学生とのコミュニケーションで特に気を付けられた点は?


高岡さん:いまの学生はリモート授業に慣れていて、他者から直接的に評価を受けるという経験があまりないとマイナビの営業に聞いていましたので、できる限り対面で、しっかりと本人の評価を伝えるようにしました。

特に内定出しは必ず対面にしてもらって、「あなたのこういうところに期待している」「こんな理由であなたを採用したいと思っている」としっかり伝えています。人間と人間のことですから、コミュニケーションの深さはとても重要ですよね。

福富さん:それが結果として5名の採用予定人数に対して6名の内定受諾と、初めての新卒採用としては望外の結果につながったと思います。

— いま、採用市場は厳しさを増して、御社のように初めての新卒採用を考えていらっしゃる方も尻込みしてしまうような状況です。最後にメッセージをお願いします。


福富さん:確かに市場は厳しいのですが、自社のアピールポイントをしっかりと認識して学生と密に、深くコミュニケーションを取っていけば選んでくれる学生は必ずいます。

私たちも最初は不安でいっぱいでしたが、結果は大変良好でしたので、まずは飛び込んでみるのがいいのではないでしょうか。

高岡さん:福富の言うとおり、市場環境は厳しいですし、新卒採用はコストも大きい一大事業です。しかし、その投資は必ず後から利益となって返ってくると信じています。

そして何より、複数名の新卒採用をして「同期」を形成 することができれば人材の層ができていき、永続性にもつながるはずです。知名度などハードルもあると思いますが、会社の未来のために挑戦することをおすすめします。

— 今日はありがとうございました!

お問い合わせ